今朝はなかなか起きられなかったのですが、目覚めて布団から起き出す前に大会の敗因が頭に浮かびました。完全にパニックになっていたようです。あれほど緊張したのは、自分がどうしていいかわからなくなっていたのだと思います。
今、落ち着いて考えると、スタートを間違っていました。
ぼくが独自に開発したダイナミック・ポジショニング・ターンはすべての動きが普通のターンと逆です。4拍子の音楽のリズムで言うと、普通のターンが第1拍と第3拍にアクセントがある表拍(おもてはく)のダウンビートだとすると、第2拍と第4拍にアクセントがある裏拍(うらはく)のバックビートやオフビートがダイナミック・ポジショニング・ターンです。
大会の滑りは、オフビートのロックを演奏するつもりで拍子が裏返って演歌になってしまったということです。歌い出しを間違えたのど自慢のおじいさんと同じで、終始、ぎくしゃくした滑りになってしまいました。のど自慢では司会者が途中でストップをかけて、「イチ・ニイ・サン、はい」と最初から歌い直してもらいますが、モーグル大会ではそんなことはできません。
スタートのこぶの形は覚えています。最初のこぶは右側にありました。右こぶの手前はスキーのトップを左に向けるターンなので右外足です。普通のカービングターンではスキーのテールが右下に滑り落ちていかないように、スキーのエッジを雪面に食い込ませて右外足に加重します。右こぶを乗り越えると同時にターンの向きを逆に切り替えてトップを右に向けながら、左外足に加重します。これが普通のターンの加重の順番です。
ダイナミック・ポジショニング・ターンでは逆です。スキーが最初の右こぶを越えて次の左こぶに向かっていくときに、右足に加重しなければなりません。ダイナミック・ポジショニング・ターンでは外足が普通のターンの逆になります。普通のターンで連続するこぶの配列が「ハ」の字に見えるとしたら、ダイナミック・ポジショニング・ターンでは逆「ハ」の字に見えます。
スタートとエアの着地後は、スキーのトップを真下に向けた直滑降でスタートして、こぶに合わせてターンを開始します。その方法がわかったつもりで完全には習得していなかったのでスタートを間違ったということのようです。完全に自分のものになっていないので、うまくいかないと、普通のターンをしている他の選手につられて自分の本来すべき動きがわからなくなってしまいます。
ここのところ大会で毎回、同じ失敗を繰り返しているので、抜本的な対策が必要です。スキーをするときは毎回、最初に準備運動として圧雪バーンでダイナミック・ポジショニング・ターンの基本的な動作を練習すると同時に、直滑降からこぶのターンへの入り方を自然こぶなどを利用して繰り返し練習することが必要なようです。