☆サクセスby田村真二 -569ページ目

中小フィットネス企業のオンライン活用戦略

 

 

今日は「中小フィットネス企業のオンライン活用戦略」についてお伝えします。

 

 

高齢化が急速に進む日本において、フィットネスに対する需要は健康志向の高まりを受けて拡大し、2012年から昨年まで右肩上がりの成長を続けていました。

 

 

 

 

 

 

しかし、今年3月以降は新型コロナウイルス禍(以下新コ禍)により、売上高が急減する事態となりました。

 

 

特定サービス産業動態統計調査(経済産業省)によると、新コ禍の拡大で4月から5月にかけて多くのフィットネスクラブが休業に追い込まれ、4月のフィットネスクラブ売上高は前年同期比70.0%減、5月は同94.4%減にまで落ち込みました。

 

 

6月からはほぼすべてのフィットネスクラブが営業を再開しましたが、6月は同51.6%減、7月は同32.7%減、8月は同29.1%減と回復傾向にありますが、感染拡大前の水準にはほど遠い状況が続いています。

 

 

とはいえ、同時に新コ禍による外出自粛やテレワークの普及などが運動不足をもたらし、「コロナ太り」や「コロナストレス」に悩む人々が急増しています。

 

 

そうしたなか、自宅で運動を行うオンラインフィットネスがいま注目を集めています。

 

 

ニーズを取り込もうと先行するオンラインフィットネス専業事業者を始め、既存のフィットネス大手や中小フィットネス企業(や個人事業主)の多くが、オンラインフィットネス市場に続々参入しています。

 

 

その一方で、オンラインフィットネス市場は一気にレッドオーシャン化してきており、フィットネスクラブで提供しているプログラム・サービスを、単にオンラインで配信するといったことでは会員が求める新しい価値や非会員が求める価値を提供できません。

 

 

実際、オンラインフィットネスを始めたものの時間や労力がかかわる割に成果がほとんど得られない、といった中小フィットネス企業の声をよく見聞きします。

 

 

フィットネス専業事業者や大手フィットネス各社に比べて人材力や資本力に劣る中小フィットネス企業が、オンライン活用で成果を出すにはどうすればいいでしょうか?

 

 

 

米ペロトン・インタラクティブ 有料会員数は109万人に倍増

2020年4~6月期は上場以来初の黒字転換

 

 

 

 

 

 

世界のフィットネス産業の規模は巨大です。

 

 

IHRSA(国際ヘルス・ラケットボール&スポーツクラブ協会)の推定によると、2019年は前年比2.9%増の967億ドル(1ドル106円換算で約10兆2,502億円)でした。

 

 

なかでも、世界市場の約3分の1を占める米国で、話題を一手に集めているのがペロトン・インタラクティブ(以下ペロトン)です(フィットネス界のアップルやネットフリックスと呼ばれています)。

 

 

同社はランニングマシンやエアロバイクなどのフィットネス機器を販売するとともに、独自のアプリを通じた動画コンテンツの配信をトレーナーの指示のもと、同機器を使った運動などを家庭で行えるオンラインサービスをサブスクリプションで提供しています。

 

 

2012年(サービス開始は2015年)に米国で創業したペロトンは、米国で空前のオンラインフィットネスブームを巻き起こし、新コ禍をものともせず(むしろ追い風にして)、今年に入り登録者数と売上高が急増、株価も年初来高値を付けています。

 

 

 

 

 

 

9月10日に発表した2020年4~6月期決算は、売上高が6億710万ドル(約644億円)で、前期比2.7倍(172%増)と大幅加速しました。

 

 

営業利益は9,000万ドル(95億4,000万円)、最終損益が8,910万ドル(94億4,460万円)の上場以来初の黒字に転換しました。

 

 

有料会員数は109万人(総会員数は310万人)。前年比で113%増と大幅増加しました。

 

 

なお、2020年度通期(19年7月~20年6月)では、売上高1,826百万ドル(前年比200%)、営業利益-81百万ドル(前年差+121百万ドル)、純利益-72百万ドル(前年差+124百万ドル)となりました。

 

 

 

出典:PELOTON Q4 2020 SHAREHOLDER LETTER、ブルームバーム他より作成

 

 

21年通期(20年7月~21年6月)については、売上高は35億~36億5,000万ドルとの見通しを発表しており、実現すればフィットネス業界売上高世界No1となるでしょう。

 

 

ただし、現在ペロトンの売上高の約8割はマシン販売であり、この点からも(ネットフリックスというよりは)アップルに近いビジネスモデルといえます。

 

 

当然ながら急成長したペロトンが切り開いたオンラインフィットネス市場には、異業種からも競合が続々参入しています。

 

 

以前ブログでも紹介したカナダのヨガ・フィットネスウェアや用品を販売するルルレモン・アスレティカは今年6月、フィットネス機器・サービスのスタートアップである米ミラーを5億ドル(約530億円)で買収すると発表しました。

 

 

さらに、米アップルも9月にアップルウォッチユーザー向けの新サービス、「フィットネス+(プラス)」を年内に始めると発表しました。

 

 

 

 

日本でもオンラインフィットネス市場を開拓する企業・個人が続出中

 

 

こうしたなか、日本でもフィットネスのオンライン化が急速に進み、「ジム難民」の受け皿になっています。

 

 

2017年頃より日本でもフィットネスのオンライン化が進み始めていましたが、現在はオンラインフィットネス専業事業者やフィットネスユーチューバーらの登場に加えて、既存のフィットネス事業者らがオンラインフィットネス市場に続々参入しています。

 

 

 

田村も自宅や出張先ホテルで毎日オンラインフィットネスを実施していますが、時間や場所を選ばない上に、トップインストラクターのレッスンを好きなだけ受けられるというのは、本当に最高かつ高い利便性を実感しています。

 

 

ということで、現在日本で質の高いオンラインフィットネスサービスを提供している企業・個人の一部をご紹介します。

 

 

●オンラインフィットネス専業事業者

 

〇国内最大手で豪華インストラクターが勢ぞろいの株式会社LENA BODY

 

〇ヨガを中心に多様なプログラムを、双方向での少人数制オンラインLIVE配信サービスを軸に提供しているSOELU株式会社

 

 

〇トレーナーの音声と効果的な音楽とともに、有酸素系エクササイズやヨガやストレッチサービスを提供する株式会社BeatFit

 

〇オンラインでマインドフルネスを提供する株式会社Melon

 

 

各社の戦略、取り組み内容、ユーザー情報等については、『Fitness Business(フィットネスビジネス)』最新号(No.110)に掲載されています。フィットネス関係者必見の内容ですのでぜひ手に取って読んでみてください(田村の連載記事もぜひお読みください)。

 

◆フィットネス業界の動きがわかる経営情報誌『Fitness Business』(No.110)は こちら

をクリックしてください。

 

 

●注目のユーチューバー

 

 

 

 

You Tube上でのインフルエンサーマーケティング会社UUUM(ウーム)所属の竹脇アラサー健康ちゃんねる「Marina Takewaki」。

 

 

自宅でできるエクササイズやダンスの動画を中心に配信していますが、今年2月に10万人だったチャンネル登録者数は5月には100万人を突破し話題になりました。

 

 

新型コロナによる緊急事態宣言の終了後も登録者数を維持できるかが注目されましたが、その後も増え続け、10月現在では170万人に達しています。

 

 

日本のフィットネスクラブ参加者人口が約500万人であることを考えると、どれだけ人気が高いかがわかると思います。

 

 

昨年9月に公開された【HANDCLAP】2週間で10キロ痩せるダンス15分ノーカットでアラサーが本気で踊ってみたから一緒に踊ろう!は、すでに1822万回視聴を超す大ヒット作となっています。

 

 

 

 

 

 

●既存のフィットネス大手

 

〇株式会社東急スポーツオアシスは、日本のフィットネスクラブ運営企業の中でも、いち早くオンラインフィットネスサービスを提供。2017年にリリースしたアプリ「WEB GYM」利用者は50万人を超え(田村もそのうちの1人)、存在感を高めています。

 

 

〇株式会社ルネサンスは、6月からオンラインサービス「ルネサンスオンラインLive stream(ライブストリーム)」を展開していますが、10月に同サービスをさらにパワーアップし、「宅トレ」需要を取り込んでいます。

 

 

〇株式会社トゥエンティーフォーセブンは6月、ビデオレッスンに加えて自宅で1on1の本格的なワークアウトが体験できるオンラインサービス「24/7オンラインフィットネス」を開始しています。

 

 

 

オンラインフィットネス市場はすでに「レッドオーシャン市場」

 

 

先行するオンラインフィットネスサービス提供企業や個人のみならず、フィットネス実店舗を経営・運営する多くの中小企業(や個人事業主)もオンラインを活用したフィットネスサービスを提供しています。

 

 

そうした企業の多くは、新コ禍で会員数や会費収入が激減し、回復のめどが立たないなか、新たな収益を生み出す必要に迫られて始めたところが大半のようです。

 

 

こんなことを言っては気分を悪くする人もいるかもしれませんが、私が知る限りオンラインを活用してマネタイズ(収益化)が十分できている中小フィットネス企業はほとんどありません(もしありましたらお知らせください)。

 

 

実際、私のところにもオンラインフィットネスを始めた経営者から、「オンラインフィットネスを始めたのですが、ほとんど集客ができていませんので相談に乗っていただけないでしょうか」というご相談を複数からいただいています。

 

 

でも、それもやむを得ないと思います。なぜなら、前述したとおりオンラインフィットネス市場はすでにレッドオーシャン化しており、見よう見まねで参入したところで先行する猛者たちにはまったく歯が立たないからです。

 

 

フィットネスサービスに限らずオンライン市場は参入しやすい上に商圏は無限大です。上手くいけば日本一、あるいは世界一も夢ではありません。

 

 

しかしその分、リアル店舗に比べて競合が圧倒的に多くいる上、変化のスピードも比べものにならないほど速いのがオンラインの世界です。また、高度な知識と技術を有する専門家と資金力がものをいう世界でもあります。

 

 

 

中小フィットネス企業のオンライン活用戦略

 

 

では、中小フィットネス企業はオンラインを活用する必要はないのか、と言えば、それは違います。

 

 

むしろ、積極的に活用すべきです。ただし、専門家もいない、資金力もない中小フィットネス企業は、オンラインを「戦略的」に活用する必要があります。

 

 

戦略的とはどういうことかと言いますと、先行する企業や個人を調査した上で、それとは違うことでオンラインを活用するのです。

 

 

私のクライアントの大半は中小企業ですが、クライアントには「先行企業や人気ユーチューバーらが行っていることを決して真似しないでください。到底歯が立ちませんから」と伝えた上で、戦略的オンライン活用法を教えています。

 

 

詳細をお伝えすることはできませんが、戦略のポイントをいくつか挙げておきます。

 

 

1.「新規」ではなく「既存会員」向けのサービス提供から始める

 

2.メールやLINEのアドレスを収集する

 

3.You Tube専用チャンネルを開設・運営する

 

4.情報(コンテンツ)配信&交流がメイン、指導サービスはサブの位置づけ

 

5.経営者直轄として組織全体で取り組む

 

 

などです(「4」をお伝えすると皆さん驚きますが、理由を説明すると納得されます)。

 

 

先ほどオンラインフィットネス市場はすでにレッドオーシャン化していると言いました。しかし、探せばブルーオーシシャン市場はまだいたるところにあります。

 

 

何も自ら好んでレッドオーシャン市場に飛び込む必要はありません。中小フィットネス企業はブルーオーシャン市場、つまり、新たな需要を創り上げることに専念しましょう。

 

 

読者の中には、新コ禍で厳しい経営が続いているフィットネス実店舗に携わる方も多くいると思いますが、感染拡大防止対策を行っている現状では、もはやコロナ前の会員数に戻せる企業や施設はほとんどないかもしれません。

 

 

ですが、実店舗のフィットネス需要がなくなったわけではありません。無理に会員数を増やさずとも、「価値を高め、客単価を高めることで収入増は可能」です。

 

 

そのためには、実店舗における価値をどのように高めるのか、加えて、どのようにオンラインを活用するかを戦略的に考える必要があります。

 

 

それこそが、中小フィットネス企業生き残りの最善策なのです。

 

 

 

本日も最後までお読み頂きありがとうございます。

それでは次号をお楽しみに!

 

 

 

 

価値を高め客単価を高めることについて詳しく知りたい方は、こちらをお読みください。

フィットネス実店舗復活のカギ

 

 

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