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経営者向け60秒ブログ

北九州市内で社会保険労務士の仕事をしています。このブログは中小企業の経営者を応援するために書いています。そのほか、自分自身の勉強のためと、社会保険労務士の業界振興のためにも書いています。

 今後、人口減少が深刻になってきます。人口減少というのは社会が縮小することであり、あらゆるマーケットの縮小を意味します。そして、多くの企業にとって、売上げが減少することを暗に示しています。人口減少については未来予想などではなく、すでに起こった未来といってもいいくらいで、議論の余地はありません。仮想通貨が値上がりするとか値下がりするとか、そんな博打のような、期待を込めた未来予想などではありません。人口構造については急激な変化は起こりえないため、望むと望まざるにかかわらず、社会は縮小し、企業の淘汰も進んでいくといえるのです。

 そし企業の淘汰は、売上げ確保以上に労働力確保の優劣でより顕著になることでしょう。今後、労働力の確保は経営者にとって重要性を増してきます。

 

 ・・・ところで社員数についてはしばしば初対面の相手とも話されます。「何のお仕事ですか?」「会社はどちらにあるんですか?」「社員さんは何人くらいいらっしゃるんですか?」といった具合です。社員数が多ければ、立派な企業ですし、少なければそれなりの企業と言う印象です。社員数の多さはその組織の大きさだけでなく、強さを示しているように感じるのは私だけではないはずです。しかし事実とは異なります。

 

社員数が多い → それだけの経費がまかなえる売上げがある? → 社会にそれだけ貢献している?

 

という予測をしているに過ぎません。実際、社員を多く抱える大企業の倒産劇など何度となく目にしてきました。赤字続きで倒産する会社もあれば、社会を欺いて信用を失って倒産する企業もあります。社員数の大きさに関係ありません。

 

『組織は、社会、経済、個々の人間に対して、なんらかの貢献を行うために存在する。活動の成果は組織の外に表れる。社会、経済、顧客に対する成果として表れる。企業のあげる利益にしても、それを生みだすのは顧客である。内部にあるものはコストセンターにすぎない。』(ドラッカー、マネジメント[エッセンシャル版])

 

 社員が多いことはそれだけコストがかかっていることを意味するだけです。組織の存在意義は組織の外にあって、内にあるのはコストのみだといえます。

(昨日に引続き)

■ スマートフォンの普及は労使の関係を変える

 

 経営者の優位性についてはいくつか挙げてみましたが、1つ目の依存度については社会の変化に伴い変化することが考えられます。実際にいまや労働力は売り手市場です。労働力人口は減少し1年に1%ずつ減少するといわれており、2060年にはピーク時の半分になるとも言われます。企業は今後、人手の確保で苦しむことになりそうです。企業経営にとって労働力確保の重要性が高まってくると、必然的にその依存関係も変化をみせはじめるでしょう。

 

 スマートフォンの普及により経営者と労働者の関係は大きく変化すると考えます。スマートフォンの世帯保有率は2010~13年で10%→60%に急増しています(図表6-2-1-1 情報通信端末の世帯保有率の推移、(出典)総務省「通信利用動向調査」)スマホは従来の携帯電話よりも操作性に優れており、またPCよりも手軽にネットにつなげることができます。スマホは手軽な情報発信ツールであり、また情報の受信ツールでもあります。この情報の発信・受信のツールが市民の手に広がったことで、企業の情報もよりオープンになっていくでしょう。

 

 すでに『転職会議』や『Vorkers』などの企業のクチコミサイトが誕生しており、在職者や以前勤めていた社員がその会社の内情を暴露していたりします。まだ誕生したばかりなので、企業に対する批判的な書き込みが多く、人によってはウサ晴らしのような書き込みもあるなど問題もあります。しかし、複数の書き込みが同じ内容であれば、信憑性も高まりますし、いずれ書き込み内容も取捨選択され、信頼できる情報のみが残ることでしょう。そうなると企業も無視できないようになってくると思います。

 

 例えば、飲食店の評価サイトも、情報の信頼性などさまざまな問題を抱えているにせよ、世間の『実際どんなお店か知りたい』という期待を十分満足させているように思えます。就職場所を選ぶのと友人との食事場所を選ぶのはわけが違います。『実際どんな企業なのか知りたい』という期待は、飲食店の評価サイト以上でしょうし、遅かれ早かれ世間に広まるものと思っています。

スマホの普及は3年で6割に達しましたが、インターネットサービスの普及はスマホなどのモノの普及よりもずっと早いことは想像に難くありません。このような企業評価サイトが普及すれば、企業は求人票の採用条件以上に、職場の充実に気を配る必要が高まることでしょう。

 

 求人票では残業ナシと書いていたのに、実際には残業は毎日あるとか、大手だからと信用して入ったが、派閥があって人間関係がめんどくさい職場であるとか、実際に働いてみないとわからない情報が公開されていきます。そうなれば今までのような博打のような転職ではなく、ある程度下調べをした転職も可能になります。わざわざ平日にハローワークに行く必要もなく、求人情報をネットで探して、その求人の会社を評価サイトで調べれば、転職が容易になるでしょう。そして、オープンになった情報のもと転職先を探すようになれば、労働力はより流動的になっていくと予想できます。

 

 こうなると経営者と労働者の人間関係も変化していきます。労働者としてみれば、今働いている職場にしがみつく理由も薄れていきます。そもそも企業の平均寿命が23年といわれており、労働者の生涯勤務年数40年(大卒から定年まで)とを比較しても、生涯に最低1回は転職しそうなものですし、転職も特別なイベントではなくなってくるのではないでしょうか?

 

人口減少とスマホの普及で経営者と労働者の関係が変わる!?

 ● 企業は人手不足で苦しむ

 ● スマホの普及は企業の情報をオープンにする

 ● 情報がオープンになることで、ブラック企業は追い詰められる

 ● 労働者の経営者に対する依存度は低くなっていく

(昨日に引続き)

 

■ なぜ経営者は労働者より立場が上なのか?

 

 私は労使の力関係がなにを根拠にしているのか知りません。つまりなぜ労働者は経営者(使用者)に対して弱い立場に立たされるのか?という疑問です。不勉強を棚に上げ、勝手に想像してみます。

たとえば社員100人の会社があるとすると、経営者と一社員の関係は次のように理解できます。1日会社を運営するために必要な労働力は100人だとします。100人いる社員のうち1人の社員に対しての必要性は1/100、つまり1%しかありません。換えはいくらでもある状態です。

一方の社員は副職無しの独身であれば、家計の収入のすべてを会社に依存しますので、依存する割合は100%になります。会社から捨てられたときのダメージは絶大です。

経営者は一社員に対して1%依存して、社員は経営者に対して100%依存するのであれば、依存度の高い社員は経営者の顔色を見がちになるのも無理ありません。言い換えれば、会社は社員の替えがきくが、社員は会社の替えがきかないという関係が、依存度の関係であり、お互いの力関係につながっている、と言えます。

 

それから、一度そういった上下関係が社会に根付くと根拠とか関係なく、その関係が慣習として維持されるという側面もあると思います。われわれ現代日本人からすれば異常に感じることも、昔は許容されていました。古代ハンムラビにおいて、自由人、一般人、奴隷と分けられ差別されていたり、インドのカースト制度がバラモン、クシャトリヤ、ヴァイシャ、シュードラと身分を分けて差別されていたり、日本においては士農工商の身分に分かれていましたが、それはそれで社会の秩序を保っていました。経営者は偉くて、労働者が弱い立場にあるということに特別根拠がなくても、一度、慣習として広まるとその慣習自体がその上下関係を強固にしていくという側面もあるものと思います。

それから経営者についてはまったく根拠なく、偉いというわけではありません。経営者は組織運営で最も重要な立場にあります。経営者は昨日と同じ仕事を求められません。常に変化する社会に対して、先手を打って組織全体の方向性を示すという大切な役割を担っています。

 

なぜ経営者の方が労働者より強いのか?

●営みの依存度(たとえば会社→社員1%、社員→会社100%)

●社会的慣習によるもの(みんながそう振舞うから私もそう振舞う)

●経営者独特の役割によるもの(責任の重い仕事がある)

 

当たり前のようになっていますが、本当のところ、労働者より経営者が偉いというのは何を根拠にしているのでしょうか?またその力関係は磐石なものなのでしょうか?