竜胆(りんどう) | Tada's blog

竜胆(りんどう)

【苦い思い出も】

 青紫の美しい花なのに、ものものしい漢字を書くものです。
 実は、根が漢方薬として利用されるのですが、とっても苦いのだそうです。
竜の胆のような味だというので、この名がつきました。といっても、竜の胆の味を味わったことのある人など、誰もいませんよね。きっと、最上級の苦さを竜の名を借りて表現したのでしょう。そのまま音読みした「りゅうたん」が変化して、「りんどう」になりました。
 葉が、竜葵〈りゅうき〉(犬酸漿〈いぬほおずき〉)に似ているからとか、同じく苦い生薬、熊胆〈ゆうたん〉からきているという説もあります。
 良薬口に苦しといいますが、苦い思いも、心にはよい薬になるのかもしれません。苦い思いの後にはきっと、竜胆の花のような、美しい花が咲くことでしょう。