月会費1000円のジムがあったら会員になりますか?
11月29日(火)
早いもので今週後半には、1年の締めくくりとなる12月に突入します。
こんにちは。田村真二です。
先進国ではフィットネス参加率が10%を超える国がめずらしくない中、なぜ日本の参加率は長らく4%前後のままなのか?
考えられる原因はいくつかありますが、最も大きな原因は「大部分の人々が気軽に入会できる会費水準になっていない」からだと私は思います。
月会費1000円のジムが日本で普及したら?
たとえば、会員数世界No1プラネットフィットネス(米国)の月会費はジムの利用だけならわずか10ドルで利用できます(下図)。
私がプラネットフィットネスに入会していた当時は1ドル110円前後でしたので、月額1100円(税別)ほどで利用できました。
写真を見ておわかりの通り、決して安かろう悪かろうのジムではなく、日本の一般的なジム(総合型クラブや24時間ジムのジムエリア)と同等(以上)の快適さで利用することができます。
アメリカにはプラネットフィットネスのようなHV/LP(大型・格安)業態への参入企業は多くあり、全米各地に店舗があります。
つまり、日本の一般的なジムの月会費の5分の1から10分の1程度の価格でジムを利用することができるというわけです。
プラネットフィットネスはすでにパンデミック前の会員数を有し(2022年9月30日時点1660万人/1社で全米人口の約5%の会員数)、景気懸念が広がるなかで「不況に強いビジネスモデル」として株式市場からも見直されています。
物価水準や賃金水準の違いを考えると、月会費10ドルの価値は日本でなら実質800円~1000円程度といったところでしょうか。
もし日本でも「月会費1000円のジム」が普及したら、アメリカ同様参加率は間違いなく増大することでしょう。
ポピュラー・プライス
大多数の生活者が気軽に買える価格のことを、チェーンストア経営では「ポピュラー・プライス」といいます。
12年前(2010年)、フロリダ州(米国)にあるゲインズビルヘルス&フィットネスセンターを訪問した際、CEOのジョー・シルリ氏に「なぜ月会費を49ドルに設定しているのですか?」と質問したところ、「アメリカの一般的なフィットネスクラブの月会費は50ドル未満だからです」と答えました。
つまり、アメリカ市場では「価格による業態」(下図参照)が当時すでにできていたということです。
アメリカのフィットネス市場では「50ドル未満」がポピュラー・プライスであり、国民大衆が気軽に入会できる価格でした。
なぜ今、「でした」と過去形にしたのかといえば、HV/LP業態が普及した2010年代以降、その価格は「タイプⅡ」から「タイプⅠ」に移りつつあるからです。
少なくとも日本の総合型クラブなどでよくみられる、利用曜日・時間や年齢制限などによる(レギュラー月会費に比べて)「安めの月会費」程度では、決してポピュラー・プライスとはいえません。
なぜなら、日本人の所得水準と物価を考慮すれば、一般的なフィットネス施設のレギュラー月会費の2分の1から3分の1まで縮めなければ、決してアメリカ水準のポピュラー・プライスとはいえないからです。
「低価格」と「高付加価値」の2極化進む
それでは、今後日本のフィットネス各社は低価格指向になるべきかといえば、それは違います。
HV/LP業態にはマネのできない高付加価値サービスを提供し、それに見合った中・高価格帯の会費設定や会費外収入を得るという「2極化」が、アメリカのフィットネス業界ではすでに起きています。
ただ日本においては、「タイプⅠ」のような格安業態への参入を目指す企業や起業家が今後増加することが予想されます。
そうなればアメリカ同様、一般的な総合型クラブやジム・スタジオ型クラブ、24時間ジムなどでは会員が奪われることになるでしょう。同時に、フィットネス参加者の増大も期待できますが・・・。
もしあなたが現在フィットネスビジネスに携わっているのであれば、そうなってからあわてて対策を講じるのではなく、今から自社の方向性を定めておかれることをお勧めします。備えあれば憂いなしですからね。
たとえば、会員数を一桁から二桁以上増やしたいならポピュラー・プライスでのサービス提供、会員一人ひとりの満足度向上と収益力を高めたいなら高付加価値サービスの提供がお勧めです。
なお、後者に本気で取り組むなら、当社が実施しているオンラインセミナー『フィットネス経営5大戦略セミナー』の受講をお勧めします。5大戦略の内容と詳細およびセミナー受講者様のお声はこちらからご覧いただけます。
それでは次号をお楽しみに!


