万博と東京ディズニーランド-経営スタイルの本質的な違い |  ☆サクセスby田村真二
2025-04-15

万博と東京ディズニーランド-経営スタイルの本質的な違い

テーマ:マーケティング

 

 

2025年4月15日(火)

 

 

こんにちは。

サクセス発行人の田村真二です。

 

 

待ちに待った(?)大阪・関西万博が、今月13日に開幕しました。

 

 

「もう行ってきたよ」「チケットは購入済みで、行くのを楽しみにしている」という方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

 

今号では、ビジネスの視点から「万博と東京ディズニーランド-経営スタイルの本質的な違い」をお伝えします。

 

 

 

 来場者見込み2,820万人

 

 

万博を運営する日本国際博覧会協会によると、会期中の来場者数は2,820万人と想定し、前売りチケットの目標を1,400万枚としていました。

 

 

しかし、今月9日時点での販売枚数は906万枚と、大幅に下回っているとのことです。

 

 

来場者を呼び込むには、快適で安全な環境を整えることが大前提ですが、直前のリハーサルでは、入場時の混雑や熱中症リスクなど、運営上の課題が浮き彫りとなりました。

 

 

私が幼少時に行った1970年の大阪万博の入場者数は、今回とほぼ同じ183日間で約6,421万人が来場しています。そのため、今回の目標である2,820万人を「意外に少ない」と感じた方も少なくないでしょう。

 

 

しかし、リハーサル時の入場では、ゲート前に長者の列ができ、1時間以上待たされた結果、予約していたパビリオンの入館に間に合わない人も出たといいます。

 

 

手荷物検査や電子チケットの読み取りに手間取ったことが要因とみられます。

 

 

 

 万博は半年間、TDLは45年契約

 

 

この状況を知り、私は30年以上前に聞いた話を思い出しました。

 

 

1983年4月に開園した「東京ディズニーランド(TDL)」の創業メンバーの1人であり、人事担当常務だった北村さんの講演会での話です。

 

 

北村さんは、「万博とTDLとは、経営スタイルが本質的に異なる」と話していました。

 

 

万博は約半年間で来場目標を達成することが求められるのに対し、TDLはウォルト・ディズニー社と45年間の長期契約を結んでおり、毎年ロイヤリティを支払い続けなければなりません。

 

 

そのため、(万博とは異なり)いかにリピーターを育成するかが非常に重要になる、という話でした。

 

 

つまり、万博の経営目標が開催期間中に入場者数を達成することであるのに対し、TDLは同じお客さまに何度も訪れてもらうリピーター作りを前提としています。

 

 

そのためには、「ゲスト(お客さま)に感動していただくこと」が非常に重要であり、「ゲストに感動し続けていただくことこそが、TDL経営の最大のポイントだ」と述べていました。

 

 

リピーターをいかに育て、継続的に通っていただくか。TDLの経営スタイルは、フィットネスクラブやジムの経営にもそのまま通じる真理だと、私は思います。

 

 

 

それでは次号をお楽しみに!