今月の「エソテリック・ヒーリング基礎講座」で扱っているテーマからの文章を、紹介しています。
基本的には、『秘教治療』にある文章は(そちらで紹介しているので)扱わないようにしているのですが、なぜか昨日の「人種」、今日、そして明日扱う「戦争」の文章は、『秘教治療』からのものが、多く載っています。
『秘教治療』、アリス・ベイリーの著作の中でも意外に、社会問題を多く扱っているテキストだったようです。
それだけ、個人の健康と社会の健康は、密接に関係している、ということなのでしょう。
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現代医学は今日、偉大な成功を遂げている。
そのため、科学的な素養のなかった昔ならば、死亡していた多くの人々が――感知しないまでも――生命を維持している。
この技術と知識の発達と肉体機能の治療能力が今日、大きな世界問題を生み出している。
この成功に伴って起こる難問を一つだけ挙げるならば、惑星上の人口過剰という問題がある。
これが人類の過密生活とその結果としての経済問題を引き起こしている。
この「不自然な」生命維持が多くの苦悩の原因になり、惑星ロゴスのカルマ的な意図にそぐわない戦争の大きな源になっている。
この広大な問題をここで論じることはできない。
私はこのことを示すだけである。
それは、死に対する恐怖が消え去り、人類が時間の意義と周期の意味を学んだとき、解決するであろう。
それは、真の占星学的な研究が実を結び、自分がこの外的世界からいつ旅立つかを知り、「撤退」の技術と自分自身を肉体の束縛から意識的に抜き取る方法が修得されたとき、簡単に解決できる問題になるであろう。
しかし、そのためにはまず多くの研究がなされなければならない。
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『秘教治療』のテキストで、前後も含めた長い文章を読んでいるとあまり気づかなかったのですが、こうやって切り出されてコンパクトにまとめられたところだけを読むと、とんでもないことが語られていますね。
医学の進歩が、(カルマに介入して)必要以上に寿命を伸ばした結果、
経済問題から戦争にいたる原因にもなっている、ということ。
厳密な因果関係を見つけて証明することは難しいとしても、確かにそういった要素がありうることは、否定できませんね。
環境問題もそうですが、正しい人間観、哲学に基づかなければ、科学の進歩に基づくまったく正しい技術と思えるものであっても、一方で大きな社会問題を引き起こす可能性がある、ということ、再度、深く検討しないといけないですね。
このテーマが、第二次世界大戦のころ、まだ本格的な人口爆発が起きる前に扱われていた点にも、注意してください。