20坪の小スペースから始まる新時代のヘルスケア拠点
2025年9月2日(火)
こんにちは。
サクセス発行人の田村真二です。
さて、フィットネス業界は今、大きな転換期を迎えていると言えます。
かつては「運動するための場所」としてのクラブやジムが中心でしたが、今ではそこに測定・栄養・医療連携といった要素などが加わり、「健康複合サービス」へとシフトしつつあります。
しかも注目すべきは、大きな施設でなくてもそれが実現できる時代になったということです。
たとえば、ほんの20坪ほどの小さなスペースであっても、最新のマシン機器や測定機器、テクノロジーの活用や専門家のサポートを組み合わせれば、人々の健康を幅広く支援できる拠点をつくることが可能です。
小スペースで広がる“運動×測定×栄養×医療”の可能性
今回ご紹介する事例は、わずか20坪のスペースを活用した取り組みです。
ここでは、コンディショニングマシンを使ったセルフストレッチや骨盤を整えるエクササイズといった基本的な運動サポートに加え、最新の測定機器が揃っています。
- 大成分分析装置「InBody380」
- 糖化度(AGEs)測定
- ヘモグロビン測定
- 心電計、血圧測定
- 骨健康度測定、血管年齢チェック
- ストレスチェック
これらがすべて、月額3,300円(税込)で24時間365日いつでも利用可能です(都度利用の場合は1回1,100円)。
もはや「測定は特別な検査機関でしかできない」という時代ではなくなり、日常的に自分の健康状態を把握できる環境が身近になっています。
栄養相談や専門測定で“生活改善”を後押し
もう一つユニークなのが、管理栄養士が常駐するカウンターでは、月1,100円で食事や栄養に関する相談ができる点です。これだけでも利用者にとっては大きな安心材料です。さらに希望者向けに、より専門的な測定も提供しています。
- 体内エクオール産生量
- 口腔衛生状態
- 尿中ナトリウム・カリウム比
これらの結果はその場で確認でき、その後の食事改善やサプリメントの提案へとつながる仕組みです。測定結果と相談がセットになることで、「知るだけで終わらず、行動につなげられる」点がポイントです。
オンライン相談で“医療連携”も実現
さらに興味深いのが、アバターを活用した「オンライン健康相談サービス」の提供です。提携医療機関の看護師が遠隔で対応し、利用者は“無料”で気軽に相談できます。
わざわざ病院に行くほどではないけれど、ちょっとした不安を聞いてもらいたい――そんな声に応える新しい形のサービスです。
これにより、運動・測定・栄養に加えて「医療」とのつながりまでがワンストップで提供されます。
20坪という小さな拠点ながら、未病・予防から治療・介護までをカバーする包括的なヘルスケアステーションに進化しているのです。
仕掛けはあの「ウエルシア」
では、このサービスを展開しているのはどんな企業でしょうか。
答えは、フィットネス専業ではなく、ドラッグストア最大手でイオンの子会社でもあるウエルシアホールディングス株式会社の「ウエルシア薬局株式会社」です。
同社は薬や日用品だけでなく、ヘルスケア領域に本格参入し、今年3月から「Care Capsule(ケアカプセル)」という新サービスの展開をスタートしました。同社の遠藤隆博氏(ヘルスケア事業推進部長)はこう語ります。
「現状では予防医療や健康相談は後回しにされがちで、プライマリケアが十分に提供されているとは言えない。だからこそ、専門家チームによる一人ひとりに合ったサービスを提供し、社会課題を解決する拠点をつくる。さまざまなケアをギュッと詰め込み、小さなカプセルのような存在を目指す」(『激流』2025年6月号より)
地域の未来を変える“ケアカプセル”
私も最近、現地を訪問しましたが、この「Care Capsule」は、まさに地域の健康拠点の未来像を示していると言えます。
現時点では「完成形」とまでは言えないものの、従来の総合フィットネスクラブやジムの枠を超え、生活に密着した健康サービスを20坪という小さなスペースでまとめて提供しています。
これにより、地域の利用者は“健康習慣”をぐっと身近に感じられるようになるでしょう。
こうしたモデルは、フィットネス事業者にとっても大きなヒントになりそうです。小規模拠点の活用、オンライン相談との組み合わせ、栄養士や医療との連携・・・。
これらを組み合わせることで、従来の枠を超えた、新時代のヘルスケア拠点が生まれつつあります。
まとめ
20坪という限られた空間に、これだけの機能を詰め込んだ「Care Capsule」。「場所が狭いからできない」と考えてしまいがちな中小規模の事業者にとって、実は大きな可能性のヒントを与えてくれる取り組みです。健康ビジネスの未来は、もしかすると“大きさ”ではなく、“組み合わせと工夫”から生まれるのかもしれませんね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
次号もお楽しみに!




