皆様、先日のイベントへのご参加及び、
英国視察関連記事にお付き合いいただき、
誠にありがとうございます。
さて、視察団メンバーでありSpringスタッフの私は、
ファンドレイザー視点で今回の視察報告をしようと思います。
(ファンドレイザーとは、簡単にいうと、自団体の魅力を分析/発信し、
様々な方法で資金調達をするプロフェッショナルの事を指します。
詳しくは、こちら。)

イギリスで、まず驚いた事。
それは「イギリスにはNPO団体がない」という事です。
(nonprofit organization:民間の、営利を目的とせず社会的活動を行う団体。)
そして、どの団体にもファンドレイザーが在籍し、
積極的に国や民間から資金調達をしているそうです。
もちろん日本で使われる「NPO」の定義とイギリスでは異なる部分がありますが、
いつものように「NPO」という言葉を使ってお話しすると、
「非営利でどうやって活動をするんだい?」といったような顔をされました^^;
日本だと、国際協力系団体がNGOという印象が強いですが、
イギリスにおける民間組織の会話では「NGO」という言葉が使われていました。
(non‐governmental organization :政府間協定によらずに設立された国際協力組織。非政府組織)

(上記団体ウェブサイトはこちら。)
Springと似たようなアドボカシー活動をしているNGOも訪問しました。
こちらは法的支援も同時にされており、2016年設立にかかわらず
立派なオフィスがありスタッフが数名従事されていました。
ほとんどの民間団体は、国の補助金・民間の寄付金を組み合わせ活動をしています。
その予算規模は、レイプクライシスセンターのような性暴力被害者支援1団体でも、
なんと、1億円を超えます。それでも、被害者へのケア体制は不十分だそう。
なお、それらとは別に国の保健サービスとして設置されている
性暴力被害者救援センター(SARC)の予算規模は、9億円を超える。
(一方、日本では…内閣府ホームページによると、
昨年度は1億6300万円で37都道府県に交付。単純計算で1ヶ所約440万円…。。)
詳しくは、10月23日付 毎日新聞を参照。
しかし、イギリスは緊迫財政と言われています。
これから迎えるEU離脱の影響も想定され、補助金等は減額される可能性があります。
そこで「じゃあ、規模を縮小しましょう」とはならず、
「被害者を社会が支える」という考えのもと、
頼りは市民・民間企業なのです。
今後はよりファンドレイザーの力が問われることになるでしょう。
Springは、在英邦人の皆様のご協力のもと、ロンドンでイベントを2つ経験しました。
トークイベントとチャリティーコンサートでは、
市民に根付くチャリティーやボランティア精神を肌で実感し、
多くを学ばせていただきました。

イギリスの寄付市場は、1兆5,000億円前後(GDP比 0.54%)
日本は、7,700億円前後(GDP比 0.14%)
ちなみにアメリカは、30兆円超え(GDP比 1.44%)
色々な社会背景がありますが……ぶっちぎりです。
(日本の寄付市場をもっと知りたい方は、こちら。)
日本では毎年800億円以上発生する休眠預金を、
社会課題解決の為に活用しようという制度化の動きも
いよいよ実現目前まで来ています。
日本は、まだまだ可能性があるということですね。
参考までに…
Springのようなアドボカシー団体でも、年間これくらいはかかるのです!

また、コストの話でいうと英国視察で出会った弁護士さんから聞いたところ、
先日英ガーディアンの記事には「レイプのコストは内務省試算で一件£96,000」と出ていたそうです。
日本円で、約1,392万円/件(£1=145円換算)レイプ「1件」あたりです。
この問題に本気で取り組まなければ、こんなにも社会的損失に繋がるんですね。
*性被害者を社会的に支援しないと・・・
→経済活動へなかなか復帰できないことで生じるコスト(税収減などの連鎖)
*加害者を社会的に罰し、再犯防止教育を徹底して実施しないと・・・
→再犯率がとても高いと言われる、性犯罪。ということは、被害者が何人もうまれ続けることを意味します。
「再犯防止教育の機会は捕まった時」と聞きますが、立証ハードルが高い日本では、
そもそも加害者を罰することや、更生の機会を与えることも困難な状況。
などなど。
日本では、まだ公的な算出されていないのですが、おそらくもっと高い算出になるのではと思います。
是非とも算出をしていただきたいところです。
ファンドレイザー視点だと、お金の話ばかりになってしまい恐縮ですが、
「早急に解決しなければならない課題があること」
「それに取り組む志高い人々がいること」
この2つがあって、お金という手段が必要だという事を、最後にお伝えさせていただきます。
Springも皆様から、より応援していただけるよう、引き続き頑張ります♪
▼お問い合わせ先:一般社団法人Spring事務局
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