台湾で開催された「東アジアインクルーシブ都市ネットワークEA-ICN)ワークショップ」
前回のつづきから、2日目・3日目の様子をお伝えします。
(☆1日目の様子はこちら)
《2日目》
ワークショップ
テーマ:「インクルーシブ都市のためのソーシャル・イノベーション」
●午前中は賃貸住宅に関するソーシャル・イノベーションのセッション
公営住宅、空家オーナーへの取り組み、コーポラティブハウス、コリビングハウス、テンポラリーハウスなど
●午後は、都市再生のためのソーシャル・イノベーション
集落保存、都市防災、高齢化対応、コミュニティエンパワメントなど
台湾、韓国、香港などから地域での取り組み事例の紹介とともに、メインテーマをめぐる論点が展開されました。
大阪市立大学大学院文学研究科
佐伯大輔准教授
「地域住民を対象とした防災教育プログラム」
住民を対象に開発された防災プログラム「コミュニティ防災教室」についてお話しいただきました。
《2日目》
ワークショップ
テーマ:「インクルーシブ都市のためのソーシャル・イノベーション」
●午前中は多様性のためのソーシャル・イノベーション
ホームレス、障害者、精神疾患のある方、移民など
●午後は経済のためのソーシャル・イノベーション
社会的事業、コミュニティビジネス、協同経済など
株式会社えと菜園
小島希世子代表取締役
「農を食と職に―小さい農の現場からはじめる未来への挑戦」
働きたいけど仕事がない人や、働くことに一歩踏み出せずにいる人などと人手不足の農業をつなげる取り組みについて紹介されました。
《まとめ》
東アジア諸国のいずれの地域も、生活困窮者や社会的困難に陥っている人に対して、行政が供給している住宅数は明らかに不足しています。
そしてそれを補う形で、民間団体をはじめとする支援団体が居所を提供するだけでなく、各種の様々な福祉的支援も合わせて提供している実態が発表を通じて明らかになりました。
また同時に、これらの人々が社会から排除される傾向にあることも理解できました。
都市部では特に困窮者は可視化されず、見えないもの、理解できないものとして社会から退けられています。
エスエスエスでは、取り組みの一つとして「エスエスコラム あなたの知らない社会」を定期的に発信しています。
自分たちの周りにも困難を抱えている人がいることを社会に発信することは、困難な状況にある人々を「可視化」させ、多くの人にその存在を認知させることができます。そしてそれが誰も排除されない社会づくりに寄与できることを強く願っています。
【参加報告者 NPOSSS 東京支部 石川幸太】
〈創造一個不排除人的社會=「誰も排除しない社会を創る」〉