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男女20人 初対面同士のファーストキス

 

 

 

こんにちは。

サクセス発行人の田村真二です。

 

 

近年のマーケティングトレンドの1つに、ブランド名を大々的に出さないブランド戦略というものがあります。

 

 

「ブランド名を大々的に出さないブランド戦略」って一体何のこと?

 

 

と不思議に思う人もいるかもしれませんね。

 

 

それを説明するには、You Tubeの動画を1本見ていただくのがいいかもしれません。映画監督のタチア・ピリエヴァによる「ファーストキス」という短いモノクロ動画です。

 

 

初対面の男女20人が、カメラの前でキスをするように頼まれたときの様子を撮影した動画です(3分28秒)。

 

 

ファーストキスのぎこちなさと、男女2人の感情と表情の変化に対する大きな感動を呼び起こした動画です。ぜひ次の動画をクリックして「最初から」見てください。

 

https://www.youtube.com/watch?v=IpbDHxCV29A&t=58s

 

 

 

動画を見終えた方に1つ質問します。

 

 

これはあるファッションブティック企業がスポンサーとなって制作された動画ですが、その企業の名前がわかりますか?

 

 

動画の冒頭にさりげなく、一瞬だけ企業名「Wren presents」(レン提供)が表示されるため、私も最初気づきませんでした。実は、それがこの企業の狙いなのです。

 

 

本日読んだ『ヒューマン・マーケティング戦略』(マーク・W・シェイファー著)という本に詳しく書かれていますので、概略ご説明します。

 

 

 

反ブランドの流れ

 

 

ファッション雑誌『ヴォーグ』や『W』に携わったあと、ロサンゼルスに移ったメリッサ・コーカーは、2007年にファッションレーベル「レン」を立ち上げました。

 

 

オンラインのファッションブティック、「レン」はマーケティングのジレンマに直面していました。「どうすればスタートアップ企業が低予算で(競争の激しいファッションマーケットで)誰かに話したい動画を作ることができるのだろうか?」。

 

 

メリッサは考えました。「ファッションのような競争の激しい業界では、他社と同じようなことをしているだけではうまくいかないだろう」と。

 

 

そこでメリッサが考えたのは、友人を集め、キスをしてもらうことでした。しかも、カメラが回っている前で!

 

 

カメラが回っているとなれば、夫婦や恋人同士でも恥ずかしいでしょう。メリッサの友人とはいえ、キスをし合う者は初対面の相手同士、という大胆なアイデアです。

 

 

見ての通り出来上がった動画はモノクロで生々しく、登場人物の感情や表情の変化が動画を見ている側にもリアルに伝わるものでした。

 

 

ところが、この動画がYou Tubeで1億4000万回以上も視聴されているのです(動画撮影にかかった費用は日本円にしてわずか15万円程度)。

 

 

「ファーストキス」は『ニューヨークタイムズ』紙や『ガーディアン』紙、CNNなど主要メディアで取り上げられ、レンは全国的に注目されるようになりました。

 

 

最初に登場するブランド名を目にした視聴者も、まさかそれがファッションブランドの名前だとは気づかなかったと思います。ですが、動画を見た多くの視聴者はブランド名を調べました。

 

 

ブランド名をはっきり出さないこの動画は、次のような結果をレンにもたらしました。

 

 

●売り上げが1400%増加

 

●トラフィック(通信回線を利用するデータ量)が1万5000%増加

 

●96%が初めての訪問者

 

 

ブランド名をアピールしない動画は、誰が作っても上手くいくというものではありません。しかし、情報があふれかえる時代には逆に目立ち、話題になる1つの方法であることは確かです。

 

 

試してみるときには、次の点を考慮し動画コンテンツを作ってみるのが良いでしょう。

 

 

◆視聴者にインパクトを与える内容。

 

◆好奇心をそそり、他の人に話したくなる、書きコミしたくなるもの。

 

◆強い感情を引き出す。

 

◆シリーズ化する。レンの「ファーストキス」は1回限りのものではなく、短い動画を連作して、話題を提供し続けた。

 

 

この動画についてメリッサは次のように述べています。

 

 

コマーシャルのようなものではなく、独立した作品としておもしろい動画を作るよう努力しています。感動してくれる人はたくさんいます。ファッションに興味がある人だけでなく、これまで何の接点もなかったいろいろな人たちも」。

 

 

資金がなくてもメリッサのように自ら道を切り拓く先駆的なマーケターの取り組みは、多くの人にひらめきと勇気を与えることでしょう。

 

 

 

それでは次号をお楽しみに!

 

 

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