毎日
同じ時間、同じ車両、同じ場所に立つ


長めに伸ばされたハニーブラウンの髪を外にはねさせた

ぷっくり唇の男の人

いつもの場所に立ちながら

外をぼんやりと眺めている


毎日毎日同じ光景
何度見ても飽きない


俺は男の人よりも早く電車に乗るせいか
いつも座席に座れる

男の人を見たくて
一番近い席を狙うけど
なかなか座れなくて


『今日も後ろ姿か…』


きっとあの人は
俺の存在になんて気づいてなくて

背景の一部として流されてしまってる



こっち見てくれないかな…

1日に何十本と走る電車の

何両も連なる車両で出会えたのは
本当に奇跡だと思う


だからこそ







『あ、あの…』


俺が勇気を出せたのはもう少し後の話