毎日同じ時間
同じ車両で見かける


栗色の髪に
大きい目の男


俺がいつも同じ場所に立つのとは違って

席を転々としている
でも
どこに座っていても彼の視線を感じる


最初は気にもとめなかったものも
毎日視線を感じればさすがに気になるもので


(また見てる…)


視線を悟られないよう
窓から様子を窺う


(俺になにかあんのかな…)


彼につられたのか何なのか
俺まで彼の存在が気になるようになった


今日はどこの席に座ってるか
近いか遠いかとか

俺とふいに目が合うと恥ずかしそうに俯くとか


(何だ…)


気づけば
あいつが俺の近くに居ると嬉しくなって

席が遠いと
俺の近くに座るやつに腹をたてていた


不思議な感覚
声を聞いてみたくて
言葉を交わしてみたくて
心が疼く

この気持ちを何て言えばいいのか分からないけど


(次に席が近かったら声かけてみようかな…)
毎日
同じ時間、同じ車両、同じ場所に立つ


長めに伸ばされたハニーブラウンの髪を外にはねさせた

ぷっくり唇の男の人

いつもの場所に立ちながら

外をぼんやりと眺めている


毎日毎日同じ光景
何度見ても飽きない


俺は男の人よりも早く電車に乗るせいか
いつも座席に座れる

男の人を見たくて
一番近い席を狙うけど
なかなか座れなくて


『今日も後ろ姿か…』


きっとあの人は
俺の存在になんて気づいてなくて

背景の一部として流されてしまってる



こっち見てくれないかな…

1日に何十本と走る電車の

何両も連なる車両で出会えたのは
本当に奇跡だと思う


だからこそ







『あ、あの…』


俺が勇気を出せたのはもう少し後の話
ぽかぽかと暖かいお日様に

ふわふわ浮いてるような感覚


瞼が重くて仕方ない


『ふわぁ…』


噛み締めきれなかった欠伸は
俺の意識と一緒に青い空に飛んで行った


「ひつー?」


ぽかぽかと暖かかったお日様は傾いて

ふわふわ浮いてるような感覚は弾けた


『ん…ぅ』


いまだ重たい瞼を押し開けば


「風邪ひくよ?」


お日様に負けないくらい
温かい笑顔


『…起きぅ』


「ほらしっかりしてよ寝ぼすけさん」


『むぅ…』


「でも
こんなに暖いと眠くなるね」


『ん…』


「だからと言って
仕事はさぼれないからね
さ、行くよ」


寝ぼけ眼を擦ろうとすれば

咲人の叫びと共に腕を取られた


「顔、ぐちゃぐちゃになるよ」


『あ…』


今自分は
撮影中でフルメイクなことを完全に忘れていた


春は危険に満ちている


『ふわぁ…』


「柩~口閉じて」


スタッフさんにまで注意されたし


『春は誘惑ばっかりだ』
「ずっと…
ずっと待ってたのにっっ」


『何を?』


「わかんないの?!」


『言わないとわかんないよ』



「うぅ…
今日何月何日?」


『4月3…あ。』


「新弥も柩も祝ったのにっ」


(新弥も俺も黄泉が勝手にしたんじゃない)


「俺はほったらかし?」


『ごめんね黄泉…
今から何かしよっか』


「何するのさ」


『黄泉のやりたいことしよう?』


「…何でも?」


『何でもする!!』


「じゃあ柩とヤりt」


『調子のるな!!
もう黄泉なんて知らないっ』


「あぁあぁぁんひつうぅうぅぅ!!」







ほんと、忘れちゃってごめんww
4月1日
せっかくなんで嘘をついてみましょう←


『流鬼なんて…嫌いっ』


「俺は戒くんのこと愛しちゃってんだけど?」


『うぅ…
ごめんなさいぃっ』


「俺に嘘つくなんて100年早ぇんだよ」


うぶい←


「俺、柩のこと嫌いなんだよね」


『そう…なんだ
俺は咲人のこと好きだったのに…』


「ほんと?!
嘘だよひつっ!!
今日はエイプリールフールだよっ」


『そうだね咲人、今日はエイプリールフールだね』


「だからっ」


『嘘だよvV』


「良かっ…
うわあぁあぁあ」


小悪魔柩←


「Naoさんなんか嫌いだよ!!」


『奇遇だね~
俺も沙我君大っ嫌い!!』


「ふふ
今日はエイプリールフールだよ
Naoさんったら
両想いだったんだね!!」


『俺、エイプリールフールにかこつけて嘘つくなんて嫌なんだよね
だから嘘じゃないよvV』


「そんなあぁあぁ」


『沙我君のばーか』


酷いww



「可哀想な人がいるんだなっ」


「見てはいけません!!」


「ぎゃははだっせぇ」


「ひつ…」


「Naoさん…」




哀れすぎるwww