華氏911 | 蘭のブログ

華氏911

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2004年 アメリカ 

「戦うジャーナリスト」ことマイケル・ムーア監督によるブッシュ批判のドキュメンタリー映画。

前半はブッシュ政権への批判を、色々なフィルムの過去の恥ずかしいシーンを継ぎ合わせることで
示していきます。見ているとアメリカは何とばかばかしい人を大統領に選んだのか…と思ってしま
いますが、これも映像を通しての感情操作の一つではあります。
後半はイラク戦争への批判になりますが、戦争することの理不尽さを、息子を失った家族への取材
を通して訴えていきます。しかしこちらは紛れもない事実であり、正義のための戦争などあり得な
いのだということを再認識させられました。

「極貧の町に住み、最悪の学校へ行き、底辺で生きる人々。彼らはその上の階層の社会を守るため
に率先して命を差し出す…」というナレーションは真実を言い当てているように思います。
ムーア監督が上院議員たちに「自分の子供をイラク戦争に送ってはどうか」と提案しますが、誰一人
として賛成する人はいませんし、実際彼らの中で子供がイラクに派遣されている人は一人だけなのだ
そうです。
小泉元総理が「日本はブッシュ大統領に全面的に協力する」と宣言した時に、私も小泉さんの息子の
孝太郎氏をイラクへ派遣すると想像してみたら、総理も違う結論に達したのではないかと思ったもの
です。子供を危険な地域へやりたいと思う親などいないのですから。

この映画はムーア監督が「ブッシュ再選を阻止するために作った」と公言しているように、見方とし
てはかなり偏ったものではあります。この映像を全て鵜呑みにするのもいけないのではないかと思い
ますが、伝えられている報道をそのまま信じてしまうのではなく、ちょっと待てよ、と一歩引いて疑
ってみたり違う方向から確かめてみることも必要なのだと思いました。
この映画を見てからは、今まで斜め読みだった新聞の国際政治欄をいつもより熱心に読むようになり
ました。

「階級社会は貧困と無知を土台にのみ可能となる。
 戦争の正当性は常に書き換えられる」  ・・・G・オーウェル