今や、アングラ系雑誌とかエロ雑誌などで大活躍の東陽片岡さんですが、
ミニコミ書店『模索舎』によく通いつめていた頃、たまたま手に取ったのが、
東陽さんの個人漫画誌
『マルコメX』でした。
「ん?何で『マルコメX』なんだ?」と思われるかも知れませんが、実は、
『おゆき』の前に、『マルコメX』を出していて、それを創刊号で潰したのて、
『おゆき創刊号』は東陽さんの実質的な個人漫画誌第2号なのです!!
恐らくシャレのつもりなんでしょうね。
実は、mixiの2007年06月19日の日記でこれについて既に取り上げていたのですが、
mixiをやっていない方の為に、日記の内容を全て引用する事にしましょう。
ガロデビュー前の東陽片岡の個人誌 レア物シリーズ(1)mixi
(引用開始)
私の中でマイブームになった事が、
1~3年後位経ってから世間で流行り出すといった事が今まで何度もあった。
ここでは敢えてそれらについて述べない。
いずれ日記に書こうと思うけど。
話を本題に戻すが、1993年のとある日、「模索舎」というミニコミ書店としては有名な店に行った所、
非常に個性的な画風の個人漫画誌があった。
「マルコメX」という題名だった。
作者は東陽片岡さん。
まあ当時「マルコムX」という映画が流行っていたからね。
しか~し!!!!!!!
今思えば非常に悔しいのだが、気になってはいたものの、何故か買わなかったのだった。
それから暫くして「模索舎」に行くと、同じ様な画風だけどタイトルの違う個人漫画誌があった。
「おゆき」創刊号だった。
実質第2号なのだが、シャレのつもりなのか、「マルコメX」は1号で廃刊になったというわけだ。
こちらは買った。
毎号楽しみで、2号、3号と買っていったのだが、ある時突然手に入れにくくなってしまった。
東陽さんは、実は、色んな所に持ち込みをしていったものの「あなたの絵を見ると元気が萎える」とか、
そんな様な事を言われて断られまくっていたらしいのだが、「ガロ」に持ち込んだ所受け入れられ、
一気にメジャーになったというのだ。
これはしょうがないと思うのだが、世間というものは、才能があるかどうかではなく、
概ね有名かどうかでいいかどうかを判断する「ミーハー」で占められている、と思う。
また、メディアに携わっている者にとっては、お金になるから出来るだけ有名人を使いたいとは思うわな。
無名の時は見向きもしなかったくせに、有名になると逆にチヤホヤする。
こういうのは正直嫌いなのだけど仕方が無い。
東陽さんがメジャーになったと同時に、彼の個人誌が手に入らなくなってしまった。
こうなったのは非常に残念だけど、東陽さんの才能が認められてよかったと思います。
写真左・「おゆき」創刊号表紙、1993年5月発行
写真中・「おゆき」第2号表紙、1993年7月頃発行
写真右・「おゆき」第3号表紙、1993年12月発行
※因みに、表紙画像表示にあたり、東陽片岡様から電話で直々に許可を戴きました。
(引用終了)
ちょっとキツイ内容の文章ですいません。
まあ、出版社の人が断るというのは、致し方ないのかなあ、と。
採用するにしても、アクの強い画風という事もあり、アングラ系雑誌位しか似合わない。
ファッション誌なんかには絶対載せられない。
だから、大手が軒並み蹴ったというのは分かります。
『ガロ』がすんなり認めたというのも分かります。
採用する側も、もし起用して失敗したら責任取らされるかも知れないという事で、
迂闊に採用出来ないというのもあったんでしょう。
だから、しょうがないと思います。
何か、メジャーデビューしてしまった事で個人漫画誌が手に入らなくなったのは、
隠れ家的な店がグルメ雑誌で紹介されたせいで、
一見さんが殺到した状況に似てなくも無い。
でも、才能ある人はどんどん認められてメジャーになるべきだと思っているんで、
素直に嬉しいです。
それにしても、メジャーになったとたんに目を向けるという人の気持ちが
全く理解出来ません。
バカにするつもりは全く無いですけど、それって、動機が不純すぎる気がします。
知名度に関係なく、自分が面白いと感じればそれでいいんだと思うのですが。
まあ、私みたいな考えの人間は『変わり者』なんでしょうけどね。
『マルコメX』を買わなかったのは、本当に残念でしたけど。
あと、Blogで紹介するにあたり、特に東陽さんには連絡していません。
mixiの日記で取り上げる際に連絡しましたけど、それでいいんじゃないかって。
何か問題があれば、ご連絡を。
でも、電話した当時、PCは全くやっていないと言ってましたね。
今は知りませんが。
『おゆき』に掲載されている電話番号を掛けたら、ずっとその番号を使用しているようで、
東陽さん本人が出たのです。
で、お金の問題が発生しなければ別に構わないとの事なので、
Blogにも出したってわけです。
当Blogは、書いても一切お金にはならないので、大丈夫だとは思いますが。
最後に一言。
別に自慢しているのでは決してありません。
流行に囚われずに、自分が面白いと思うものに忠実に目を向けてきた結果を
公表しているだけです。
別に押し付けるつもりはありませんが、人に迷惑を掛けたり法に触れたりしなければ、
自分の内なる声に忠実に従うべきではないかと思います。
「キモイ」と罵倒されるのを恐れなければ。
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