Tada's blog -3ページ目

恋教え鳥(こいおしえどり)

【神様に教えたことは】

ますは日本書紀より、日本の国を創った神様のお話から。
 伊邪那岐〈いざなぎ〉と伊邪那美〈いざなみ〉の二人の神様は、結婚したものの、どうしたら子供ができるのかわからなかったそうです。その時、鶺鴒〈せきれい〉が飛んできて、交尾を始めたそうです。それを見て、二人も無事結ばれました。めでたし、めでたし。
 このことから、鶺鴒は、恋教え鳥とか恋知り鳥と呼ばれるようになりました。
 教えたのは、恋ではないような気もしますが、当の鶺鴒、つがいになれば相手を変えず、大変仲がいいそうです。もしかしたら、本当の恋の秘訣も知っているのかもしれません。
 長い尾を持っていて、この尾をよく振る仕草が石や庭をたたいているように見えるところから、石たたき、庭たたきとも呼ばれます。
 それにしても、この鳥がいなかったら、私たちは存在していたのでしょうか?

竜胆(りんどう)

【苦い思い出も】

 青紫の美しい花なのに、ものものしい漢字を書くものです。
 実は、根が漢方薬として利用されるのですが、とっても苦いのだそうです。
竜の胆のような味だというので、この名がつきました。といっても、竜の胆の味を味わったことのある人など、誰もいませんよね。きっと、最上級の苦さを竜の名を借りて表現したのでしょう。そのまま音読みした「りゅうたん」が変化して、「りんどう」になりました。
 葉が、竜葵〈りゅうき〉(犬酸漿〈いぬほおずき〉)に似ているからとか、同じく苦い生薬、熊胆〈ゆうたん〉からきているという説もあります。
 良薬口に苦しといいますが、苦い思いも、心にはよい薬になるのかもしれません。苦い思いの後にはきっと、竜胆の花のような、美しい花が咲くことでしょう。

夜の帳(よるのとばり)

【やさしい夜の闇】

 帳は、部屋や寝所などを仕切るために垂れ下げる布のこと。いわば、カーテンです。
 語源は「戸張り」で、戸の代わりに張るものという意味です。
 静かにおりてくる夜の闇は、自分たちの周りと他とを仕切ってくれる、気のきいた帳といえますね。
 明かりが照らし出すささやかな空間も、夜の帳があってこそです。
 夜の闇といえば暗い途方に暮れる一面を、夜の帳といえば静かに包み込んでくれる一面を、ひきたたせているようです。
 夜の帳の中で、人々は憩いの時や団欒の場を持っていますよね。
 脳は、朝、活動したがっているといわれ、夜は安らぎを求めるそうです。
 そのような脳で過ごす夜のひと時を大切にしたいですよね。