今シーズンのスキーは、3月12日にハチ北高原スキー場に行ったのを最後に、3週間あまりもごぶさたしてしまいました。家庭の事情もありましたが、春の重たい雪で滑り倒したら、歩くのもつらいほど、膝が痛くなってしまったのです。

 

 大腿四頭筋をもみほぐすなどの必死のリハビリのかいあって、営業期間残りわずかのこの時期にやっと練習を再開することができました。

 

 膝が痛くなった原因はおそらく、かかとに体重が乗っていなかったこと。ディプト(DPT、ダイナミック・ポジショニング・ターンの略)では、脚を伸ばしながら、かかと側に乗っていた体重をつま先側に移動することによってターンします。脚を曲げるときには、かかと側に体重を移動します。つま先に体重をかけて脚を曲げるとあっという間に膝が痛くなります。

 

 登山で登るときにはどうもなかったのに、帰りに下山するときに膝が痛くなった経験はないでしょうか。脚を伸ばす動作をコンセントリック、脚を曲げる動作をエキセントリックと言いますが、コンセントリックに対してエキセントリックの方が強い負荷がかかり、筋肉を痛めやすいのです。

 

 普通のターン(セプト)が脚を曲げながらターンするのに対し、ディプトでは脚を伸ばしながらターンするので、脚にかかる負担は少ないのですが、急斜面の大きなこぶや、エアの着地の衝撃などで、脚の筋肉に大きな負担がかかることがあります。春の緩んだ雪で思い通りにターンするには、脚で踏ん張る力が必要です。

 

 そのような脚に負担のかかる動作を繰り返していたことによって、膝が痛くなったのだと思います。

 

 ぼくの場合はもう一つ、悪い癖があります。左足のかかとに体重が乗っていないことが多いのです。体重が乗っていないと、雪面の起伏にスキーをとられて、望まぬ方向に引っ張られることがあります。その結果、膝にねじれが生じて痛みが出てくるのです。

 

 久しぶりの今日の練習では、前回の膝痛の教訓を糧に、左の股関節を深く曲げることを意識しました。スキーの方向を右に向けるとき、左の腰を後ろに引く感じで、左の股関節を深く曲げます。そうすることによって、脚が開いたりせず、スムーズなターンができると思います。

 

 今シーズンは自宅近くの特設ゲレンデでの特訓の成果も出て、ディプトのスタートとエア台への進入ができるようになりました。後はエアの着地後のターンが課題として残っています。

 

 ハチ北は今回で終わりで、白馬八方尾根スキー場で、これらの課題の克服に取り組もうと思います。

 3月5日(土)にハチ北高原スキー場で予定していたダイナミック・ポジショニング・ターンの公開撮影会は家庭の事情により中止することになりました。

 

 楽しみにしていた方はいないと思いますが、都合のよい日に改めて発表の機会を持ちたいと思いますのでご了承願います。

 

 ここで、ダイナミック・ポジショニング・ターンについて簡単に説明しておきます。

 

 ダイナミック・ポジショニング・ターン(Dynamic Positioning Turn)とは、ぼくがモーグルをより高速で滑るために考えた独自の技術です。従来のターンをスタティック・ポジショニング・ターン(Static Positioning Turn)と呼びます。

 

 ダイナミック・ポジショニング・ターンの略称はDPT。読み方は「ディーピーティー」でもいいですが、より短く「ディプト」と言います。スタティック・ポジショニング・ターンの略称はSPT。「エスピーティー」でもいいですが、より短くは「セプト」と言います。

 

 従来のスタティック・ポジショニング・ターン、略称SPT(セプト)が、体の重心を一定の位置に保ち、スキーを動かしてターンするのに対し、ダイナミック・ポジショニング・ターン、略称DPT(ディプト)は、スキーを動かさずに体の重心を移動することによってターンします。従来のカービングターン、スライドターン、その中間形などはすべてSPT(セプト)です。

 

 「ダイナミック・ポジショニング・ターン」という名前を考えた後で、同じ名前が既に使われていないかを調べるためにネット検索すると、「ダイナミック・ポジショニング・システム」という言葉が出てきました。

 

 船が停泊するとき、潮や風で流されないよう、アンカーを海底に下ろしてロープで船を同じ場所に固定します。それに対して、ダイナミック・ポジショニング・システムでは、GPSを使い、船が流されたのと逆方向に船の動力で移動することによって同じ場所にとどまるようにします。

 

 スキーがこぶを乗り越えるとき、何もしなければスキーヤーがスキーごとこぶに乗り上げ、体が持ち上げられるので、SPT(セプト)では、スキーをスキーヤーの体に近づけることによってこぶを吸収します。逆にこぶを乗り越えた後の低くなったところではスキーがスキーヤーの体から離れるようにします。スキーヤーの体の重心の位置は、雪面の高さに合わせてスキーを動かすことによって同じ高さに保たれます。

 

 それに対して、DPT(ディプト)では、スキーがこぶを乗り越えるとき、スキーヤーの体をスキーに近づけ、こぶを乗り越えながら、スキーヤーの体をスキーから離します。スキーヤーの体の重心の位置は、雪面が高くなったところでは低く、雪面が低くなったところでは高くなり、結果として同じ高さに保たれます。

 

 スキーを体に近づけるのも、体をスキーに近づけるのも同じことのように思えますが、SPT(セプト)とDPT(ディプト)では、スキーを介して雪面に力を加えるタイミングが逆になり、ポール(ストック)ワークやエッジングなどすべての動きが逆になります。

 

 SPT(セプト)はハの字のプルークボーゲンが基本の滑り方ですが、DPT(ディプト)は逆ハの字が基本の滑り方です。

 

 DPT(ディプト)にもスライドターンとカービングターンがありますが、DPT(ディプト)のメリットを最大限に生かせるのは高速のカービングターンです。 DPT(ディプト)では、スキーが完全に雪面に張り付いたままになるので、コントロールを失うことなく安全に高速で滑走することができます。

 

 10年以上かかって、やっと、DPT(ディプト)の理論をモーグルコースに適用して滑ることができるようになりました。その滑りを公開した暁には、DPT(ディプト)がSPT(セプト)と全く逆の動きをしているところを見ていただきたいと思います。

 3月5日と6日の2試合に出場を予定していたハチ北のSAJ公認モーグル大会が中止になりました。今シーズンはモーグル大会に1試合も出場できないことになりました。

 

 明日24日と25日に出場を予定していた白馬八方尾根スキー場のリーゼンスラローム大会は開催されますが、母がショートステイに行けないため欠場します。標高差595m、全長2500m、最大斜度30度のコースを最高時速約60kmで滑る大回転(GS)競技です。コロナ対策で大会受付をなくし、事前に郵送された大会プログラム、ビブ(背番号の入った胸当て)などが届いていますが、使わずじまいになりました。

 

 今シーズンはダイナミック・ポジショニング・ターン(DPT)が上達し、やっと大会で実用化できるかどうかというレベルに達していたのに、誠に残念です。吹雪のハチ北モーグルコースや、自宅から徒歩3分の専用ゲレンデでの猛特訓の成果を発揮するのは来シーズンまでお預けとなりました。

 

 そこで、ハチ北の大会が予定されていた3月5日(土)、ハチ北でDPTの公開ビデオ撮影を挙行することにしました。といっても、ぼくがDPTで滑るのを妻に撮影してもらうだけのことです。

 

 まあ、いないと思いますが、もしもDPTを生で見たいという人がおられたら好きに見てください(ビデオ撮影可)。恥ずかしいですが、使わずじまいになる八方尾根リーゼンスラローム大会のビブを着けて滑ります。「183」と「550」の2枚あるので、どちらかを着用します。

 

 こんな人もいないとは思いますが、「DPTは見たいけどハチ北は遠いし行けないよ」とか、「スキーはしないけど見るだけ見てみたい」という人が、もしおられましたら、ご安心ください。アーカイブ配信があります。といっても、このブログに載せるだけですので、事前の申し込みなど手続きは必要ありません。

 

 予定しているDPTの撮影メニューは次の通りです(あくまで予定)。

 

(1)整地緩斜面大回り(パノラマゲレンデ)

(2)整地緩斜面小回り(パノラマゲレンデ)

(3)不整地緩斜面小回り(パノラマ常設モーグルコースの基礎スキーヤー向けこぶ)

(4)モーグル(パノラマ常設モーグルコースのエア台付きコース)

(5)不整地急斜面大回り(北壁)

(6)不整地急斜面小回り(北壁かスーパーモーグルコース)

 

 (5)(6)はしないかもしれません。

 

 DPTとは、例えば「巨人の星」の大リーグボールのような(*1)、あるいは「サインはV」のX攻撃のような(*2)、ブログネタでしかない架空の技術と思われているかもしれません。うまくできたときの映像をぼく自身は見たことがないのですが、スキーをよくわかっている人なら一目見て、普通のターンとは違う不思議な動きが感じられると思います。

 

*1 https://www.youtube.com/watch?v=VaRmZKc1bN4

*2 https://www.youtube.com/watch?v=fi3XLX4ZFZc

 

 今のところDPTでモーグルコースを滑ろうとしているのは世界でぼく一人です。ぼくが今死んだり、スキーができなくなったりしたら、永遠に幻です。まだ未熟であっても、ここまでの成果をいったん映像に記録しておこうと思う次第です。

 

 さあ、3月5日に向けてまた猛特訓だ。

 

 

 

 

 「できた」「できた」と言いながら、いつまでたってもできていなかったダイナミック・ポジショニング・ターン(DPT)の習得に進展がありました。

 

 今シーズンは2月に入って、オミクロン株流行のあおりで母がショートステイ(短期入所)に行けなくなったため遠出ができず、デイケア(日帰りケア)に行ける水曜と土曜に、片道2時間のハチ北高原スキー場の常設モーグルコースで2時間ほどの練習をしています。

 

 自宅から徒歩3分の特設マイゲレンデもまだ残っているので、白馬八方尾根スキー場には行けず、出場申し込みをしていたリーゼンスラローム大会も欠場せざるをえませんが、考えようによっては例年より練習環境に恵まれていると言えるかもしれません。

 

 19日(土)も午後1時半から午後3時半までハチ北のモーグルコースで練習しました。基礎スキーヤーやスノーボーダー向けの間隔の広いこぶ、ピッチが3mほどの細かいこぶ、大会と同じくらいのピッチのこぶ(エア台付き)が並んでいます。どんなこぶであってもDPTで滑れるようにする練習にはもってこいのコースです。

 

 10年以上にわたって練習してきたDPTには、どうしても解決できなかった難題が残っています。

 

 一つは、先日のブログにアップした動画を見てもわかるのですが、ターンの後半でテールがこぶの裏側(ゴール側)からずり落ちて、次のこぶとの間の溝にはまってしまうということです。下(ゴール側)から見ると、テールが外に開いて、ブーツの位置がフォールラインから外にずれています。モーグルのターンの採点基準では、テールはトップが通った跡を通らなければなりません(カービングターンの定義)。また、スキーヤーの体はフォールライン上にあり、スキーはお尻の下になければならないとされています。テールがターン弧の外側に流れたターンでは、スタートからゴールまで破綻なく滑ったとしても、ターン点が限りなくゼロに近づきます。

 

 もう一つは、深いこぶ、硬いこぶ、細かいこぶで、必ずと言っていいほどよく起きることですが、スキーがこぶの背中(スタート側)に押し返されて、こぶを乗り越えていくことができないという問題です。DPTではこぶの背中のバンク(土手)でスキーのトップの向きを変えることを想定していません。こぶの裏側を後ろに押しながらターンを始動するのがDPTです。テールが流れてこぶとこぶの間の溝にはまり、トップが次のこぶの背中に押し返されたのではDPTになりません。DPTでスキーのトップがこぶの高まりを乗り越えていくにはどうすればいいか。これは難題でした。

 

 どちらの問題も、吸収動作をしたときに、体がスキーより前に出ていないことに原因があるだろうという想定はしていましたが、具体的にどういう吸収動作をすれば解決するのかがわかりませんでした。

 

 その答えがようやく見つかったようです。

 

 DPTはぼくがスタティック・ポジショニング・ターン(SPT)と呼んでいる普通のターンとは鏡のようにすべてが逆のパラレルワールドのターンです。普通のターンの上達を目指している人の参考にはなりませんが、異次元のターンがどういうものかに興味がある人のために答えを公開します。

 

 <ターンの後半(山回り)で脚を曲げてこぶを吸収するとき、外脚を内脚よりも深く曲げるように意識します>

 

 カービングターンのお手本はアルペンレースの大回転(GS)の選手の滑りです。GSのレース写真は、旗門でターンして次の旗門に向かうところがよく使われます。ターン弧の外側にある外足(旗門から遠い方の足)は谷足(斜面の低い方にある足)です。外足に体重を乗せて、横滑りしないようにエッジを立ててカービング(雪面に切れ込みをつくること)をして旗門の周りに弧を描きます。

 

 選手が旗門を通過するときに、ターンできなかったり、転倒したりするのは、多くの場合、内足だけに体重が乗って、外足に力がかかっていないことが原因です。外スキーが雪面を押さえつけていないので、外スキーが思い通りの方向に進まないのです。

 

 DPTでは、こぶの裏側を後ろに蹴らなければなりません。そのためには両スキーを小さな急斜面になっているこぶの裏側にぴったりとあてがわなければなりません。両スキーのソールをこぶの裏側に貼り付けると、外足(谷足)が内足(山足)より低く、両スキーはそれぞれ谷川のエッジが山側のエッジより低くなります。

 

 外脚を内脚より深く曲げると、外脚の支えがないので、体は斜面の下方向(谷側)に向かって傾きます。同時に両スキーの外側(谷側)のエッジが下がって、両スキーのソールが斜面に張り付きます。 

 

 GSのターンの山回りの瞬間(旗門の通過直後)を見ると、外脚が内脚よりも長く伸びています。そうすることによって内足より低い位置にある外足が雪面に届き、外足で雪面に圧力を加えることができます。

 

 DPTでは全く逆の動きをしないといけないということです。

 

 これは今まで十数年に及ぶDPTの開発の歴史の中で、大きな発見だと思います。この意識でハチ北のそこそこ掘れたモーグルコースを滑ったところ、今までになくスムーズにこぶを乗り越えていくことができました。

 

 ただ、雪が激しく降って、こぶが軟らかくなったときだったので、かちかちの硬いこぶでも同じようにできるかどうかはわかりません。スキーのトップが真下の方向(フォールライン方向)を向いたときに思い切り体を前に出す必要があり、頭の切り替えをしないと、怖くて動作が中途半端になり、今までのようにスキーのトップがバンクに押し返されてこぶを乗り越えられないということになるので、精度を上げる反復練習が必要だと思います。

 

 誰に教わるでもなくゼロから積み上げてきたDPTの開発がやっとここまできました。頂上が見えたと思っても、なかなかたどり着けない山登りのようだったここ2、3年の上達は主にハチ北モーグルコースでの練習の賜物です。これからのシーズン終盤、さらなる習熟を目指してがんばります。

 最初にタイトルの答えを言っておきます。違います。

 

 3連休の中日の12日、ハチ北高原スキー場に行って、前回、「完全に理解した」と書いたダイナミック・ポジショニング・ターンを妻に撮影してもらいました。基礎スキーヤー向けのピッチの長いこぶを滑るところを撮影してもらったのですが、映像をチェックすると、今までの失敗ターンと同じで、ダイナミック・ポジショニング・ターンの完成形にはほど遠い滑りでした。

 

 恥ずかしながら、ダイナミック・ポジショニング・ターンが完成したというのは誤りだったという証拠映像を参考までにアップします。

 

 

 モーグルの大会でこの滑りをすると、ターン点は限りなくゼロに近づきます。滑っているときに衝撃を受けて、頭がぐらつくは、上半身の動きがばらばらになってストックでどこを狙っているかわからないは、スキーが抑えきれないはで、ちょっとおかしいとは思っていました。映像をスロー再生して細かく分析した結果、問題点があぶり出されました。

 

 最大の問題は、スキーが通るラインが想定とは異なって、こぶとこぶの間の溝になっていることです。スキーが横を向きながらこぶの斜面を横滑りして、テールから溝にずり落ちています。

 

 ダイナミック・ポジショニング・ターンでは、スキーヤーから見たこぶの裏側で谷回りのカービングターンをする滑走ラインを想定しています。これができているとき、スキーヤーにはこぶを踏みつぶしながら越えていく感覚が生じます。

 

 この滑りをするためには、こぶの裏側にスキーのトップを当てなければなりません。

 

行  1234列

1  ∧ ∧

2  ∨ ∨

3   ∧ ∧

4   ∨ ∨

5  ∧ ∧

6  ∨ ∨

    ↑

    ○

  スタート

 

 ∧と∨で上下に挟まれたのがこぶです。スキーヤー(○印)が↑の方向に滑り出したとしたら、普通はスキーが(1)6行1列の∨の右の斜線→(2)4行2列の∨の左の斜線→(3)2行1列の∨の右の斜線の順に通りますが、ダイナミック・ポジショニング・ターンでは(1)5行1列の∧の右の斜線→(2)3行2列の∧の左の斜線→(3)1行1列の∧の右の斜線の順に通ることを想定しています。この場所はスキーヤーからは見えません。見えないところをスキーのトップが通っていきます。

 

 ダイナミック・ポジショニング・ターンができているとき、普通には∨の連続に見えるこぶの並びが∧の連続に見えます。

 

【一般的なターンで見えるこぶの並び】

 ∨

∨ ∨

 ∨

∨ ∨

 ↑

 ○

 

 カービングターンでこぶを滑っている人なら、どこを通るかイメージできると思います。

 

【ダイナミック・ポジショニング・ターンで見えるこぶの並び】

 ∧

∧ ∧

 ∧

∧ ∧

 ↑

 ○

 

 どこを滑るのか、イメージしずらいのではないでしょうか。雪が少なくなってモーグルコースが浅くなったときに、こぶの並びがこのような見え方になったことがあります。溝が深くえぐれてくると、こぶの高いところと低いところの落差が大きくなって、こぶの裏側にスキーのトップを回し込むのが難しくなり、ダイナミック・ポジショニング・ターンの滑走ラインを描くのが難しくなるようです。

 

 こぶの吸収動作の速度と量を調節することによって、深いこぶにも対応できるのではないかと思います。マイゲレンデの雪が少なくなって深いこぶにはならなくなりましたが、次のビデオ撮影に向けて練習に励みたいと思います。

 北京五輪モーグルの興奮が覚めやらぬときではありますが、自分の練習の進行状況について報告しておこうと思います。

 

 自宅の向かいの公園に北向きの斜面があって、大雪が降った後、しばらく溶けないままになるので、エア台を作ってジャンプの練習をすることがあります。今シーズンは年末の60cmを超える豪雪で、雪がたっぷりありすぎて斜面までたどり着くことができなかったのですが、1月16日にトラクターのフロントローダーで除雪して斜面にエア台を作ることができました。

 

 今シーズンは、ハチ北高原スキー場(兵庫県)のよく整備されたモーグルコースや、新設されたバンクドスラローム(そり競技のような溝が大回転のように蛇行するコース)でターンの練習をしていますが、今年に入って母がオミクロン株流行のあおりでショートステイ(短期入所)に行けなくなり、エア練習はまだできていません。

 

 そこで大活躍しているのが、自宅から徒歩3分の向かいにできたマイゲレンデです。スキーをかついでハイクアップしては、平均斜度約30度の斜面に作ったこぶを滑って、エア台でジャンプします。最初はこぶ3個にエア台付きだったのが、日に日にバージョンアップして、こぶの位置が左右対称になった2レーンにそれぞれエア台が付いたコースができました。どちらのレーンも斜面の一番下の平らなところにエア台があるので、それとは別に急斜面の中腹に着地練習用のエア台をもう一つ作りました。

 

 ぼくの今の一番の課題は、直滑降からターンへの切り替え(スタートからこぶへの入り、エアの着地からこぶへの入り)と、ターンから直滑降への切り替え(こぶからエア台への入り)です。例年、大会ではスタートからこぶへの入りがうまくいかないため、タイミングが合わないまま、第1エアがまともに飛べず、飛んだとしても着地で横にそれてしまうという致命的な失敗を繰り返しています。

 

 ほかの人のまねをすればいいではないかとか、レッスンを受けて教えてもらえばいいではないか、ということなのですが、ぼくは10年以上、ダイナミック・ポジショニング・ターンという独自開発のターンに取り組んでいるので、自分で解決するしかありません。

 

 ターンのタイミングをこぶに合わせるのはポール(ストック)ワークです。長らくそれが間違っていて、うまく行かなかったのですが、ここ2シーズンほどハチ北の緩斜面のモーグルコースで練習を重ねた結果、ストックを振り出すタイミングがわかりました。連続するターンのストックワークはほぼわかったのですが、スタートからこぶに入るのに、どのタイミングでストックを振り出して、どう突くのかがよくわかっていませんでした。

 

 マイゲレンデでは、スタートからのストックワークを徹底的に練習しました。こぶの配置が左右対称の2レーンにしたのも、最初のこぶが右にあるレーンと、左にあるレーンのどちらでもタイミングを合わせてターンに入れるようにするためです。

 

 そのかいあって、ようやくスタートから第1エアのジャンプをするところまでのストックワークが完全に理解できました。

 

1)スタートして最初にストックを振り出すタイミング

2)振り出すストックの先端で狙う場所

3)ストックを振り出したときの脚の動きとスキーの動き

4)ストックを手前に引くタイミング

5)ストックを突く場所

6)ストックを手前に引くときの脚の動きとスキーの動き

7)次のストックを振り出すタイミング

 

 これだけのことが完全に理解できたので、スタート位置に立って、最初にストックを振り出すタイミングと、第1エアまで、こぶのどこを狙ってストックを振り出していけばよいかを考えておけば、スムーズにターンしてタイミングの合ったジャンプをすることができるようになりました。

 

 普通はこぶの合わせ目を結んだ線上を滑るので、その線の延長線上からスタートするのですが、2レーンあるコースの端から端まで約4mの幅のどこからスタートしてもエア台の真ん中でジャンプすることができるようになりました。大会でコースが荒れて、こぶの配置がどのようにずれたとしても、対応できるということです。

 

 スタートの直滑降からターンへの切り替えは、スタートをダブルストックと考えて交互ストックに切り替えればよく、ターンからエア台の手前(アプローチ)の直滑降への切り替えは、交互ストックからダブルストックに切り替えればよいので、ストックワークのタイミングと狙う場所がわかったことで、エア台への進入もスムーズにできるようになりました。

 

 残る課題は、エアの着地からこぶへの入りです。スタートと同じく、直滑降からターンへの切り替えですが、スタートからのターンが静止した状態(速度ゼロ)からの滑走であるのに対し、エアの着地からのターンは前向き、下向きの速度がついた状態からの滑走で、着地の衝撃を吸収する動作も入るので、より難しくなると思います。

 

 今日の練習の終わりに撮った写真をアップします。こぶのどこを通ってターンするかイメージしてみてください。

 右のレーン(レッドコース)。最初のこぶが左側にあります。

赤が一般的なカービングターンが描くターン弧、緑がダイナミック・ポジショニング・ターンで描くことのできるターン弧。

左のレーン(ブルーコース)。最初のこぶが右側にあります。

赤が一般的なカービングターンが描くターン弧、緑がダイナミック・ポジショニング・ターンで描くことのできるターン弧。

 

 年末年始の雪かきやら何やらで行けなかった初滑りに5日、兵庫県香美町のハチ北高原スキー場に行ってきました。

 

 今シーズンは雪がたっぷり。緩斜面のモーグルコースが整備されていて、足慣らしにちょうどいいコンディションでした。

 

 昨年のオフシーズンは、田植えに手間取って、夏場のトレーニングがほとんどできませんでした。トランポリンは長らく行けておらず、ウォータージャンプは1回だけ。体力づくりも筋トレがほとんどできず、30分のスロージョギングを3回ほどしただけです。

 

 昨シーズンの終わりにできるようになったオリジナルのダイナミック・ポジショニング・ターンで、こぶを滑ることができるのか、不安がありましたが、昨年4月から9カ月のブランクがあったにもかかわらず、スムーズに再現することができました。

 

 慎重に慣らし運転を終えて、少しスピードアップしようかと思ったところで、タイミングがずれて、こけた拍子に左手の小指に衝撃を受けて激痛が走りました。骨が折れたのではないかというほどの痛みでした。

 

 左手の小指は第2関節が変形性関節症になっています。

 

 数年前、石垣に使うほどの大きな石が前栽にあって、両手で持って動かそうとしたときに、うまく持ち上げられずに左手の小指が下敷きになりました。ちょうどそのころから、農作業で両手の指に負担がかかることが多くなり、指の関節が節くれ立っていったのですが、左手の小指が特にひどく変形しました。他の指の変形は第1関節で、使い傷みだと思いますが、左手の小指だけは第2関節なので、石の下敷きになったのがきっかけのようです。

 

 指の関節に負担がかかる農作業として真っ先に思い浮かぶのは、耕作放棄地などの排水のために鍬で溝を掘る作業です。鍬の柄を力を入れて握りっぱなしにしていると、指が曲がったままでだんだん伸びにくくなります。スコップの柄を握りっぱなしにしていても同じことが起きるようです。草刈りに使う刈払機のハンドルを力を入れて握りっぱなしにするのもよくありません。刈払機やチェーンソーのハンドルはエンジンで振動しているので、よけいに手の指にかかる負担が大きくなります。

 

 かといって、作業を休むわけにはいかないので、できるだけ、握りっぱなしにならないよう、手の力を緩めながら道具を使っていたのですが、この冬、寒い中でチェーンソーのハンドルを握ったり、雪かきの柄を握りっぱなしにしたりして、悪化してしまったようです。

 

 右膝の内側側副靭帯がきっかけでおきた変形性膝関節症のリハビリで、蒲田和芳さん(日本健康予防医学会副理事長、学術博士)が提唱するリアライン・コンセプトを勉強して知ったことですが、関節が変形して痛みが生じるのは、関節にゆがみが生じているからです。

 

 骨と骨が歪んで接続したままで動かし続けることで痛みがひどくなります。治療するためには、骨と骨の接続を歪みのない正常な状態に戻すことが必要です。リハビリ用の器具を使って正常な状態で動かすことを学習して習慣づければ、痛みは消えていきます。

 

 膝のリハビリでは、大阪のパーソナルトレーニング施設PCPに通って、栗田興司さんの指導を受けて、膝の歪みを矯正し、股関節の動きをよくするトレーニングに励みました。

 

 現在は、体幹(胴体)を固定して股関節、肩関節の動きをよくするリアライン・コアと、膝関節と足関節の正常な動きを習慣づけるためのリアライン・バランスシューズを使って、自宅でスクワットなどの運動をしています。

 

 その結果、スコップを使った土木作業や雪かきなどのハードな運動をどれだけしても、筋肉痛とは縁がなくなり、腰や膝が痛くなることもなくなりました。トレーニング不足で臨んだ今シーズン初スキーも、腰や膝や筋肉には何の痛みも感じませんでした。左手の小指だけが問題です。

 

 かねて、生涯モーグルの道に終わりがあるとすれば、それは腰か膝か、目(視力)だと思っていましたが、小指が問題になるとは、思わぬところに伏兵が潜んでいました。

 

 転倒して左手小指に走った激痛が去った後、ストックを持って普通に滑れるようにはなりましたが、左手小指はしばらく曲げられないままでした。今日(6日)も朝から滑り行こうと思っていましたが、何かに軽く当たっただけであの激痛に襲われるのかと思うと、せっかく練習しても、痛みを回避しようとする代償動作でおかしなストックワークの癖がつく可能性もあるので、家で安静にして痛みが完全に消えるのを待つことにしました。

 

 ぼくの左手小指の変形は石の下敷きになったときに靭帯を傷めたことに起因すると思われます。関節が変形した後、整形外科でX線撮影してもらいましたが、骨には異常がありませんでした。

 

 膝の靭帯損傷のリハビリには関節を固定する装具を用います。指用の装具も購入できるようですが、厚手だとスキーグローブに指が入らないので、テーピングで固定するのがよいようです。雪かきや薪割りなどの作業は装具を着けて、スキーをするときはバレーボール選手のようにテーピングで左手小指を固定して、この冬を過ごそうと思います。

 ローカルな話題です。

 

 今年の年末年始、京都府綾部市のわが家周辺は豪雪に見舞われました。70cmほどの積雪で家の周りが雪に埋もれ、玄関から道に出るのに一苦労、家の下の道から府道に出るのにまた一苦労しています。かいても、かいても、雪が積もり、雪の捨て場もなくなりました。

 

 このあたりでは40cmも積もれば大雪です。30cmくらいの積雪に2回ほど見舞われるのが平均的な冬の雪のイメージです。近所の人の話では、今回の大雪は昭和59年豪雪(1984年)以来だそうです。

 

 綾部市の中で、東部の上林(かんばやし)という山間地は別格として、それ以外では、うちの周辺だけ雪が多いのはなぜだろうと、不思議に思っていたのですが、地図で調べたら、簡単に答えがわかりました。標高が違うのです。

 

 わが家は綾部の中心市街地から北に約7kmのところにあります。JR綾部駅から北に向かって車を走らせ、わが集落に入る手前にある小呂峠を越えた途端、あたりが一面の銀世界に変わるということがよくあります。そこから北の集落に行くと、また雪が少なくなるのです。

 

 山すそにあるわが家の標高は109mです。少し下がったところを走る府道でも標高が90m以上あります。それに対して、綾部の中心市街地の標高は50mくらいしかありません。わが集落の周りの集落の標高は60mくらいです。同じように山に囲まれた土地であっても、わが集落は周りの集落の2倍から3倍の標高があるのです。これが周りの集落より雪が多いことの大きな原因と考えられます。

 

 こんな単純なことになぜ気づかなかったのでしょうか。

 

 綾部の中心市街地から北に向かうと、だんだんと標高が高くなっていって、標高127mの小呂峠が一番高く、峠を越えて道を下りながらわが集落に入ります。小呂峠まで一本調子で高くなっていることはわかりますが、その後、わが集落に入るとき下るので、低くなっているように錯覚します。小呂峠を越える前の平地にある集落と、越えた後の平地にあるわが集落と、どちらが高いかと聞かれて、正しく答えられる人はほとんどいないのではないでしょうか。

 

 地図を広げて、周りと標高を比較してみて、初めて、わが集落が一番高いとわかります。

 

 そう言えば、確かに、よその集落からわが集落に向かって流れてくる川はなく、山から下がってきた水はわが集落から外に向かって流れて出ていくだけですね。

 今朝の新聞に、2回のワクチン接種をした18歳以上の人に3回目のワクチン接種をすること厚生労働省の分科会が了承したという記事が出ていました。

 

 ぼくとぼくの家族は、1回目、2回目のワクチン接種で副反応が全くありませんでした。ワクチンを接種しても何の反応もないということは、それまでに何らかの理由で免疫(抵抗力)を獲得していたからとは考えられないのでしょうか。もしそうだとすれば、改めてワクチン接種をする必要はないはずです。

 

 今日、母(93歳)の物忘れ外来の受診日だったので、担当の先生に相談してみました。精神科なので専門外ですが、いつも母の介護者の精神的な負担軽減なども含めて母の介護全般にわたってもアドバイスをしてもらっています。

 

 「副反応がないのはすでに抗体ができていたからという可能性はないのでしょうか」というぼくの質問に、一瞬、虚を衝(つ)かれたようでしたが、「ワクチンの副反応については正直、まだよくわかっていないようです。ワクチンの副反応が激しい人はそれだけがんばって抗体をつくっているという説もあるようですが、それとて確かめられたわけではありません。ワクチン接種の効果が時間がたつとともに下がり、万一、お母さんが感染して重症化したら取り返しがつかないので、副反応がないのは運がいいと考えて3回目のワクチン接種に対応されるのがよいと思います」と言われました。

 

 ぼくとぼくの家族はもう何年も、寝込むような風邪やインフルエンザにかかっていません。ぼくも以前はインフルエンザで高熱を出して会社を10日間も休んだりしたことがありました。20年前にモーグルを始めて体力づくりをするようになってからも、激しい運動で体力を消耗して風邪を引くことがよくありました。人間は無垢な状態で生まれて、年をとるとともにいろんなウイルスや細菌に感染して抗体をつくっていくので、高齢になるほど免疫ができて感染症にかかりにくくなるそうです。

 それでも誰も抗体を持っていなかったのが、新型コロナウイルスです。ただし、同じように感染しても、重症化する人と、軽症の人、無症状の人があります。その理由がわかれば、新型コロナウイルスの問題はほとんど解決したも同然ですが、残念ながら今のところわかっていません。

 

 ワクチンを接種して副反応が激しい人、あまりない人、全くない人の違いがなぜ生じるかもよくわかっていないのでしょう。新型コロナウイルスに感染して重症化するかどうかの違いかもしれないし、ぼくが思ったようにワクチンを接種する前に感染して免疫ができていたかどうかの違いなのかもしれません。

 

 ワクチン接種により、(1)感染したときの重症化リスクを減らすことができる(2)重症者が減ることなどによる感染防止効果もある、と言われています。

 

 仮にぼくが感染して発症した場合、すべての社会活動、経済活動は制限され、扶養家族3人も路頭に迷うことになります。自分の家や農地の管理ができなくなるだけでなく、よそから預かっている大切な農地の管理もできなくなります。

 

 今後の状況を見ての判断になりますが、今のところは家族全員が3回目の接種を受けることになりそうです。

 ハチ北の営業が終わった後、4月2日に妻と白馬八方尾根スキー場に行きました。最近はいつも自分一人で滑っていて、妻とスキーに行くのは何年か前に一緒にハチ北に行って以来です。

 

 せっかくですので、妻にダイナミック・ポジショニング・ターンを体験してもらいました。いわゆる押し売りレッスンです。斜滑降してダイナミック・ポジショニング・ターンで向きを変えて、反対方向に斜滑降してまたダイナミック・ポジショニング・ターンで向きを変えて斜滑降の繰り返しです。

 

 最初、ダイナミック・ポジショニング・ターンの原理を円運動で説明したのですが、それでは頭ではわかっても体の動きがついていかないということでした。ユキヒョウが疾走するイメージで説明した方がわかりやすいので、ダイナミック・ポジショニング・ターンという名前をやめてユキヒョウ・ターンに変えたらどうかと提案されました。

 

 真理はいつも単純明解です。説明がわからないのは、説明する人がわかっていないから。ユキヒョウのターンがわかりやすくて、そのイメージで説明したらできるようになるということは、ユキヒョウの動きを忠実にまねすることがダイナミック・ポジショニング・ターンの真髄をとらえて習得する近道なのでしょう。それは開発者であるぼく自身にも言えることです。

 

 ぼくが緩斜面にできたラインこぶを滑る姿をスマートフォンで動画撮影してくれました。振り幅の大きい、いわゆる横向きのこぶということもありますが、自分でイメージしているよりも、ブーツの位置の左右の移動が大きくなっていました。左右の振り子運動が考えている以上に大きくなっていたのです。

 

 ユキヒョウが斜面を猛スピードで駆け下りるようにモーグルコースを滑るのが究極のダイナミック・ポジショニング・ターンです。ユキヒョウが駆け下りるときに、足の位置の左右の移動はありません。ダイナミック・ポジショニング・ターンでラインこぶを滑ることはできるようになりましたが、究極のダイナミック・ポジショニング・ターンには遠く及ばないということです。モーグルの大会でもターン点が低く抑えられ、またも最下位の憂き目に遭うことになるでしょう。

 

 中5日の休養を経て、再び八方尾根にやって来ました。7日、8日の2日間、今シーズンのラストスキーです。

 

 パトロール本部でエア練習の申請書を提出して、エア台の前後にショートポールを立ててラインこぶを作ることについても許可を得ました。狭いゲレンデが大勢のスキーヤーでいっぱいだと、なかなかそうはいきませんが、4月の平日の八方尾根は広いゲレンデに人影がまばらです。

 

 初日の7日はショートポール(ネトロンパイプ)を立てる作業と、急斜面にエア台を作る作業に昼過ぎまでかかり、ショートポールを使ったターン練習を1時間あまりしたところでリフト最終となりました。8日はショートポールを繰り返し滑ってできたこぶでユキヒョウのように自由自在のダイナミック・ポジショニング・ターンを練習し、エア台の前後の動きを確認します。