蘭のブログ -50ページ目

変身

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2005年

脳に損傷を受け、世界初の脳移植手術で一命を取り留め昏睡状態から覚めた成瀬純一(玉木宏)。
記憶を一切なくしていたが、だんだん昔のことを思いだしてくる。その記憶の中にあるのは
自分を愛してくれた葉村恵(蒼井優)との幸せな日々だった。
退院し純一の生活も徐々に以前と同じように戻ってくる。純一はもともとは絵を描くのが好きで、
穏やかな性格だったが、術後性格がだんだん変わってきたことに気が付く。
すぐにかっとなり殺意を抱いてしまうのだ。次第に純一は自分の脳の移植にまつわる秘密を
知るようになる。


東野圭吾さんの小説の映画化です。
玉木さんが好きなので見たのですが、原作は読んでいません。
映画としてはまとまっているのでそれなりに面白いと思いました。
玉木さんはハンサムなので、こういう恐ろしい役をやると、怖さがさらにつのります。
ジュード・ロウみたいだ…。

世の中に腹をたて、狂暴な性格の元の脳の持ち主、京極瞬介(松田悟志)。
純一の脳は彼の脳に次第に乗っ取られていきます。
「アルジャーノンに花束を」に似ていると思ったのですが(似ているのは脳が変わっていくところ
だけでしたが)、この映画の結末はなかなか辛いものでした。

恵が、どんなに純一につらく当たられても一途に彼を思う気持ちを持ち続けるのが不思議だったの
ですが、そこは原作にはしっかり書かれているようです。

理系出身の東野さん、サスペンスも科学が入っていて面白いです。
やっぱり原作読まなきゃ…。

華氏911

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2004年 アメリカ 

「戦うジャーナリスト」ことマイケル・ムーア監督によるブッシュ批判のドキュメンタリー映画。

前半はブッシュ政権への批判を、色々なフィルムの過去の恥ずかしいシーンを継ぎ合わせることで
示していきます。見ているとアメリカは何とばかばかしい人を大統領に選んだのか…と思ってしま
いますが、これも映像を通しての感情操作の一つではあります。
後半はイラク戦争への批判になりますが、戦争することの理不尽さを、息子を失った家族への取材
を通して訴えていきます。しかしこちらは紛れもない事実であり、正義のための戦争などあり得な
いのだということを再認識させられました。

「極貧の町に住み、最悪の学校へ行き、底辺で生きる人々。彼らはその上の階層の社会を守るため
に率先して命を差し出す…」というナレーションは真実を言い当てているように思います。
ムーア監督が上院議員たちに「自分の子供をイラク戦争に送ってはどうか」と提案しますが、誰一人
として賛成する人はいませんし、実際彼らの中で子供がイラクに派遣されている人は一人だけなのだ
そうです。
小泉元総理が「日本はブッシュ大統領に全面的に協力する」と宣言した時に、私も小泉さんの息子の
孝太郎氏をイラクへ派遣すると想像してみたら、総理も違う結論に達したのではないかと思ったもの
です。子供を危険な地域へやりたいと思う親などいないのですから。

この映画はムーア監督が「ブッシュ再選を阻止するために作った」と公言しているように、見方とし
てはかなり偏ったものではあります。この映像を全て鵜呑みにするのもいけないのではないかと思い
ますが、伝えられている報道をそのまま信じてしまうのではなく、ちょっと待てよ、と一歩引いて疑
ってみたり違う方向から確かめてみることも必要なのだと思いました。
この映画を見てからは、今まで斜め読みだった新聞の国際政治欄をいつもより熱心に読むようになり
ました。

「階級社会は貧困と無知を土台にのみ可能となる。
 戦争の正当性は常に書き換えられる」  ・・・G・オーウェル






バタフライ・エフェクト

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2005年 アメリカ 

初期のごく小さな差異が、将来的に大きな違いを生じるというカオス理論を使い展開されていく
サスペンス。表題は「一羽の蝶が羽ばたくと地球の裏側では竜巻が起きる」という譬えで表され
た有名な言葉。

少年時代エヴァンは記憶の一部を喪失する「ブラックアウト」をしばしば起こしていた。彼は精神科
医の勧めで毎日日記を書くようにしていた。エヴァンが13歳の時、ある事件が起こり、幼馴染のケイ
リーと離れ離れになってしまう。「必ず君を迎えに来るから」というメッセージを残して…。やがて
大学生になり穏やかに暮らしていたある日、ふと幼い頃の日記を手にとる。すると突然13歳の時の
記憶が甦ってきた。その後のケイリーの運命を知ったエヴァンは過去に戻って彼女を救おうと考える。
大人になったエヴァンをアシュトン・カッチャー、ケイリーをエイミー・スマートが演じる。

エヴァンはケイリーを幸せにしようと過去に戻りもう一度過去のやり直しをします。
現在に戻ると一度は良くなったかのように見えるのですが、結局また最悪の事態に陥ってしまいます。
それでまた過去の違う場所に戻り過去を修正していくのですが…。
色々試みるケイリーを救う方法はどれもうまくいかず、最後に彼が選んだ修正箇所は…。

サスペンスなのであの描き方になるのでしょうが、映像が美しくなく見ていてあまり気持ちがよく
ありません。エヴァンもなんとも容貌がすっきりせず好きになれなかったのですが、ラストのビジ
ネスマン姿の彼はとても清潔できれいでした。
はじめからあの姿でも良かったのではないかしら…。

オフコースの「あなたに会えて本当によかった♪…」という歌がありますが、この映画は「あなたに
会わなくて本当によかった…」という出会わないことの幸せ、仲良くならなかったことの幸せ、
で終わります。
全てをチャラにしてしまうようなラストで、それはないんじゃないのと少し納得のいかない終わり方
ではありました。



これを見終わって、ハインラインの私の大好きなSF小説「夏への扉」の一節を思い出しました。

「僕の息子の時代になってタイムマシンが完成したら、あるいは息子は行きたがるかもしれない。
 しかし、決して過去へは行くなと言おう。未来はいずれにしろ過去に勝る。」