蘭のブログ -46ページ目

東山君の「覇王別姫」

東山紀之クンが蜷川幸雄さんの演出で「覇王別姫」の蝶衣役をやるとの発表がありました。

蝶衣は映画「さらば我が愛~覇王別姫」でレスリー・チャンがやった京劇での女形役者です。



これは映画を見ましたが、中国の戦時下の激動の時代が舞台で、時代に翻弄されながらも
京劇を何より愛する蝶衣と小樓の悲劇の物語です。

蝶衣は小樓を愛する同性愛的な表現もあり、なかなか難しい役どころです。

スチールを見ると、流石ヒガシクン。とても綺麗でした!
これは顔がぽっちゃり系だったレスリー・チャンより綺麗…といっても過言では無いでしょう!
絶対見に行かなきゃ。
(しかし、内山里名との破局と抱き合わせに報道するのはやめて欲しいものです)


ところで小樓は誰がやるんだ?



来年3月9日~31日まで、シアターコクーンで。




あるいは裏切りという名の犬

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2004年 フランス  監督:オリヴィエ・マルシャル



若い俳優たちが活躍する映画が多い中で中年男性がピカリと光る活躍をする映画でした。

長年積み上げた実績と経験でこなしていくプロの仕事はやはり見応えがあります。

仕事仲間をなにより大切にするBRI(探索出動斑)のレオ(ダニエル・オートゥイユ)と、それと
は対象的に自分の出世を一番に考えるBRB(強盗鎮圧斑)のドニ(ジェラール・ドパルデュー)。
もともと仕事上で対立する職場に属する二人は友人でありながら現場での仕事ぶりは全く違います。

ドニは功績を焦るあまり失策に出てしまい、レオの親友エディ(ダニエル・デュヴァル)を死に至ら
しめてしまいますが、決して自分の不利にならないように上手く立ち回ります。

二人の対立はレオの妻カミーユ(ヴァレリア・ゴリノ)を巻き込み、彼女の死さえ自分の都合のよい
ように作り替えるドニに、見ていてやり切れなさを感じます。
ドニは自分に従う部下は重用し出世させますが、異を唱える者は排除していくという誠に合理主義的
な人物であり、どこの社会でも出世していく人というのはえてしてこんな人なのでしょう。

しかしこの映画ではそんなドニの人生を、小気味良いまでの、誤解による報復の銃弾を浴びせること
により幕にします。

派手なアクションだけに留まらずどっしりと重厚で硬質な警察物に仕上がっていて見応え充分です。
レオは妻の死にも涙一つ見せませんがかえってそれが見ているこちらの涙を誘います。
そのあたりの演出も見事。

レオもドニも奥さんがとても美人で、二人ともとても素敵な家に住んでいます。フランスは警察官
の給料が高いのかしら…などと考えながら見ている私はホント嫌になるほど即物的…。





灯台守の恋

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2004年 フランス  監督:フィリップ・リオレ

1963年フランス、ブルターニュ地方の辺境の地、ウェッサン島に一人のアルジェリア戦争帰還兵
アントワーヌ(グレゴリ・デランジェール)がやってくる。辺境の地での厳しい生活に耐えるた
め、ここの住民たちは結束が固くよそ者を容易には受け入れない。
灯台守の仕事に就くためにやって来たアントワーヌだが、イヴォン(フィリップ・トレトン)
率いる灯台守の一団になかなか受け入れてもらえない。

物語はイヴォンと妻のマペ(サンドリーヌ・ボネール)の娘が母親の死後、かつて家族で暮らして
いた家を売却する手続きのため里帰りするところから始まります。その家で母親宛の本の包みを受
け取り、それを読んでいくうちに両親の過去がだぶってくるという二重構造になっています。

荒くれる海の中に立ち、激しく波を受ける灯台の描写が何度となく出てきます。
昼間は穏やかで美しい顔をしているのにすぐに嵐になり、厳しい自然の中で生活していかなければ
ならない人々の苦労とそれゆえの固い団結力がひしひしと伝わってきました。

イヴォンは一緒に仕事をするうちに段々アントワーヌを受け入れるようになりますが、それが逆に
排他的な仲間の反感をかってしまうことになります。
この朴とつなイヴォンがなんとも良い味を出しており、この映画全体を落ち着いたものにしている
と思いました。

マペは父親のアコーディオンを直して貰ったあたりからアントワーヌに惹かれていきます。
大人しく知的なアントワーヌも美しいマペから目が離せなくなります。
二人が食事の合間や仕事場でそれとなく見つめ合うシーンはドキドキしてしまいます。
アントワーヌがもうこれ以上は苦しくてマペとイヴォンの家に居候することはできない、というと
ころも…。

二人は独立記念日の花火の夜に結ばれ、マペは妊娠します。イヴォンは事情を知っていたと思いま
すが、不妊に悩んでいた夫婦は生まれてきた娘を自分たちの子どもとして大切に育てます。
このあたりのフランス人の感覚が「ぼくを葬る」でもそうでしたが、少々理解に苦しむところでは
あります…。

灯台での過酷な仕事(ちょっとした油断が命取りになるような)をこなしていくうちに、イヴォン
とアントワーヌの間には友情と信頼が生まれます。
この灯台での二人の様子を丁寧に描いたことで、この映画を三面記事的な不倫のスキャンダラスな
内容に終わらせることなく、むしろしっとりとした切ない物語にしているのだと思いました。