中小企業の社外人事部 吉崎靖宏のブログ -11ページ目

中小企業の社外人事部 吉崎靖宏のブログ

1.企業の成長と従業員の成長を両立する懸け橋になります。
2.採用と定着・育成の仕組み作りを支援します。
3.リスクをコントロールし、モチベーションを上げる人事処遇制度作りに貢献します。

人事部29年の社労士 吉崎です。

 

政府と経済界による経済財政諮問会議で「会社員の兼業・副業促進」提言が出されたことはご存知だと思います。GDP600兆円達成策の一つとして、能力やスキルの高い人材が活躍できる場を拡大し、中小企業や地域企業における人材不足を軽減する。なおかつ、働き手としては複数のキャリアを積めるなどの観点から、兼業・副業を促進しています。仕事を複数掛け持ちした場合の雇用保険の取り扱いなどを改善して、ガイドランを示すべきとしています。

 

法律学者の間では問題点も指摘されていますが、それでもこれを推進しようというのは、経済界の声に押されて、現実的な判断をしたのでしょう。同提言ではもっともらしい言い方をしているものの、結局は1社だけで働いていても、今までのように満足させられる賃金を支払えないから、どうぞ兼業して稼いでください、ということですね。

 

同一労働同一賃金の議論を進め、最低賃金を1,000円に引き上げ、格差が是正できたとしても、全ての階層の賃金を引き上げることはかなり困難です。結局、中所得層の賃金が目減りして、総額は一緒になるということでしょうから、中所得層を満足させるには副業で稼いでもらうしかないということ

 

経済を活性化させて、賃金を増やす政策ですが、現実的でないことは分かっていて、早めに手を打っておこうということでしょう。

 

しかし問題は副業の仕方です。現在、多くの企業では就業規則で兼業を禁止しています。兼業禁止の就業規則の有効性を認めた裁判例では、「労働者がその自由な時間を精神的肉体的疲労回復のために適度な休養に用いることは次の労働日における誠実な労務提供のための基礎的条件をなすものであるから、使用者としても労働者の自由な時間について関心を持たざるを得ず、・・・以下省略」とされており、本業に支障が出るから兼業禁止は有効であるということです。

 

過重労働による脳、心疾患や過労死が問題になっているにもかかわらず、それを助長する政策を認めていいのか。副業を認める時間、日数を制限することになるでしょうが、本当に規制できるのか疑問です。もっと稼ぎたい、稼がなければ暮らしていけないという人に、歯止めがかけられるでしょうか?

 

結局求められるのは、働く人が自分にとって大切なことは何なのか、自分の生き方と真剣に向き合うことでしか答えは出ないと思います。自分の健康も人生も自分で守る。会社や国が決めることではありません

 

会社の言うとおりに働いてきたのに、リストラにあって生活に困窮するという前例を見ているはずです。他人事と思わないで、自分のキャリアを早く確立すること。働く人一人一人が就社意識ではなく、本来の意味での就職意識を持つことが必要だと考えています。

 

 

 

【ワンクリックお願いします】

にほんブログ村 士業ブログ 社会保険労務士(社労士)へ
にほんブログ村 にほんブログ村 経営ブログ 人事労務・総務へ
にほんブログ村

人事部29年の社労士 吉崎です。

 

今年から8月11日は「山の日」で祝日となりました。

 

国民の祝日に関する法律(祝日法)では「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨としています。法律の趣旨はともかく、一般的には、休みが増えるということで喜んでいる方が多いようです。

 

会社の休日を、土曜日、日曜日、祝日、その他(夏期、冬期)などと決めている場合は、当然休みが1日増えることになります。

 

総労働時間削減は国の国際公約であり、あの手この手で労働時間削減策を打ち出してきます。その一環として、年次有給休暇の取得促進が進まないのであれば、祝日を増やして労働時間を削減しようということです

 

今後も祝日が増えることを前提に考えると「祝日=休日」という規定を変更すべきです。既得権があり、不利益変更になりますので従来の休日を変えることは難しいでしょうから、山の日以降に制定された祝日について、会社の休日としないで、年次有給休暇取得促進のため計画年休として労使協定を結び、有給休暇として会社一斉休日にするのです

 

従業員にとっては休めることに変わりはなく、会社経営サイドとしては「年休が取れない」という不満を和らげるためにも有効です。

 

土日祝日と夏休み冬休みを入れると125日程度の年間休日があり、年次有給休暇を100%取得すれば145日もの年間休日を消化できる中小企業は少ないでしょう。年次有給休暇の取得率が50%を超えない状態が続いていますが、一部の大企業を除いて「年休どころではない」というのが実情です。

 

政府は年休取得促進を目指して、年休取得を義務づける政策を打ち出すかもしれません。何より「年休が取れない」という従業員の不満が大きくなってしまえば問題になります。

 

所定休日を増やし、年次有給休暇の取得率も上げて業績を落とさないということは、相当な困難を伴います。せっかく計画年休が労基法で認められているのですから、これを使わない手はありません。早めに手を打つことをお勧めします

 

 

【ワンクリックお願いします】


にほんブログ村 にほんブログ村 経営ブログ 人事労務・総務へ
にほんブログ村

人事部29年の社労士 吉崎です。

 

若者雇用促進法によって、新卒求人のルールが変わっています。以前(6月27日)のブログで固定残業代の明示について触れましたが、同じ法律によるものです。

 

ハローワークでブラック企業の新卒求人を拒否!という新聞記事をご覧になった方もいるでしょう。大卒は自由応募が中心で影響は少ないでしょうが、高卒求人をしている企業には気を付けるテーマです。

 

具体的には労働基準法、最低賃金法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法に違反があり、繰り返し是正勧告を受けている企業について、新卒求人を受け付けないことになりました

 

長時間労働による不払い残業などで是正勧告を受けているにもかかわらず、支払い能力がないといった理由で改善していない場合は求人ができなくなります。

 

いわゆるブラック企業をなくすためには入口(求人)を規制して、ブラックのままでは企業存続させないということです。「他社もやっている」とか「労働法を全部守っていたら会社は存続できない」などと言って改善しないと、大変なことになります

 

慌てて違法状態を改善しても、その後6か月間は求人受付してくれませんので注意が必要です。

 

また、新卒求人を行う場合は、応募者からの求めに応じて平均勤続年数や残業時間などの職場情報を開示しなければならないというルールも義務化されました。

 

具体的な情報提供項目は次の通りです。

 

①募集、採用に関すること

 

・過去3年間の新卒採用者数・離職者数

 

・過去3年間の新卒採用者数の男女別人数

 

・平均勤続年数

 

②職業能力の開発、向上に関すること

 

・研修の有無と内容

 

・自己啓発支援の有無と内容

 

・メンター制度の有無

 

・キャリアコンサルティング制度の有無と内容

 

・社内検定制度の有無と内容

 

③企業における雇用管理に関する状況

 

・前年度の月平均所定外労働時間の実績

 

・前年度の有給休暇の平均取得日数

 

・前年度の育児休業取得対象者数、取得者数(男女別)

 

・役員に占める女性の割合と管理的地位にある者に占める女性の割合

 

となっています。如何でしょうか?

 

若者の就労支援、女性の活躍推進など一億総活躍社会実現のために、国は着々と進めています。中小企業だから関係ないとは言えなくなります。早く手を付けて、できるところから準備を始めることが、企業生き残りのための対応だと考えます。

 

 

【ワンクリックお願いします】

にほんブログ村 士業ブログ 社会保険労務士(社労士)へ
にほんブログ村 にほんブログ村 経営ブログ 人事労務・総務へ
にほんブログ村