PikuminのCancer Staging Manual -7ページ目

PikuminのCancer Staging Manual

がんのステージングは治療や予後判定において極めて大事なものです。

大抵の事件で犯人はその犯罪で一番利益を得るやつだ。


この場合、cTNMを殺して一番利益を得るのは・・・病理医だ。


病理医は対物レンズより広い視野をもたいない。プランアポの中だけが彼らの世界だから、患者が診療の質に関する情報が得られないことや、臨床医が治験を行えないことの問題なんか気づかない。

・・・恥ずかしいことだが・・・


術中所見が加わってcTNMが正確になることを単に喜ぶ。pTNMをつけるときに必要な全ての情報がcTNMとして提供されていることを喜ぶ。

病理医は正しい診断が大好き、曖昧や間違いが嫌いだから、正しすぎて役に立たないものがあるなんて気がつかない。


この場合犯人は××と言うことになる。TNM supplementのとりまとめをしているドイツの病理医だ。


××によるとUICC-cTNMは手術所見を含むそうだ。しかし、誰が信じようが信じまいが、あえて書くと、儂の方がWittekindよりTNMに詳しい。

AJCCの第7版と完全に違うことを彼は主張している。

『では、そんな大事なことをこそっとメールで言うんではなく、UICCの本か、Faqに書いてくれ』と返事を送ったが対応はない。そんな自分にとって破壊的なことははっきりかけるわけがないし、他のUICC-TNM committeeも許すわけがない。


やっぱりどう考えても、彼が勘違いしてる。
あるいは彼は勘違いしてないけど、みんなの思っているcTNMと違うこと
を考えている。

どう考えても術中所見の入ったcTNMなんて、病理医が喜ぶだけ。
誰の役にも立たない。

さて胃癌取り扱い規約14版を殺したのは彼だが、UICC-TNMの方はまだはっきりと殺していない。


AJCCとの違いを明確に書くとUICC-TNMを殺せるが、その前に彼が消される可能性がある。AJCCとUICCの前文を比較して読むとその微妙な攻防が見て取れておもしろい。


しかし、どっちにしても彼のcTNMは役に立たないので誰も使うことはない。


いっそこのとそのcTNMを、UICC-cTNMではなく

wTNM、あるいはTNM(w)とでもしてみてはどうか(笑)

もう一つの大きな問題は、UICC-AJCC-TNM (not Wittekind-cTNM) と見た目だけ同じにしたのはいいが、胃癌の定義がUICC-AJCCとは大きく異なってしまったことだ。


現状、日本人の医者には胃癌にしか思えなくても胃噴門部にわずかにかかったらUICC-AJCCの側では食道のやり方でStagingされる。

しかし、胃癌取り扱い規約ではそれは胃癌のまま。


違うものを同じような基準で比べてどうする?


現在の問題点をまとめると

胃癌取り扱い規約14版は、世界と(おそらく日本とも)違う基準のcTNMを勘違いして作ってしまった。

(誰が悪いかはもうもうしますまい)


さらにせっかく似て非なるものを作る(日本語ではそれを偽装と呼ぶ)ようなことをしたのに、その対象となる疾患群はUICCやAJCCと違うものになってしまった。

せっかく耐震偽装までして立ててみたら、出来たのはビルじゃなくて橋だったようなものか?

さて(1)~(7)が長々として難しいかもしれないのでまとめます。
要するに、


新しい胃癌取り扱い規約(14版)は術中所見を取り入れることに決め
ました。
WittekindというUICC-TNMの大物病理医が言っている独り言が原因のようです。
しかしそのため、アメリカのがん取り扱い規約AJCC staging(UICC-TNMと同じ基準で作られて
いて、UICC-TNMよりよくmanual化されているため事実上の世界標準)
と齟齬が生じました。
結果として、国際的なデータの提示にも、治験の設定にも、あまっさえ診療の質の比較にも使えなくなりました。
治療を受ける患者、治療をする臨床医、研究する研究者、がん政策に関係する医療政策者などにとってなんの役に立たない規約になりました。

しかし安心してください。
病理医達にとってはそんなことどうでもいいことのようです・・・恥ずかしながら


細かい組織分類とか、報告に算用数字をつかうかつかわないか、α、β、γをa、b、cとかくかどうかのほうが遙かにだいじなようです・・・やれやれ

食道と胃が大きく変わった。

UICC-TNMの記載はまどろっこしいが、要するに

『食道と胃両方を巻き込む腫瘍(=食道胃接合部をまたぐ腫瘍)は、その中心が胃の側にあっても、食道胃接合部(EC junction)から、5cm以内であれば、食道癌のTNMを用いる』ということ


アメリカなど西洋はバレット食道癌が多いからそれよりの解釈でTNMが出来たんだと思う。胃の癌が多い東アジアよりの改訂ではない。


しかし、その分食道癌のNの分類法が胃のものに近づいた(ほぼ同じ)ので、stagingとしては問題がないだろう。

もちろん胃に進展しているのだから胃の所属リンパ節もNの範囲となる(本には書いていないが、これまでのルールだとそうなっている)。


で、食道の腺癌と扁平上皮癌ではTNMは同じだが、新設のPrognostic groupingが異なる。

TNM分類にもPnが登場した。

これはOptional descriptorのひとつで

L(リンパ管侵襲)、V(脈管侵襲)に加えて、Pn(神経周囲侵襲)ということになる。

病理学的因子の一つ。

しかし・・・何のために必要?

第7版からは今までのTNMに加えて、Prognostic groupingが登場した。

現版では食道と前立腺だけだが、第8版では殆どの臓器に出来るだろう。

これはTNMが時代遅れになるのを防ぐためのものだ。

食道では、TNMに加え部位と組織学的Gradeを加味して、Group0(TisN0M0, Grade1, location: Any)からGroupIV(TxNxM1, G:Any, Location:Any)まで9段階に分類している。

前立腺ではTNMとPSAとGleason scoreでGroup分けしている。


意義はあるんだろうと思うが、前立腺癌のGleason scoreならともかく、食道癌のGradingがきちんと行われる可能性がないから、難しいんじゃないかな?


そもそも食道癌pTisのGrade1ってなんだ?

上皮内癌に食道癌のGradingが適応できるわけないだろ!! まじめにやって欲しい。


UICC help deskに問い合わせた。


The 7th edition, Esophagus, Prognostic grouping

As for Group0, pTisN0M0, Histological grade1, location: Any

As far as I know, there is no histological grading system for an esophageal intraepithelial tumor.
Is Stage0(Tis, N0, M0) enough to assign a tumor as Group0?


Dear Dr. Pikumin,


Thank you very much for your question and your interest in TNM.

Stage 0 = TisN0M0 is sufficient to assign a case to a stage group.

For the UICC stage grouping you do not need the grade of the tumour.

Sincerely,

Christian Wittekind


誤植だよ誤植!まじめにやってよ

グループ魂のTMCと言うアルバムにバイト君の歌がある(何のことかわからないかもしれないが)

♪もちろんさいごまではしない~さ こすりつけるぅだけ~♪(何のことかわからないかもしれないが)

♪おとなにぃ~なんかならないさぁ~♪(何のことかわからないかもしれないが)


古いタイプの病理医の中には(実年齢は若い人も年寄りもいるが)、『病理医がTNMを決めるよりも、TNMを臨床医が決められるようデータを記載することが大事!』って言う人が言う。


おいおい、いったい何を言ってるんだい?


カミサマお許しください、彼らはいったい自分が何を言っているのかわかってないのです。


『cTNMを手術所見、病理所見を参考にして修正したものがpTNMである(General rule 2)。』

おそらく彼らはこの基本を知らない。


pTNMを導き出すデータを持ち、cTNMを知るものが、なぜこんな簡単なことなのにpTNMを決められないのか?

はっきりわかるのは彼らが実際にやったことのない人だと言うことだ。

童貞が未経験だというのを恥ずかしがるように、実際にはルールを知らないと言うことを隠しているだけ。


『病理医がTNMを決めるよりも、TNMを臨床医が決められるようデータを記載することが大事!』と病理医を、

一般の人にもわかる言葉に変換すると

『エッチするよりも、センズリの方が楽しいよね』という童貞、となる。



第7版は予後因子が大量に追加されて第6版より素晴らしく、かつ、複雑になっている。

臨床にstagingが必要な人はすぐに使ってみるべきだ・・・が、予後曲線が公開されないと使う意味がないかもしれない。


日本では、肺癌学会が1月1日症例から使うことにしているが、末端ではまったくreadyではない。

それ以外の臓器でもさっぱりだろう。

おそらく日本では2~3年はこのままだろう。


おそらく、がん専門病院では来年くらいから国際治験の対象症例が第7版で規定されはじめるだろうから、それから意識され出すのではないか?


日本の院内がん登録は2012年からの予定らしい。

しかし、実際には第7版を取り込んだ取り扱い規約のTNMをもう少し早く臨床医がい始めるだろうから、混乱が必至だ。