【代表 鈴木宏典のコラム】キャッシュの急激な減少が有事の経営判断を焦らせる! | 浜松の会計事務所 税理士法人SS総合会計のブログ

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前回の経営理念のお話の前に、今回はより早く皆様にお伝えすべく、弊社代表のコラムをお伝えいたします。

 

ーーーーこれまでのコラムーーーー

 

【代表の豆知識】経営とは何か?

【代表の豆知識】なぜ今経営理念なのか?

【代表の豆知識】腹落ちした経営理念を作るには?〈前編〉

【代表の豆知識】腹落ちした経営理念を作るには?〈後編〉

 

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新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、中小事業は非常に苦しい状況にあります。これは、まさにリーマンショック以上の不景気が来るのではないかという恐れすらあります。

 

そんな時だからこそ、我々SS総合会計では、必至に資金調達を社長に進めております。別のコラムでも書きましたが、有事の資金対策は、とにかく手元のキャッシュを増やすことが大事です。

 

そのためには、国や県からの制度融資を活用して特別枠を目いっぱい使って借入を起こす。それもできるだけ早く起こしていく。そして、できるだけ長い返済期間で借りていく。「3年たったら返すと決めているからな!」とか言って勝手に3年といった短い期間にこちらから設定しないということです。

 

できるだけ長く!少なくとも10年以上の返済期間を設定して、3年で返せるようになれば、そのときに考えるが正解です。そして措置期間も目一杯使う。「一定期間返済しなくてもいいよ」と国が言ってるわけですから。優先順位が一番低いのは利息です。

 

 

しかし、ほとんどの経営者が利息を一番気にします。はっきり言います。利息は手元資金の減少にほとんど影響を及ぼしません。例えば3000万円に対する1%の利息は、年間30万円です。月額は2万5千円です。たったの2万5千円です。それで3000万円の資金が手元に残ると考えればかなり助かります。それよりも、10年返済を3年にするといったらどうでしょうか?年間1千万円の返済か300万円の返済になるのかの違いになるのです。手元資金の減少に1年間で700万円も影響してくるのです。利息=30万円と返済期間=700万円の違いです!どちらが優先かは一目瞭然ですよね。とにかく、有事の資金対策は、どんな手を使ってでも手元資金をできるだけ長く潤沢にしておくことが重要となります。

 

 

 しかしながらなんです!これだけ説明しても借入を嫌がる社長様はいらっしゃいます。自分達プロから見ても明らかに借入をしたほうが良いと思っているのにも関わらず借入を躊躇します。

 

1つの理由は、借入に対する過度の恐怖心があるからです。コロナによる不景気は、売上を半減させます。いや、それ以上の落ち込みが出てきます。そうなると、急激にキャッシュが減少していくのではないかという恐怖心が生まれます。借入をすれば、当然借入返済額も増えてくるので、余計に恐怖心が増してきます。返済額の多さから、借入はもう絶対にしない!もし返せなくなったら、連帯保証人である自分が自己破産して家も売って一文無しになる!という理論展開になってきます。もっと感情的になると「売上下がって赤字になるのに、これ以上借入したら、自分が自己破産して一文無しになる!」といった理屈にどんどん返還されていきます。かなり飛躍した展開です。

 

 

 このようになってしまうのは、未来のシナリオを見える化していないからなんです。まず、資金の話からしますね。究極、企業経営は、資金が枯渇したらアウトなんですね。ですから、運転資金が回らなくなったせいで、例えば手形や小切手に関して半年間で2回の不渡りを出してしまうと、銀行取引が停止となり、事業を継続する事が非常に困難な状態となるわけです。とにかく資金ショートを起こさないことが企業を継続する上でとても大事なことになるわけなのです。

 

 

それでも借入をしないということであれば、例えば売上が半減した場合に、融資を受けずにいったいどれくらいの資金が持つかシミュレーションしてみるといいと思います。例えば、製造業の場合に、売掛金や在庫をたくさん抱えている場合には、売上が下がると、逆に資金繰りがよくなることもあります。なぜなら、前に売上げた分の売掛金が入金されたり、在庫が減るとキャッシュに変わってくるからです。

 

 

しかし、持続化給付金とか、雇用調整助成金等は、申請が通ったとしても入金が遅れるため、気を付けなければなりません。

 

つまり、固定費はそのまま支出される期間が続くということです。そのように1つ1つの収支を資金繰り表に丁寧に反映させていきます。するとどうでしょう。役員報酬の削減や家賃の引き下げ等、色々な策を練ったとしても、半年、1年持つところは、本当に少ないのはないでしょうか。ゆえに事業をできるだけ長く継続させるためには、まずは、借入をめいっぱい起こしていくことが大事だということになります。