山本祥一朗の酒情報 -81ページ目

山本祥一朗の酒情報

山本祥一朗の酒情報

仲代達矢という俳優をご存じだろう。『用心棒』や『椿三十郎』などの黒沢明の作品で存在感のある役者だなぁという印象があったが、過日、その著作を読んでみた。

『老化も進化』(講談社)という本で、これはいわば自伝だが、なかなかよく出来ている。昭和7年生まれで、この本を書いたのは50数年の役者人生を経てからのことだから、70歳を越えていた。「無名塾」という役者志望の若者を月謝無料で育てたり、その塾を一緒に支えていた妻を早くに亡くしたりした経験を綴ってあるが、芝居を演じることで人を喜ばせ、感動させることに全力でぶつかっていく様が心を打つ。

芝居を見て感動するのは、演者に酔わされることである。優れた美術に感動し、文学に感動するように、演劇に感動するのである。これは受ける側が、いわば酔った状態になることだといってもいいのではないか。

前の西村隆治氏との対談の最後にもモスクワへ行った話をしているが、そんな昔でさえ、日本料理店がかなり多かったことを述べている。

ロシアといえばアルコールの強いウォッカを思い浮かべるだろうが、今ではアルコールはせいぜい40%程度のものがよく出ていた。ビールは昔は馬の小便などと悪口を叩かれたこともあったが、これも格段に内容がよくなって伸びている。

写真の左上は、商店街でカラオケのセールスのために歌っている女性。
右上は日本食材などを売っている店の中に掲げられた寿司の看板。
左下は酒の販売店のウインドウに並ぶ酒で、輸入ものも多い。
右下は「日本のラーメン屋さん」という看板のかかった食堂でとった鶏ソバで、これがその時の値段で900円。日本酒はジャパニーズ・ウォッカの表示で1合の三分の一ほどの徳利に入ったものが470円。1合なら1500円近くになる。輸入に日数がかかっているから、かなり老ねていた。

最近はどんな様子か、ツアーを組んで久しぶりに行ってみたいと思っている。

中国から帰った後に、たまたま『酒みづき』という雑誌で西村隆治氏との対談の記録で、下記はその一部分。同誌の総集保存版に対談の四分の一ばかりを載せたもの。ここでも誇るべき和食との組み合わせを語っているが、世界へ雄飛する兆しが見えて心強いかぎり。