臓器で副腎や噴門部や虫垂などなど
組織型でGISTや子宮肉腫やカルチノイドなどなど
多数の臓器や組織型、その組み合わせがTNM stageの対象として追加された。
これでもう地域がんの進行度分類は更にobsolute性を増したと言えよう・・・・何のことかはわからないかもしれないが
臓器で副腎や噴門部や虫垂などなど
組織型でGISTや子宮肉腫やカルチノイドなどなど
多数の臓器や組織型、その組み合わせがTNM stageの対象として追加された。
これでもう地域がんの進行度分類は更にobsolute性を増したと言えよう・・・・何のことかはわからないかもしれないが
AJCC staging manual第7版の序文では、解剖学的な進展度によるStagingからの決別が宣言されている。
anatomic extentはstagingの基本ではあるが、それのみでは時代遅れで役立たずだと書かれている。
UICC TNM classification of tumorsではそうとはっきりとは書かれていない。
今回は同じ基準で書かれているが、将来USAのcancer staging manualとヨーロッパ・アジア・中南米・アフリカなどを含むUICCのTNMが別の基準で書かれる時代が再び来るかもしれない。
ついにUICC-TNMとAJCC-Staging manualの第7版を手に入れた。
UICCに限らず、殆どの病期分類の大きさの単位は大抵cmである。
『mmを使った方が科学的だ』などという人もいるが・・・科学の意味を知らない人の意見だ。
なぜcmか?
まず第一に
TNMはのTは目に見えるサイズのものを実計測したデータを元にして決められたものだ。
なので、腫瘍サイズは物差しで測られる。
ものさしってのは、cm毎に大きな目盛りがあって、その間に9個の小さい目盛りがある。小さい目盛りは1mm置きの計算だから、mmまで測れるような気がするかもしれない。
でもそれはきちんと小学校に行ってない者の意見だ。
計測は目盛りを用いて行うが、その10分の1までは目測で判断することが許される。だからcm測る物差しでは0.1cmの単位は目測で計測していい。もしmmを測る物差しがあれば(そんなものは滅多に売っていないが)、0.1mmの単位まで計測していい。
普通のものさしはcmを測るものだ。小さい目盛りは1mm間隔をさすものではなく単に0.1cm台の大きさの推測を補助するためのものでしかない。
だから、ものさしで実計測するものは3.2cmだとか1.9cmだとか、cmであらわされる。
もし1mm単位のものさしをもっている人がいれば32.2mmとか18.8mmとか表現してもいい・・・がそんなやつはいない。腫瘍のサイズはmm単位で測っても意味がないくらい曖昧だ。測る角度や測る時期(体内切除前・体外切除後すぐ・体外切除後固定前・体外固定後)で大きさは変わってくる。
次に、進行度はたいていの場合、pとcが同じ基準で決定される。
cTが2cmより大きいか小さいかで決まる腫瘍は、pTも2cmで分けられる。
pathological になら、mm単位まで測りたい人がいるかもしれないが、目測や単純Xpや超音波で決めなければならないことがあるcTの基準をmm単位で表示すると、間抜けに見終えて恥ずかしい。
以上のように、長さの測定の基本的なルールの問題、practicalな精度の問題、臨床との対応との問題で、TNMの単位は大抵の基準でcmを用いている。
UICC-TNMもAJCC-TNM(同じものだが・・・)、取り扱い規約ですら殆どはきちんとcmで書いている。
腫瘍の単位をmmって書いたらなぜ恥ずかしいかわかったよね?
http://www.springerlink.com/content/676u6w1522461465/fulltext.pdf?page=1
誰だか知らない人が書いていますが、やはりきちんとしたステージングは必要なようです。
治験(新たの治療の必要性を決める研究)のためにも、個人の治療のためにも、研究のためにも
7月とアナウンスされていたUICC-TNM 7thは結局11月です。
新しいものはすぐ使いたい人も多いでしょうが、私はsupplementやfaqが出そろうまで使わない方がいいんじゃないかと思います。
婦人科腫瘍に関しては10月の南アフでのFIGOで承認されるのではないかと思うFIGO stage改訂とどうすりあわせたのか・・・知りたくもありません。
Stage migration ステージ ミグレーションとは、stageに属する症例群の質が変わることである。
例えば、『PET-CTをするとそれなしでは見つからない小さな転移巣が見つかるのでcM1, StageIVが増える』と言うようなことである。
となると、PET-CTなしではStageI-III(実は転移有り)だった症例がStageIVになるため、StageIーIIIの予後が良くなる。StageIVは数が増えると同時に、小さなcM1が増えて薄められるため予後が良くなってしまう。
そうなるとStaging全体予後予測のためには役に立たなくなってきてしまう。
現状、StagingをPET-CTなしでやることは考えにくいが、そのステージングがPET-CTなし前提で作られた生存曲線なので予後予測の点では何だかなあ。。。という感じになりかねない。
それでなくても、治療法の進歩はSurvival curveの解釈を難しくしているのに・・・・
こういう心配が一切要らないシステムを作っていいるのがFIGO (International Federation of Gynecology and Obstetrics:国際産婦人科連合)の子宮癌FIGO stageだ。
子宮頸がんのFIGO stageは、子宮癌は発展途上国の重大な癌という立場を重視しているので、特殊な検査は一切認めない。PET-CT、MRI、CT等で得られた所見・・・遠隔転移とかリンパ節転移とかは、見つかってもFIGO stageを決めるときには一切見なかったことにされる。手術した後の病理検査さえ、全ての地域で用いられるものではないという理由でStagingの要素として認めない。
Stage migrationを許さないという点では最も強力なregulationだ!
でも、役にたたんなこれ。
現実にPETもCTも病理検査もない地域のsurvival curveなんて知りたくもないもんな・・・・
もっともFIGO卵巣癌・FIGO体癌はPETもCTも病理検査もOK。Stage migrationなんて、建前で頸癌は力を持った年寄りがいるから変われないだけ何じゃないかな?
Explain the difference between T0 and TX.
回答
TXとは、原発腫瘍の検索が出来なかった場合
T0とは、原発腫瘍存在の証拠がない
TXは、T-componentを評価するための検査が行えなかったことを意味する。即ち、精巣腫瘍のTを評価するには除睾術が必要であるが、除睾術が行われなかった場合にはTXを使う。
T0は、検査しても原発巣が見つからなかった場合に使う。例えば、頸部リンパ節に扁平上皮癌があることがわかったのに、口・咽頭・喉頭を検査しても原発巣が見つからなかった場合、それでも原発巣が頭頚部だと思うのならT0(N1M0)とする。
解説: 要するに検査しなかったときはTX,、検査しても腫瘍が見つからなかったときはT0。
ただし、線引きは難しいときがある。例えば、胃生検でGroupV、胃癌として胃切除を行ったのに、切除標本で癌が見つからなかったとき、これはTXかT0か?
術後検索で見つからなかったわけだがpT0にもpTXにもならない。
生検の診断を病理医が間違えているというケースはさておき、一掻き癌としてcTis/pTisとなる。(sigやporなら、pT1/cT1)。ただし日本のがん登録では現状cT1/pT1。
1.6 Positive Cytology
If peritoneal washing cytology, taken before any other procedure during laparotomy is positive, how do I stage the patient? Grossly visible peritoneal metastases were not found. Is it considered a form of peritoneal metastasis and thus stage IV?
Positive cytology on lavage of the peritoneal cavity performed during laparoscopy or immediately after opening the abdomen (beginning of laparotomy) corresponds to M1 (except for tumours of corpus uteri, ovary and fallopian tube). Newer data suggest that the worsening of prognosis indicated by positive lavage cytology may have been overestimated. Thus it seems important to analyze such cases separately. For identification of cases with positive cytology from pleural or peritoneal washings as the sole basis for M1, the optional addition of "cy+" is recommended, e.g. M1(cy+) and in the R classification R1(cy+) may be used。
質問:開腹後直ちに行った腹腔洗浄細胞診が陽性で、肉眼上腹腔転移は見つからなかった場合、Stageはどうなる?StageIVか?
回答:腹腔鏡で、あるいは開腹後直ちに行った腹腔洗浄細胞診は陽性であれば、M1(例外は子宮体癌、卵巣癌、卵管癌)。新しいデータは予後悪化因子としての腹腔洗浄細胞診陽性所見は過大評価かもしれないとしさしている 。よって、そのようなケースは分けて解析できるように、腹水洗浄細胞診陽性だけがM因子である場合にはM1(Cy+)と、R(=断端)因子である場合にはR1(Cy+)と記載することが推奨される。
解説:腹水洗浄細胞診陽性というのは確かに重要な予後因子だ。しかし、肉眼やXpで明かな転移がある症例に比べたら、予後に与える影響は乏しい。抗癌剤が発達してきた現在ならなおさらだ。
と言うわけで、分けて解析する必要があるし,これからは可能性が増していくだろう。
Stagingに大切なのは、『どこに腫瘍があるかという真実』ではなくて、『どれだけ予後に影響があるかというodd』であることは言うまでもない。
もちろん、腹水洗浄細胞診陽性と言うだけで術中にStageIVと判断して切除を断念することが正当化されないことは言うまでもない。