裏山のスモモも開花してすっかり春めいた25日(木)、ハチ北高原スキー場にモーグルの練習に行ってきました。雪はもはや残り少なく、スキー場の営業も2日後の27日(土)までとなりましたが、常設のモーグルコースは土が出ることなく、しっかりと管理されていました。

 

 この日の練習は、前回に引き続きターン弧の振り幅を変える練習です。

 

①直滑降(振り幅ゼロ)

↓ 

②大きなターン弧(振り幅大)

③小さなターン弧(振り幅小

④大きなターン弧(振り幅大)

⑤直滑降(振り幅ゼロ)

⑥ジャンプ

 

 ①直滑降から②大きなターン弧に入るところがスタートとエアの着地後のターンの開始、④大きなターン弧から⑤直滑降に移行するところがエアの手前の最後のこぶからアプローチへの入りに相当します。⑤直滑降の次に⑥小さくジャンプをして①直滑降に戻れば、モーグルコースでの滑走と同じ動きになります。

 

 ゲレンデのフラットバーンは春雪であまりスピードが出ないので、こういう基本動作の確認をするのに向いています。

 

 もう一つはグラウンドトリック(Ground Trick、俗称グラトリ)のバター(Butter)の練習。これは事前の勉強不足で全くできませんでした。解説だけしておくと、グラウンドトリックというのは、モーグルなどのエアートリック(Air Trick、空中技)が空中に飛び出しての演技であるのに対して、キッカー(エア台)を使用せずに雪上で行う演技です。

 

 バターはその一つで、バターナイフでパンにバターを塗るように、スキーやスノーボードの片端だけを雪面に付けて滑走するトリックです。先端だけを付けるのがノーズバター、テールだけを付けるのがテールバター。バターをしながら1回転するのがバター360で、なぜかは知りませんが、回転するのはピーナッツバターとも呼ばれているようです。

 

 バターはダイナミック・ポジショニング・ターンをする上で最も重要なスキーの前後の体重移動(Weight Shift)の練習になります。スキーのテールを大きく上げるノーズバターの動作はこぶの吸収動作にも通じる動きです。

 

 さらに、ノーズバターをしながら1回転するのは、ぼくがマスターしようとしているコーク3(体を水平にしての1回転)に通じる動きです。雪が解けてゲレンデが狭くなった今のハチ北のパノラマゲレンデでこれができると、リフトのスキーヤーの注目を集めること間違いなしですが、残念ながらできませんでした。

 

 今回の理論の話はここからが本題です。このような練習をしていて、普通のターンとダイナミック・ポジショニング・ターンでは、振動が違うのではないかと思えてきたのです。

 

 振動とは、物理学の考え方で、振り子が揺れるように周期的な動きをすることを言います。この揺れが伝わることが波動です。寄せては返す海の波は、海水面が上下する動き(振動)が沖合いから浜辺へと伝わってくる波動です。

 

 波動には横波と縦波があります。海の波や地面をくねりながら進む蛇のように、上下や左右に揺れながら伝わる波動が横波です。縦波はちょっとわかりにくいのですが、イモムシが体を縮めては伸ばし、縮めては伸ばしを繰り返しながら前進するような波動です。

 

 モーグルのターンは横波に例えることができます。モーグルのターンには左右の要素と上下の要素があります。スキーを旋回するのが文字通りのターンですが、スキーのトップの向きをフォールラインの方向に向けて滑るのが直滑降、トップの向きを左右に変えるのがターンです。

 

 モーグルコースのこぶは左右に互い違いに並んでいるので、それに合わせてスキーの向きを変えなければなりません。こぶに合わせて右に左にとスキーのトップの方向を周期的に変えます。これが左右の振動です。一方、でこぼこになったこぶを乗り越えながら進まなくてはならないので、スキーの上下の位置が周期的に変化するのに合わせてスキーのトップの上下方向の向きも周期的に変えなければなりません。

 

 普通のターンの具体的な動きで言うと、左右の振動はスキーヤーのブーツの位置が振り子のように左右に動くことによって生じます。スキーのトップが指し示す向きが変化するのと同時にスキーヤーのブーツの位置が左右に移動します。

 

 上下の振動はこぶの形状に合わせた吸収・伸展動作によって生じます。スキーのトップがこぶに当たって持ち上げられようとするときに脚を曲げながらかかとをお尻の方に引きつけてこぶの衝撃を吸収し、こぶを乗り越えて雪面が低くなるときにスキーのトップを下に向けながら脚を伸ばしてスキーを下げていきます。これが上下の振動です。

 

 左右の振動はスキーヤーの進行方向(フォールライン)と垂直な面での振り子の動き、上下の振動はスキーヤーの進行方向と平行な面での振り子の動きです。この二つの振動を組み合わせてスキーヤーはこぶをすり抜けて、まるでこぶがないかのように滑走します。その結果として、スキーヤーの腰の位置は、フォールラインから左右にずれることがなく、上下にも動かず一定の位置を保つことになります。

 

 ダイナミック・ポジショニング・ターンもこの動きで考えていたのですが、どうも違うようです。普通のターンが左右の振動と上下の振動の組み合わせであるのに対して、ダイナミック・ポジショニング・ターンは前後の振動でないとできないのではないかということがわかってきたのです。

 

 前後の振動とは、いもむしが体を縮めては伸ばし、縮めては伸ばしを繰り返しながら前進する縦波の動きです。重りをつけたばねは上下に揺れます。水平にしたばねが伸びたり縮んだりを繰り返す様子をイメージしてください。

 

 スキーがこぶに当たるときに脚を曲げ、こぶを乗り越えるときにこぶを後ろに押しながら脚を伸ばすのがダイナミック・ポジショニング・ターンです。脚を伸ばす方向は下ではなく、進行方向の逆の後方です。斜面と平行に30度下を向けて置かれたばねが伸び縮みするように、30度の斜面の後方に脚を伸ばさなければならないということです。

 

 スタート台から見下ろすと絶壁のように見える平均斜度30度の大会コースでそんなことができるのか、ということですが、ヒマラヤの山地に住むユキヒョウはもっと急な崖をいとも簡単に猛スピードで駆け下ります。前足を前に出しながら後足で蹴り、前足が地面に着くと同時に後ろ足を前に引きつけます。体を縮めては伸ばし、縮めては伸ばしを繰り返す縦波の動きで疾走します。

 

 人間には前足がありませんが、ストックを持った両手がその代わりをしてくれます。ユキヒョウにできて人間にできないはずがないのです。

 

 ということをイメージしながら練習した結果、よく管理されたハチ北のモーグルコースがダイナミック・ポジショニング・ターンで滑れるようになってきたようです。

 

 スキーの世界を根底から覆すダイナミック・ポジショニング・ターンの頂上が見えてきました。そろそろ、どういう形で公開し、関心のある人にどのように伝えるかということを考える時期が近づいてきたようです。

 3月6日、7日のハチ北高原スキー場のモーグル大会で一段落した今シーズンですが、来シーズンに向けてハチ北でしつこくモーグルの練習をしています。

 

 母がショートステイに行っていた11日(木)と18日(木)、日ごとに春めいて雪解けも進む中、独自開発のダイナミック・ポジショニング・ターンの習熟度を上げる練習に励みました。

 

 2007年の白馬さのさかスキー場のモーグル大会(SAJB級公認)で最下位になったころから、こぶの裏側をスキーで押すことを意識し始め、2009年のトキめき新潟国体の前あたりから高速ターンに挑むようになって生まれたのがダイナミック・ポジショニング・ターンです。

 

 物理学の理論によって仮説を立てて雪上で検証するという作業を繰り返して10年余り、失敗の連続でした。

 

・ロングターン(大回り)はできるが、ショートターン(小回り)ができない

・スピードが出ない春雪ではできるが、硬いアイスバーンやパック雪ではできない

・フラットバーンや浅いこぶではできるが、深いこぶではできない

・緩斜面のこぶではできるが、急斜面のこぶではできない

 

 条件が整ったときにはできるが、少し難しい局面になると、普通のターン(スタティック・ポジショニング・ターン)のリズムに戻ってしまうという状態が続いていましたが、やっとダイナミック・ポジショニング・ターンのリズムで続けて滑る方法がわかったかな、というのが現在の状況です。

 

 大会コースを通して滑るには以下のことが自由自在にこなせるようになる必要があります。

 

 (1)直滑降からターンへの切り替え(スタートからこぶへの入りとエアの着地後のこぶへの入り)

 

 (2)ターン弧の大小の切り替え(ミドルセクションなどでのこぶのピッチ変化への対応、エア台の手前でのスピード調整)

 

 (3)ターンから直滑降への切り替え(エア台への進入)

 

 

 (1)についてはこれまでから練習してきたことで、今シーズンはこれができるようになりました。

 

 (2)については、3月8日、9日にカザフスタンで行われた世界選手権が参考になりました。

 

 定年退職までは、Jスポーツの放送(原大虎さん解説)でモーグルのワールドカップを見ていましたが、退職して実家に帰った後は、ピョンチャン(平昌)五輪以外は全く見ていませんでした。最近、ネット環境が整ってJスポーツが見られるようになり、世界選手権を見ました。

 

 ぼくが注目したのは2日目のデュアルモーグルです。女子でロシア選手が1位、2位を占めました。この大会のコースは第1エアの着地後のミドルセクションにピッチの長い間延びしたこぶがあり、その後、急に細かいこぶに変わっていたそうです。ハチ北の大会(加藤大輔コース係長)も第2エアの手前に短いピッチのこぶが並んでいて、少し似たコース設定だったのかもしれません。

 

 ロシア選手が際立っていたのは、間隔の広いこぶのターンです。間隔があいたこぶで、間隔が狭いこぶと同じようにスキーを回すと、次のこぶまでの時間が余って、スキーを横にしたままで横滑りしなければなりません。スキーをずらして次のこぶを待つ選手が多いなかで、ロシアの選手はストローク(脚の曲げ伸ばし)をうまく使って、こぶとこぶの間でのスキーのずれが少ないターンをしていたように見えました。こぶの間隔があいたところは、大きくゆっくりとしたストロークでターンし、こぶの間隔が詰まっているところでは小刻みの素早いストロークにしていたようです。

 

 こぶのピッチに合わせたストロークの切り替えがうまくできるかどうかが、この大会の最後の勝敗を分けたように思います。男子の準決勝でミカエル・キングスベリー選手と対戦した堀島行真選手は、第2エアの手前でミカエル選手を追い越そうとスピードを出して、細かいこぶに詰まり、前のめりになって転倒しました。ミカエル選手のストローク技術が上回っていたからなのかもしれません。

 

 ロシア選手がストロークに長けているのには考えられる理由があります。

 

 1998年の長野五輪のころからカービングスキーが普及し、アルペン、基礎を問わず、カービングがスキーのターンの主流になりました。モーグルでもカービングでこぶを滑ることが求められるようになり、2002年のソルトレーク五輪金メダルのヤンネ・ラテラ選手(フィンランド)のようにスキーを縦に走らせる高速のカービングターンが評価されるようになりました。

 

 カービングは「彫る」という意味で、本来、ターンの後半にスキーのエッジを立てて雪面に食い込ませ、スキーが横ずれしないようにすることを言います。

 

 モーグルのジャッジング・ハンドブック(採点基準)での定義は次のようになっています。

 

 the tail of the ski follows precisely the track made by the ski tip

「スキーのテールがスキーの先端がつけた軌跡を正確になぞる」

 

 つまり、スキーの先端の通り道をテールが通り、テールがターン弧の外側にはみ出ないのがカービングターンであるとされています。

 

 スキーの先端とテールを結ぶ線は直線、ターン弧は曲線なので、両者が完全に一致することはありません。実際には、スキーの向きが常に、スキーのトップが描くターン弧の接線の向きに一致していなければならないということです。

 

 カービング重視は今も変わりませんが、若干の軌道修正が行われています。

 

 アルペンではエッジが雪面に食い込みやすいようにサイドカーブをきつくしすぎると、急旋回しすぎて危険であるということで、サイドカーブのきつさに制約が設けられました。基礎スキーでもバッジテストの1級で、ターンの後半にエッジを立てるように指導されていたのが、エッジを寝かせてずらすように変わりました。

 

 モーグルでも、2010年のバンクーバー五輪の前あたりから、ひたすらスキーを縦に走らせるカービングターンよりも、スキーがずれてもいいので、スキーを常に腰(Hip)の下に置いて、ブーツの位置をフォールラインに一致させることの方が評価されるようになりました。

 

 カービングターンでコースの上から下まで通そうとすると、ターン弧に合わせてスキーを回さないといけないので、ブーツの位置が体の中心から左右にはみ出ることになります。第1エアの着地後にカービングでこぶに入ろうとすると、スキーが左右に膨らんだターン弧を描いて、ブーツが腰の下から外に出てしまいます。スライドを得意とする北米の選手にとっては有利で、カービングターンを得意とした上村愛子選手にとっては不利になる変更だったと思います。

 

 次の2014年ソチ五輪ではストロークが重視されるようになったそうです。開催地のロシアのコーチの意見が反映された結果だとしたら、その指導を受けたロシアの選手がストロークに長けているのは当然かと思います。

 

 エアの着地後の処理とともに、こぶのピッチ変化への対応が今後のモーグルの採点の大きな要素になるのではないかというのが世界選手権を見た感想です。

 

 ということで、ダイナミック・ポジショニング・ターンでも、体(腰の位置)を常にフォールライン上に置く(エアの着地後を含む)こととともに、こぶの間隔に合わせてストロークを変化させて、スキーが横向きにならないようにする練習が必要です。

 

 ハチ北は残雪わずかとなってもモーグルコースが維持管理されています。11日と18日は、フラットバーンとモーグルトレーニングコースで、主にストロークによるターン弧の大小の切り替えを練習しました。

 

 もう一つ、今シーズン、ほとんど練習できなかったエアですが、前からマスターしたいと思っているコーク3(体を水平にしての横1回転)を雪上を滑走しながら試してみました。ネットで知ったばかりの方法です。インナー・セイフティー・グラブをするだけという恐ろしく簡単な操作です。緩斜面を滑りながら試してみたところ、簡単に1回転しました。空中での練習はウォータージャンプでしてみようと思います。

 

 早くも来シーズンが楽しみになってきました。

 昨日(14日)のことです。ぬかるんだ田んぼにはまって、にっちもさっちもいかなくなったトラクターをやっとこさ、自力で引き上げ、家路につこうとした日暮れ時でした。近くの府道沿いに、ぼくが薪にするために玉切りして置いていた丸太を軽トラックにどすんどすんと積み込んでいる人がいます。

 走って行って「おい」と呼びかけると、あわてて荷台の丸太を元の場所に下ろし始めました。

 「これ捨ててあったんじゃないんですか」。30代初めくらいの男性でした。

 「要るもんです」

 男性は恐縮して固まっています。傍らに4歳くらいの男の子が立っていました。子供連れの薪泥棒か?

 置いてあった丸太は、金網柵の設置に先立って伐採したクヌギやコナラ、カシで、薪としては上ものばかり。「盗んでください」と言わんばかりに3カ月も置きっぱなしにしていたので、早く片付けなければと気になっていました。

 「声をかけてくれたらよかったんですけどね」

 「どこに声をかけたらいいかわからなくて」

 そりゃ、そうですね。見とがめられて恐縮しているのが、なんだか気の毒に思えてきて、「こんなところに置きっぱなしにしているのがいけないんですね。使うんだったら荷台に乗っている分だけ持って行ってください」

 「いや、それは」と男性は固まったままです。

 「薪ストーブをしとってんですか」となぜか敬語で尋ねると、「キャンプで使おうと思って、遊びで」。チェーンソーを持っているので、さらに短く切って、斧で割って、乾かしておこうと思ったそうです。はやりのキャンピング用ですね

 「じゃあ、これも持って帰って」と、男性が荷台から下ろした丸太も積み込みました。男の子は玉切りした丸太を見て「あ、丸椅子だ」とはしゃいでいます。

 ぼくがさらによさそうな丸太を見つくろって、「これも持って帰って」と軽トラックの荷台に積み込むのを見て、男の子がお父さんに「自分でも積んだら」と言いますが、男性は固まったままです。心中いかばかりか。

 結局、「すみません、厚かましいことをしまして」と言いながら、30cmくらいの長さに玉切りしたクヌギの丸太10個ほどを積んで帰っていきました。

 人がほしがるものを人目につくところに置きっぱなしにするのは、詐欺や美人局と同じで、犯罪を誘発する行為だったと反省しました。冷静に考えれば、わざわざ玉切りした丸太が捨てるものであるはずがありません。薪にするのでなければ、2mくらいの長さに切ってチップ工場に持って行きます。頼まれて伐採した業者であれば、切った後、山の斜面に寝かしたままにしておくこともあります。

 でも、薪がほしいと思っていた男性には、そんなことは頭から消えて、ちょうどおあつらえ向きの薪が3カ月も置きっぱなしになっているのを見て、これは自分がもらっていいものだと都合のいい解釈をしてしまったのかもしれません(詐欺被害の経験者としては、そう思います)。

 今日(15日)、さっそく残った薪を1トントラックに山積みして持ち帰りました。後片付けをしているとき、通りがかった60代くらいのおじさんが、金網柵の中に置いてある細い木の山を見て「あれは捨てるもんですか」と尋ねてきました。薪ストーブに使いたいそうです。「ぼくが薪ストーブに使うものですが、持って行ってもらってもいいですよ」と答えましたが、軽トラックがないので、人に頼まなくてはならず、ぼくがいるときに来れるとはかぎらないので、「またにします」と言って帰られました。その人も、道端に置きっぱなしになっていた丸太に目をつけていたそうです。罪深いことをしました。

 前にも、近くに住む同級生がシイタケのほだ木にするのにほしいというので、6本ほど持って行ってあげました。自分の家のシイタケのほだ木は、裏山のクヌギを切ったら大量にできて、それでも余った15本ほどは近所の人に引き取ってもらいました。

 つい最近まで、農地や農道にかぶさるので陰伐りした後、始末に困った雑木ですが、このごろはけっこう引き合いがあるようです。チェーンソーで足のかかとを切る大けがをしたり、定価28万円のチェーンソーを購入したりと、元手のかかった玉切り丸太です。余ったら、その苦労をわかってくれる人に使ってもらおうと思います。

 不本意な結果に終わった八方尾根リーゼンスラローム大会の疲れを癒す間もなく、今年もタフな(tough=手強い)バーンで知られるハチ北モーグル大会に出場しました。

 

 5日、雨と濃霧の中で6日の第1戦の前日公式練習がありました。リーゼンスラローム大会のスピードを経験した後だからなのか、レース後に秘かに取り組んだモーグルの練習のせいなのか、20mほど滑って破綻はするものの、ダイナミック・ポジショニング・ターンのリズムがとれているようでえす。1本だけですが、第2エアを気持ちよく飛ぶことができました。

 

 6日は濃霧のため第1戦のレース、第2戦の前日公式練習とも中止になりました。雨の中、フラットバーンとモーグルトレーニングコースで、直滑降からターンへの入りを練習しました。スタートと、エアの着地後が、直滑降からターンへの入りです。これができないとダイナミック・ポジショニング・ターンのリズムがつかめず、先日のさのさかの大会のように、スタートからゴールまで終始、ぎこちないターンになってしまいます。白馬からの帰りやハチ北への道中に頭の中で考えた理論を雪上で検証しました。

 

 7日は天候が回復し、第2戦のレースが行われました。最初に行われたA級の女子のレースに、ぼくと同じく滋賀県の田中花選手が出場していましたた。田中選手は同じ滋賀県の数少ない選手ということで、出始めのころから注目していました。果敢な攻めの滑りに好印象を持っていて、大会で出会ったら声をかけようと思っていたところでした。

 

 スタートでスキーを斜めにしてターンに入る選手が多い中、田中選手はスキーをまっすぐ下に向けて縦に入ったので、これはいけるのではないかと思ったら、その通り、最後まで縦にスキーを走らせて、誰が見ても優勝という圧巻の滑りでゴールしました。

 

 難しいこぶ斜面を果敢に攻めて克服する姿。ぼくが過去のレースで、大きなジャンプをして失敗する姿を見ていたのでよけいに思うのかもしれませんが、スポーツで感動するのはこういうことなんじゃないかと思わせられる滑りでした。

 

 A級の女子、男子のレース後にぼくが出場するB級の公式練習があって、女子、男子の順にレースがあります。公式練習では一度も第1エアが飛べず、ターンもポジションが遅れてダイナミック・ポジショニング・ターンのリズムになりません。この日の公式練習中に初めて気づいたのですが、よりによって第1エアに入るのが一番難しいラインを選んでしまったようです。

 

 公式練習の後、ゲレンデの端っこに一人ぽつんと腰掛けて、目をつぶり、乱れてしまったスタートの仕方をもう一度理論的に考え直しました。

 

 普通のターンは「ハ」の字(プルークボーゲン)が基本ですが、ダイナミック・ポジショニング・ターンは逆「ハ」の字が基本です。スキーのトップが開いた「シェーレン」と呼ばれる状態です。距離競技(クロスカントリー)の選手が逆「ハ」の字でスケーティングという動作をしながら坂を登りますが、あの動作でこぶ斜面を滑り降りようというのがダイナミック・ポジショニング・ターンです。

 

 ターンの基本が逆なので、スタートの仕方も普通のターンとは逆になるはずです。スケーティングでスタートするのですが、最初は直滑降です。スタート台から直滑降でドロップインしてダイナミック・ポジショニング・ターンのリズムで最初のこぶを越えるにはどうすればいいのか。今までさんざん考えてわからなかった難問の答えが出ました。

 

 そして本番。考えた通りの動作をして、ダイナミック・ポジショニング・ターンのリズムでスタートすることができました。ストックでこぶを迎えに行くなど悪いところが多々あり、不完全な滑りだったとは思いますが、今までのように体勢を大きく崩したり、無理矢理スキーを回してリカバリーしたりということがなかったように思います。この答えが正解なのかもしれません。

 

 ただし、第1エアのアプローチへの入り方がわからないままだったので、エア台に近づくにしたがって、ダイナミック・ポジショニング・ターンのリズムが狂い、手前で止まって「ハ」の字になったところで、完全に逆「ハ」の字のリズムではなくなりました。

 

 「ハ」の字になると、ダイナミック・ポジショニング・ターンのポジションではなくなります。「ハ」の字で滑るときと、逆「ハ」の字で坂を登るときと、体とスキーの位置関係を比べると、逆「ハ」の字の方が体がずいぶんと前にあることがわかります。「ハ」の字で坂を登れないのと同様、「ハ」の字ではダイナミック・ポジショニング・ターンができないようです。

 

 第1エアのジャンプした途端、「これは立てないな」とわかりました。正しいジャンプは胸が前に出ます。すっぽ抜けのジャンプはいかに体勢が乱れていなくても力が入っていないのがわかります。そして初めて見るジャンプ後の景色。眼下にランディングバーンとその先にこぶがありますが、何をどうしたらいいのかさっぱりわかりません。

 

 すっぽ抜けのジャンプになると空中で体を動かすことができません。できることと言えば、着地後にけがをしないよう、受け身をするだけです。大して飛んでいなかったからか、ぐさぐさの春雪だったからか、着地の衝撃はさほどなく、お尻と背中でランディングバーンとこぶを滑落して、大会コースを仕切っているネットの下をかいくぐって外に飛び出してしまいました。

 

 久しぶりのDNF(Did Not Finish)。けががなくて何よりでしたが、情けないやら恥ずかしいやらで、レースを終えた選手がいるゴールに向かって滑り降りることができず、その場に立ちつくして後続の選手の滑りを観戦していました。

 

 これで今シーズンのぼくの大会出場は終わりですが、またもこのままでは終われないという結果になってしまいました。

 

 おそらく、スタートは今日の答えが正解でしょう。スタートができるということは、十分な体勢で踏みきったジャンプの着地後のターンへの入りもできるでしょう。ストックワークもほぼ解明できています。

 

 残るはこぶからエアのアプローチへの入りです。ポジションを崩さず、スピードを思い通りにコントロールしながら、ターンから直滑降に移行する方法が残された課題です。

 

 残り少なくなったシーズン、引き続きダイナミック・ポジショニング・ターンの完成を目指して練習したいと思います。

 3月4日、白馬八方尾根スキー場で開催された第75回リーゼンスラローム大会に出場しました。アルペンの大回転(GS)の大会で、草大会(公式戦ではない大会)の全国最高峰に位置づけられています。

 

 今年のコースは下部の融雪が進んだために若干、短縮されて全長1580m、標高差490m、旗門数43となりました。出場者の話では、例年、スーパー大回転のように旗門の間隔が広くて振り幅が小さいのに対して、今年は旗門の振り幅が大きいテクニカルなセッティングになっていたそうです。

 

 ぼくは昨年に続いて2回目の出場です。昨年は初出場で様子がわからなくて、とにかくゴールすることを目標に抑えて滑って、男子5部(60代)の真ん中あたりの順位だったので、今年はとにかく攻めようと思って臨みました。

 

 朝一番にコースインスペクション(下見)がありました。ふもとでマイナス5度と冷え込み、130の硬いアルペンブーツを履くのに一苦労しました。コースわきを横滑りしながら、旗門の設定を確認します。途中のテラス状になった緩斜面はスルーゲート(ターンしない旗門)になっていました。この緩斜面を滑っているときには次の急斜面の旗門が見えません。スルーゲートをどの向きに抜けたらいいのか覚えておかないといけないようです。

 

 コースインスペクションが終わって立ち入り禁止になったところで別のゲレンデでウォーミングアップ。モーグルのようにコース内での公式練習はありません。かちかちのバーンをダイナミック・ポジショニング・ターンでかっ飛ばします。いい感じでスキーに乗れていました。休憩後、出走時間が近づいたところで、もう一度、ウォーミングアップ。今度はバーンが緩んで荒れ始めており、人も多くなって、スピードを出すことができず、スキーを横に向けて何度も止まらなければなりませんでした。悪いイメージができて、よけいなウォーミングアップになってしまったかもしれません。

 

 男子5部の出走時間になると、春の陽気で汗をかくほど暑くなり、バーンも緩んできました。試合のときはいつもそうですが、緊張しまくりでした。自信がないので、最初の旗門でいきなり不通過になったらどうしようとか、ありえないことを考えて不安になってしまうのです。

 

 それでも、出だしが緩いので、なんとかスピードを出そうと漕いでスタートしました。もっと勢いよく飛び出すべきでした。旗門を一つずつ無難に通過して、最後に待ち構えている最大斜度30度の急斜面を滑り降り、余裕のスケーティングでゴールイン。

 

 電光掲示板のタイムを見ると、1位のタイム1分17秒83に対して、ぼくのビブナンバー150のタイムは1分42秒54。滑っているときはけっこう速いように思いましたが、1位と25秒差で、1.3倍のタイムになっていました。

 

 最終結果は完走者91人中59位。昨年の成績が完走者88人中56位で、順位、タイムともほとんど同じでした。

 

 女子でも一番速い選手は1分19秒81で滑っています。バーンが硬い時間帯のスタートだったとはいえ、男子7部(80代)のトップの選手もぼくより速い1分41秒44を記録しています。体力の問題ではありませんね。スキーもブーツもアルペンのワールドカップ選手とほぼ同じものを使っているので、道具のせいでもありません。バーンが緩んでスピードが出なかったといっても、ぼくより後に滑った選手がぼくよりはるかにいいタイムを出しています。

 

 一つだけ言い訳材料があるとしたら、スタート時のぼくの緊張の原因の一つでもあるのですが、ぼくよりスタート順が早い上位選手はみんなレーシングスーツを着ていました。1位との25秒もの差がスキーウェアの空気抵抗だけで説明できるとは思えませんが、何秒かは影響しているでしょう。

 

 レーシングスーツっていくらぐらいするんでしょう。

 

 「結果を出さずに道具ばかりそろえるのはやめて」という声が聞こえてきそうなので、他の敗因を探って来年は少しでもランクアップしたいと思います。

 今朝はなかなか起きられなかったのですが、目覚めて布団から起き出す前に大会の敗因が頭に浮かびました。完全にパニックになっていたようです。あれほど緊張したのは、自分がどうしていいかわからなくなっていたのだと思います。

 

 今、落ち着いて考えると、スタートを間違っていました。

 

 ぼくが独自に開発したダイナミック・ポジショニング・ターンはすべての動きが普通のターンと逆です。4拍子の音楽のリズムで言うと、普通のターンが第1拍と第3拍にアクセントがある表拍(おもてはく)のダウンビートだとすると、第2拍と第4拍にアクセントがある裏拍(うらはく)のバックビートやオフビートがダイナミック・ポジショニング・ターンです。

 

 大会の滑りは、オフビートのロックを演奏するつもりで拍子が裏返って演歌になってしまったということです。歌い出しを間違えたのど自慢のおじいさんと同じで、終始、ぎくしゃくした滑りになってしまいました。のど自慢では司会者が途中でストップをかけて、「イチ・ニイ・サン、はい」と最初から歌い直してもらいますが、モーグル大会ではそんなことはできません。

 

 スタートのこぶの形は覚えています。最初のこぶは右側にありました。右こぶの手前はスキーのトップを左に向けるターンなので右外足です。普通のカービングターンではスキーのテールが右下に滑り落ちていかないように、スキーのエッジを雪面に食い込ませて右外足に加重します。右こぶを乗り越えると同時にターンの向きを逆に切り替えてトップを右に向けながら、左外足に加重します。これが普通のターンの加重の順番です。

 

 ダイナミック・ポジショニング・ターンでは逆です。スキーが最初の右こぶを越えて次の左こぶに向かっていくときに、右足に加重しなければなりません。ダイナミック・ポジショニング・ターンでは外足が普通のターンの逆になります。普通のターンで連続するこぶの配列が「ハ」の字に見えるとしたら、ダイナミック・ポジショニング・ターンでは逆「ハ」の字に見えます。

 

 スタートとエアの着地後は、スキーのトップを真下に向けた直滑降でスタートして、こぶに合わせてターンを開始します。その方法がわかったつもりで完全には習得していなかったのでスタートを間違ったということのようです。完全に自分のものになっていないので、うまくいかないと、普通のターンをしている他の選手につられて自分の本来すべき動きがわからなくなってしまいます。

 

 ここのところ大会で毎回、同じ失敗を繰り返しているので、抜本的な対策が必要です。スキーをするときは毎回、最初に準備運動として圧雪バーンでダイナミック・ポジショニング・ターンの基本的な動作を練習すると同時に、直滑降からこぶのターンへの入り方を自然こぶなどを利用して繰り返し練習することが必要なようです。

 22日に白馬さのさかスキー場で開かれた全日本スキー連盟(SAJ)公認B級白馬さのさかモーグル大会の第1戦に出場しました。昨シーズンは1試合も出られなかったので、2年ぶりの大会出場です。

 

 平均斜度27度とワールドカップなみの急斜面ではありますが、斜度変化が少なく、5月なみの暖かさでバーンが緩んで、滑りやすいコースとなりました。それでも、今季初戦ということもあって、ゴールまでたどりつけるのだろうかと不安でいっぱいです。レース前の公式練習で4本滑りましたが、1本滑ると息切れして緊張で口の中がからからになりました(暑かったせいもありますが)。

 

 そしてレース本番。バーンがやわらかいのでスタートからまっすぐに突っ込めばよかったのですが、緊張の中、おそるおそるのスタートになり、板がすぐに横を向いてしまいました。第1エアは踏みきれず、小さなジャンプとなったうえに、着地後に板が横を向いて暴れてしまい、まっすぐにこぶに入ることができませんでした。

 

 なんとか体勢を立て直してミドルセクションのこぶを滑りましたが、板が横を向いてまともな滑りになっていなかったようです。後から練習仲間のSさんが撮ってくれた映像を見ると、スキーのテールを押し出して、大きく横滑りしていました(しかも左右不均等)。

 

 第2エアも踏みきれず、体勢が乱れたままのジャンプになって技を入れることができませんでした。着地の後のボトムセクションのターンができずにシューティングという直滑降になってしまいました。それでも、こけることなくなんとかゴールまでたどり着くことができたので、やれやれです。

 

 成績は出走した49人のうち、転倒してスキーが外れたり、旗門の外を滑ったりしてDNF(Did Not Finish途中棄権)となった選手2人を除く完走者47人の中で最下位で、リベンジするはずの14年前と同じ結果に終わりました。

 

 220mのコースで36秒52と最も遅いタームでした。1位の選手が22秒44なので、大幅なスピードアップが必要です。大会に出場すると、自分のレベルがはっきりとわかります。課題もわかるので、いかに屈辱であろうと、これからも大会にはできるだけ出場したいと思います。

 

 今回の大会出場でも課題が山積していることが明らかになりました。「永遠の最下位」とならないよう、ダイナミック・ポジショニング・ターンでスタートからゴールまで通すという目標に向けてまた精進したいと思います。

 今日は22日に開催される白馬さのさかモーグル大会第1戦の前日で、受付とコースインスペクション(横滑りでのコースの下見)がありました。

 

 宿泊している「うめのや」のおかみさんが自家製もち米と地元産紫米で心尽くしのおこわを作り、それをおにぎりにして同宿のA級大会出場選手とぼくに持たせてくれました。午前中はゆっくりと休んで2日間の疲れを癒し、昼前に会場の白馬さのさかスキー場に到着。大会コースの下で、おこわののにぎりをいただきながら、A級選手のレースを観戦しました。やはり、A級のトップ選手はスピードの次元が違います。

 

 今日のスキー練習は、左膝に軽い痛みがあることもあり、大会コースの横を3本ほど滑るだけにしておきました。どうも深い雪で無理矢理ターンしようとして膝を捻ったようです。降雪直後やざくざくの春雪など、スキーが埋もれるような雪では、無理にターン練習をしない方がよさそうです。踏んでもレスポンスが返ってこないので疲れるばっかりです。

 

 春雪ではここんところ2シーズン連続で板をだめにしています。板が雪に沈むことによって逆反りし、トップがパックマンの口のように割れたり、エッジが飛び出したりしてしまいました。硬く締まったパック雪かアイスバーンのとき以外はターンの練習をしないのが、スキー板にも膝にもよさそうです。

 

 明日の大会は女子のレースが先にあって、男子は女子が終わってからなのでゆっくり出て行ったのでよさそうです。十分に睡眠をとって、最下位に沈んだ2007年のさのさかの大会のリベンジを果たしたいと思います。

 白馬2日目の20日(土)も快晴。早く出発して圧雪されたリーゼンスラロームコースを「朝イチリーゼン」でかっ飛ばす予定でしたが、若干出遅れたと思ったら、駐車場は満杯で、リフト待ちが長蛇の列。ゴンドラリフトや上部リフトは強風のために止まっていて、かろうじて動いていたリーゼンスラロームコースのクワッドリフトもぼくが到着したのと同時に運休に入ってしまいました。

 

 昨日、上部ゲレンデに作った芸術的エア台は人目に触れることもないまま、空しく風に吹かれているのでしょう。アルペンレース草大会の最高峰、八方尾根リーゼンスラローム大会に備えて、FIS規格準拠のGS(大回転)の板で練習するつもりでしたが、万事休す。

 

 とりあえず、リフトの運行再開を待ちながら、去年は履かなかった新しい方のGSの板で下部ゲレンデの緩斜面で大回りの練習をしました。普通、大回りの練習というと、斜滑降をして方向転換し、また斜滑降をして方向転換をするという滑り方になるかと思いますが、できるだけスキーを下方向に向けて直滑降に近い角度でターンするようにしました。リーゼンスラローム大会は、スキーを縦に縦に走らせてスピードを上げていかないと上位進出が難しいからです。

 

 ぼくはダイナミック・ポジショニング・ターンなので、足の体重がかかる場所が、かかと→小指球(小指の付け根)→拇指球(親指の付け根)の順番に移動するように腰(体の重心)を動かしていきます。足の後ろの部分(かかと)から足の前の部分(小指球、拇指球)に体重を乗せ替えることによって、加速しながらターンをします。歩いたり、走ったりするときと同じ動作です。

 

 長い距離を連続して滑ることはできませんでしたが、GSの板とアルペンブーツの感触をつかんだので、アルペン練習はいったん終了。昼食をとってモーグル板に履き替えました。といっても、モーグル板とGSの板はプロフィールがほとんど同じです。

 

<モーグル板>

米4FRNTのORIGINATOR

米国のガレージメーカーがスロベニアのELANに委託して生産

 

<GSの板>

独フォルクル2016RACE TIGER WC

 

長さはどちらも191cm

板のサイドカーブが描く円の半径(ターンラディウス)は

モーグル板34m(幅トップ92mm、センター65mm、テール82mm)

GS板35m(幅トップ95mm、センター65.5mm、テール81.5mm)

 

 つまり、どちらも細くて長い板です。GSの板の方が重くてずっしりしています。足先だけを動かしてスキーの向きを変えようとしても、ぴくりとも動きません。体重移動しないことにはターンできないのです。ごまかしがきかないので、モーグルのターン練習をする場合も、まずGSの板で動きを確認してから、モーグル板で滑るのがいいかもしれません。

 

 モーグル板で下部ゲレンデにできた短い自然こぶを滑ったりしているうちに、リフト終了時刻が近づいてきたと思ったら、上部ゲレンデに上がるリフトが動き出したので、上部ゲレンデのさらさら雪のバーンを滑って、パトロール本部に、エア台を壊せなかった報告をしてから、リーゼンスラロームコースを滑っておりました。

 

 1本だけですが、リーゼンスラローム大会のコースを滑ることができました。約2500mコース中で一番斜度がきつい後半のウスバゲレンデ(最大30度)で体が遅れてブレーキがかからないようにするのが勝負の分かれ目のように思いました。

 

 大回りでもう一つ気づいたのは、スキーを右向きにするターン(左外足)で、体を右に向けて倒す癖です。ターン弧の内側に向けて体を倒すので「内倒」と言います。もさもさ雪でターンしづらい局面などで、無理矢理スキーを回そうとして上体を動かしてしまうようです。

 

 スキーは作用反作用の原理で向きを変えるので、スキーを右に向けようと思ったら、スキーに左向きの力を加えなければなりません。スキーを右に向けようとして、体を右に向けると、左向きの力がスキーに伝わらず、左外足のスキーが雪面から浮いてしまい、向きを変えないままに残ってしまいます。

 

 なんとかしてこの癖を直さないことには、モーグルのターンで左外足がフォールラインから外に出てしまい、左右均等なターンになりません。左足の体重移動を意識しながら明日からのさのさかの大会に臨みます。

 今日19日(金)から白馬に遠征中です。18日(木)の午後8時半、雪が降りしきる綾部を出て、真っ白に凍て付いた北陸道を7時間走って午前3時半、雪に埋もれた白馬の常宿に到着しました。

 

 白馬は雪が3日間降り続いたそうで、宿の食堂の大きな窓の上の天井に近いところまで屋根雪が積もっていました。そして晴れ。今シーズンのスキーは最初の方こそ吹雪の厳しい天候がありましたが、ここのところ新雪の晴天の当たり日が続いています。

 

 今回の遠征の目的は白馬さのさかスキー場で開かれるモーグル大会に出場すること。22日と23日にSAJ(全日本スキー連盟)公認のB級大会があります(公認大会にはA級とB級があり、ぼくが出場できるのはB級だけです)。2日間とも出場したかったのですが、日程が合わず、22日だけ出場します。21日には大会コースでレース前日の公式練習があります。それに先立つ19日と20日の2日間、白馬八方尾根スキー場でエア練習をして大会に臨もうと考えたのです。

 

 ぼくが独自に開発に取り組んでいるダイナミック・ポジショニング・ターンは、長年の努力の末、ほとんど完成しているのですが、唯一、ターンとエアのつなぎ(最後のこぶからエア台への進入、エアの着地からターンへの入り)が課題として残されています。

 

 先日のハチ北の急斜面でのエア練習でも結局、できなかったのですが、実はその後、朝起きるときに、お告げがあったのです。がんばって考え続けていると、ある日、ふとお告げがあります。ダイナミック・ポジショニング・ターンの開発でも何度もお告げがありました。いくつものお告げで部品が一つずつできていって、ダイナミック・ポジショニング・ターンという世界で唯一の新製品が完成間近となっています。

 

 ターンとエアのつなぎは難問でした。それがこのお告げで解決できそうです。これはもう、一日も早く実地で検証するしかありません。

 

 パトロール本部に行ってエア台作成の許可をもらい、さっそく30度くらいの急斜面でエア台作成にとりかかりました。持参した雪かきで雪を積むのですが、さらさらの雪で固まりにくく、急斜面なので下に滑り落ちてしまってなかなかはかどりません。2時間がかりでやっと正午ごろにひとまず完成しました。

 

 真っ白な新雪のきれいなエア台です。記念撮影をした後、いったん下山して、幅広のセミファットスキーから、細いモーグル板に履き替えました。セミファットは新雪のパウダースノーでも沈まず、気持ちよく滑ることができますが、切り返しがしづらいので、モーグルのような細かいターンには向いていません。

 

 素早い切り返しができるモーグル板に履き替えて、さあターン練習とエア練習を始めようと思ったのですが、なぜかターンができません。またですかあ。

 

 今日は朝、ブーツを履いたときから左膝に違和感がありました。先日のハチ北のエア練習のときに疲れたのか、少し傷めたかしたようです。セミファットで滑っているときもターンがしづらく、ときどき左膝に軽い痛みがありました。モーグル板に履き替えても、スキーがなかなか向きを変えてくれません。

 

 おかしいなあと思いながら滑っているうち、気づきました。左の股関節が動いていませんでした。ぼくが八方尾根で練習しているゲレンデは左下がりになっている部分が多いです。左が低い斜面では、右の股関節だけが屈曲され、左の股関節が伸びたままになりがちです。左右均等のターンをするためには左右の股関節を同じだけ動かさなければならないのに、左の股関節が横着をして動いていなかったのです。

 

 今にして思えば、ぼくはスキーを始めたときから、左の股関節の動きが悪かったようです。モーグルでは両腰を常に進行方向であるフォールラインに向けておかなければならないのに、左の股関節が動いていないために、スキーが向きを変えるのと一緒に左の腰も向きを変えてしまうという悪い癖があります。

 

 さらに、エア台作成のために雪かきやスコップを使うのも影響しているかもしれません。右利きの人は普通、右手で柄の端の握りを持ち、左手を前に添えます。これで雪かきをすると右の股関節を左の股関節よりも深く曲げることになりがちです。雪かきを押すために、右の腰を入れるからです。

 

 それと同じことをターンですると、右が外足のときだけ腰が入り、左が外足のときには棒立ちになってしまいます。五木ひろしの「よこはま・たそがれ」のような半身の姿勢ですね。右スキーはすぐに横を向くけれども、左のスキーがなかなか横を向かないので脚をねじって横に向かせようとして膝に負担がかかっていたようです。ターンに合わせて右の股関節と左の股関節を均等に屈曲するようにしたら、スキーが思い通りに回るようになりました。

 

 股関節の動かし方を覚えたことでダイナミック・ポジショニング・ターンの完成度がまた一段上がりました。大会前に気づいて何よりです。

 

 明日はエア台でターンとエアのつなぎの練習[お告げの検証)をします。