SPSS備忘録 -53ページ目

*.spoファイルは出力ファイルであって、保存ファイルではない。

SPSSのバージョンアップの経験がありますと、ファイルの互換性が問題になります。毎年バージョンアップしているので考えればキリがありません。


いままでサポートに問い合わせたことを自分なりにまとめると、


データファイル(拡張子*.sav):互換性がある。SPSS12.0から13.0にかけてデータ内で使える文字数が増えたが、これ以降で作成したデータファイルをこれ前のSPSSで開くと、文字が上限で欠けた状態で読み込むことが出来る。


シンタックスファイル(拡張子*.sps):ファイルとしては互換性がある。ただしあくまで開いたり編集できたりというレベルでの話で、このバージョンまでに廃止されたコマンドや、このバージョンではまだ存在しないコマンドを実行しても、当然エラーになる。


出力ファイル(拡張子*.spo):互換性は考慮していない。機能が変更されていないもので作成されたものは前後のバージョンで扱うことが出来るが、少しでも機能が変更されているとそれが原因で開けなくなる。特にSPSS12.0から採用された現行のグラフは、それ以前のグラフのある出力と分断するものである。


ということで、分析結果だけ残してバージョンアップすると、あとで「開けない!」と泣くことになります・・・。再現させたい場合は分析データとシンタックス を残して再実行しましょう。


思うに、SPSSは*.spoファイルのことを「出力ファイル」とは呼んでおりますが、「結果保存ファイル」とは呼んでおりません。それがすべてなのでしょう。SPSS for Windowsで作成した表やグラフは*.spoファイルとして活用するのではなく、WebなりMicrosoft Officeなりに貼り付けるもので、*.spoファイルは「仮の置き場所」なのだと思います。SPSSビューアのメニュー[ファイル]→[エクスポート](またはオブジェクトを右クリックして、[エクスポート])でHTMLやMicrosoft Office、PDFファイルなどに出来ます(オブジェクト単位の場合は)ので、「都度、エクスポート」を心がけるのが本当の使い方なのかもしれません(それなら辻褄があいます)。


エクスポート

AMOSの紹介を簡単にする

知人に「AMOSが出来る共分散構造分析を簡単に紹介するにはどうすればいい」と尋ねられることがあります。


知っている限りでは、ここ が一番まとまっていると思いますので、これを紹介すればいいでしょう。SPSSのホームページにあるAMOS7.0の説明を初心者が理解するのは無理だと思います(きっとこの分析を知らない人が、既存の資料をまとめたのでしょう)。


具体的には、AMOSのディレクトリにある「C:\Program Files\AMOS 7\Examples」のサンプルを見せながら説明するのが良いでしょう。


「Ex01.amw」のように観測変数を「←→」線で結んで共分散をみることで、SPSSでも出来る相関分析が出来ます。


相関分析


これに「Ex04.amw」のように特定の観測変数を従属変数と見立てて、他の観測変数から「→」線で結ぶことで、SPSSでも出来る線型回帰分析が出来ます(他の観測変数が独立変数になります)。


線型回帰分析


「Ex08.amw」のように実際にはデータにない潜在変数から観測変数へ向けて「→」線で結んで、SPSSでも出来る因子分析が出来ます。観測変数から潜在変数に線を向けると主成分分析ですね。


因子分析


これらを複合的に組み合わせて同時に分析させることはSPSSでは出来ません。これがAMOSのメリットであり、共分散構造分析です。


共分散構造分析


4月5日の記事 で一度実行してみておりますので、こちらも参考にしてください。

シンタックス

今までさらりとシンタックスを使ってきましたが、シンタックスをご存知でしたでしょうか?


シンタックスは、昔SPSSがコマンドベースのソフトだったころのコマンドです。もっともダイアログ方式になってから昔はなかった機能が出来ているので当時とはだいぶ変わっているとは思いますが・・・。このシンタックスは今のバージョンでも残されております。


SPSSのメニュー[ファイル]→[新規作成]→[シンタックス]からSPSSシンタックスエディタを起動し、シンタックスコマンドを入力して、SPSSシンタックスエディタのメニュー[実行]より命令を実行します。


シンタックスエディタ


いちいちコマンドとして入力するのは面倒と思われると思いますが、SPSSの各ダイアログには[貼り付け]というボタンが用意されており、このボタンをクリックするとこのダイアログで設定した内容をもれなくシンタックス化してくれます。


貼り付け


また、4月24日の記事 のとおり出力にもシンタックスを書き出すようになっており、これを写して利用してもよいでしょう。4月10日の記事 のようにジャーナルファイルとして残されている今までのログもシンタックスとして利用できます。


同じ処理を繰り返すなどの場合はダイアログを何度も立ち上げるよりシンタックスの記述をコピーして手直ししたり、シンタックスによるマクロを設定した方が早いです。6月13日6月14日 の記事のようなバッチ処理もシンタックスで行います。また3月17日の記事 のようにシンタックスのみ用意されている機能もあるため、ぜひシンタックスを活用してください。