スマートフォンの普及は労使の関係を変える | 経営者向け60秒ブログ

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北九州市内で社会保険労務士の仕事をしています。このブログは中小企業の経営者を応援するために書いています。そのほか、自分自身の勉強のためと、社会保険労務士の業界振興のためにも書いています。

(昨日に引続き)

■ スマートフォンの普及は労使の関係を変える

 

 経営者の優位性についてはいくつか挙げてみましたが、1つ目の依存度については社会の変化に伴い変化することが考えられます。実際にいまや労働力は売り手市場です。労働力人口は減少し1年に1%ずつ減少するといわれており、2060年にはピーク時の半分になるとも言われます。企業は今後、人手の確保で苦しむことになりそうです。企業経営にとって労働力確保の重要性が高まってくると、必然的にその依存関係も変化をみせはじめるでしょう。

 

 スマートフォンの普及により経営者と労働者の関係は大きく変化すると考えます。スマートフォンの世帯保有率は2010~13年で10%→60%に急増しています(図表6-2-1-1 情報通信端末の世帯保有率の推移、(出典)総務省「通信利用動向調査」)スマホは従来の携帯電話よりも操作性に優れており、またPCよりも手軽にネットにつなげることができます。スマホは手軽な情報発信ツールであり、また情報の受信ツールでもあります。この情報の発信・受信のツールが市民の手に広がったことで、企業の情報もよりオープンになっていくでしょう。

 

 すでに『転職会議』や『Vorkers』などの企業のクチコミサイトが誕生しており、在職者や以前勤めていた社員がその会社の内情を暴露していたりします。まだ誕生したばかりなので、企業に対する批判的な書き込みが多く、人によってはウサ晴らしのような書き込みもあるなど問題もあります。しかし、複数の書き込みが同じ内容であれば、信憑性も高まりますし、いずれ書き込み内容も取捨選択され、信頼できる情報のみが残ることでしょう。そうなると企業も無視できないようになってくると思います。

 

 例えば、飲食店の評価サイトも、情報の信頼性などさまざまな問題を抱えているにせよ、世間の『実際どんなお店か知りたい』という期待を十分満足させているように思えます。就職場所を選ぶのと友人との食事場所を選ぶのはわけが違います。『実際どんな企業なのか知りたい』という期待は、飲食店の評価サイト以上でしょうし、遅かれ早かれ世間に広まるものと思っています。

スマホの普及は3年で6割に達しましたが、インターネットサービスの普及はスマホなどのモノの普及よりもずっと早いことは想像に難くありません。このような企業評価サイトが普及すれば、企業は求人票の採用条件以上に、職場の充実に気を配る必要が高まることでしょう。

 

 求人票では残業ナシと書いていたのに、実際には残業は毎日あるとか、大手だからと信用して入ったが、派閥があって人間関係がめんどくさい職場であるとか、実際に働いてみないとわからない情報が公開されていきます。そうなれば今までのような博打のような転職ではなく、ある程度下調べをした転職も可能になります。わざわざ平日にハローワークに行く必要もなく、求人情報をネットで探して、その求人の会社を評価サイトで調べれば、転職が容易になるでしょう。そして、オープンになった情報のもと転職先を探すようになれば、労働力はより流動的になっていくと予想できます。

 

 こうなると経営者と労働者の人間関係も変化していきます。労働者としてみれば、今働いている職場にしがみつく理由も薄れていきます。そもそも企業の平均寿命が23年といわれており、労働者の生涯勤務年数40年(大卒から定年まで)とを比較しても、生涯に最低1回は転職しそうなものですし、転職も特別なイベントではなくなってくるのではないでしょうか?

 

人口減少とスマホの普及で経営者と労働者の関係が変わる!?

 ● 企業は人手不足で苦しむ

 ● スマホの普及は企業の情報をオープンにする

 ● 情報がオープンになることで、ブラック企業は追い詰められる

 ● 労働者の経営者に対する依存度は低くなっていく