京都2泊3日、市内を自転車だけで巡る「京都巡礼ライド2024」第2弾。のつづき。

 

リアルライフでは今日から5月だというのに、未だ3月初旬のライド記録を書いてるこの体たらく。

 

前回の金戒光明寺を済ませ、同じくこの岡崎の地にこんもりとそびえる小山(紫雲山という名前があるらしい)に並び立つ、真正極楽寺(真如堂)を目指すという、大変ハードな(※個人の低レベルな体感)行程だ。では行ってみよう。

 
まずはこの2つのルートをご覧いただきたい。
左が徒歩による金戒光明寺から真如堂までのルート、そして右側は車によるルートだ。
 
初めから徒歩ルートを選んでいれば、アップダウンもなく最短距離で真如堂に辿り着いたのだが、基本的に移動時は車ルートを採用していたため楽なルートを見逃してしまいこの旅最大の悲劇が。しかし怪我の功名、このあと思わぬ出会いも?
 
丸太町通。
「北に進めればすぐ着くのになぁ」と、釈然とせぬ思いで南側に下り、ぐるりと山裾を回り真如堂を目指す。
 
すると・・・
 
赤信号で停まり、ふと左側を見れば何だか雰囲気のある建物が奥の方に。
 
進んで行くと、
 
こんなところに岡崎神社が。
 
すいません。聞いたことはあれど全くノーマークでした。
 
794年平安京遷都の折、都の東側を王城鎮護として祀った「大将軍社」の一つ。東天王と呼ばれた。
 
狛犬の代わりにウサギがいたりとなかなか個性的。かつて岡崎界隈が野ウサギの生息地だったことから、多産のウサギを使徒とし、子授け、安産祈願の聖地として信仰されているようだ。
 
へえ、オッサンには場違いですな・・・
 
というわけで、場違いオジはサクッと撮って真如堂を目指しますよ。
 
丸太町通を東へ白川通合流。天王町交差点で左折し北へ。
そして、空は一段と暗く・・・
 
途中、白川を越える。この川は以前の記事の一本橋の上流に当たる。
ちなみに川底にたまる花崗岩の色が白川の由来になっているとかいないとか。
 
白川通を400mほど走ると真如堂入口の案内。
さて、いよいよ地獄の始まりですか(寺に向かってる筈が、地獄とはこれ如何に)?
 
オイオイオイ。覚悟はしてたがそれにしても結構な急登ゾ。
 
しかも。チラチラみぞれまでパラつきはじめ・・・
 
ほんの200mほど走っただけでこの景色。まああれだけ一気に登りゃそりゃね。
 
さらに走ると真如堂の入口が見えて来たのだが・・・
 
そして!まだ登るんDEATH
 
このまま極楽浄土に召されるのではと進んで行けば・・・
 
14:00 真正極楽寺(真如堂)。ほうほうの体で「登頂」。
 
山頂にそびえる真如堂。その美しさには思わず疲れも吹き飛ぶ(吹き飛ばない)。
 
とりあえず自転車を敷地の隅に停め歩き出す。
平日金曜日の午後、敷地には人っこ一人おらず。
 
この広大な敷地内。参り放題、拝み放題の独占寺(登り疲れから来る末期症状)。
 
真正極楽寺は天台宗のお寺でその始まりは984年。
 
比叡山延暦寺の僧、戒算が夢のお告げにより本尊を延暦寺から現在の地に移したことに端を発する。
 
応仁の乱に巻き込まれ焼かれそうになるも、大津、一条方面と、避難しながら難を逃れる。
 
しかし、その後足利義昭や豊臣秀吉ら、時の権力者の命により再び市内を転々とする羽目に・・・
 
挙げ句の果てには、またしても何度か火事に遭うなどその困難は続くも、
 
幸い本尊は焼けることなく、1693年東山天皇の勅命にてようやく現在の地に戻され今に至る。
 
というわけで、境内はひと通り見た(と思ったので)次の目的地に向け下って行く。
地図の赤線はここまでのルート、青線は今後のルート。山を一周した形。
 
総門付近まで降る。
なんだよ、山の東からではなく素直に金戒光明寺から北にまっすぐ来れば、こんなに緩やかなルートがあったものを・・・不覚。
 
とはいえ、これもまた旅の醍醐味。おかげで岡崎神社にも行かれたしな。
 
さて、これで真正極楽寺も終わりかと思いきや、敷地内にはまだいくつか気になる場所が。
せっかくなのでもう少し寄り道を。
 
入口に「去来の寺」の石塔が立つ覚円院。
 
去来とは俳人松尾芭蕉の門弟、向井去来(1651-1704)のこと。
教科書に載ってたな、去来抄(以上、my去来知識)。
 
ここ真正極楽寺は向井家の菩提寺。嵯峨野の落柿舎近所にある去来墓には遺髪のみ置かれ、こちらが正式な墓所のようだ。
 
小さな門をくぐる。
見ることが出来るのは石畳の敷かれた玄関廻りの庭のみなのだが、その佇まいがなんとも良い。
 
方形の石を組み合わせきちんと敷かれた庭石も楽しく美しい。
 
個人的にこういうこじんまりとした箱庭ライクな鄙びた空間が好きなのは、祖父母の暮らした家や、文字でしか知ることができない、かつて湯島・春日界隈で暮らした文豪らの住まいなんかに思いを馳せると、こんなイメージになるからなのかもなぁ、なんて思ってみたり。
 
 
こちらも敷地内にある東陽院。
 
覚円院同様に見られるのは庭先のみだが、限られたスペースに寄せ植えられたコケと植木の感じがイイ。
 
金戒光明寺、なかなか良かった。変に予備知識を入れず、(不勉強なだけ)新鮮な気持ちで拝観することができた。
 
大満足で次を目指すのだが、この記事を書くにあたり今回色々調べていると、知恩院に続きまたしても「見逃し」があったことに2ヶ月を経て知ることになる。
 
それは・・・
 
「涅槃の庭」と「随縁の庭」の美しい庭を見ぬまま山を降りてしまったことだ。
 
青ラインが自転車を引きずって降りたルート、赤囲みは今回行かなかった場所。
次に行かなければならなかったことに加え、北から登って来た際に疲れもあってか、無意識のうちに「こっちはイイや」となってしまったらしく。
 
次回のリベンジがまた一つ増えたのであった。やっぱり予習と予備知識は大切ネ!
 
ところで、寺社のwebサイトがやけによく出来てたりすると、なんだか¥の匂いがしちゃって萎えませんか?(お前だけ)
なんなら画像を貼っただけ、ボタンとかもダサいデザインと設計で、SSL非対応くらいの全時代的なサイトの方が好印象、っていう歪んだKYOTOマニアがここに・・・⑨につづく