sphere

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自作歌詞・詩置き場。
’13ブログリより移転しました。

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止まったままの時間が
きりきり 動き出す
細い指が 螺子を巻いて
動き出す

懐かしいメロディ
途切れ途切れの音符
雑音(ノイズ)混じりの
僕と あなたの音

「あなたの指が紡いでいた
大好きだった あの唄を
ずっと ずっと 奏でてあげる」
私がそばにいるからって
確証のない約束を
ずっと ずっと 忘れないで

止まったままの時間が
かたかた 流れ出す
黒と白から 金の櫛
聴こえなくなった音


あなたが忘れないのなら
あなたの そばにいるのなら
あなたが ここにいるのなら
僕は それでいいよ

自己満足だなんて
そう言って目を伏せないで
あなたの時間は止まらないで
僕を置いて 流れて
止まらないで


「あなたの指が紡いでいた
大好きだった あの唄を
ずっと ずっと 奏でてあげる」

「あなたの時が止まっても
私の音が止まっても
ずっと ずっと 奏でられるように」

壊れて朽ちてしまうまで
響いていて








数年ぶりになりました。お久しぶりです。

ちょっとした時間にふと思い出して書いた詞ですが、折角なのでこちらでも公開します。

タイトルド直球の、オルゴールの話。
音を失って楽器を手放した彼と、大好きな唄をオルゴールにして彼の代わりに奏でようとした彼女の話です。

オルゴール、1度は自作に憧れますよね。

では、またいつか。


扉の隙間から零れる
薄明りだけを頼りに
彼女は今日も 
紙の上に 
血を吐くように 綴る

「わたしは何も悪くないの
誰も傷つけてなどいないの
わたしをたくさん傷つけた
あなたたちが 悪いの」


時計の針が軋む音
ペン先と紙が擦れる音
紙の上に水が落ちる音

それだけの部屋で


「同じ」じゃなきゃいけないのですか
「違う」ことは 罪だとでも言うのですか
わたしは わたしに 嘘をついて
それが「正しい」のですか


扉の隙間から零れる
光が 部屋を満たす頃
彼女はひとり
窓の外の
朝焼けを見つめ 目を閉じる


「ああ また今日が 始まってしまった
一体 あと何回 繰り返すのだろう
終わらせ方くらい 知っているはずなのに

もう とっくに疲れたのに


「わたし」を 殺せば いいのですか
「みんな」に なれれば良かったのでしょうか
他に合わせて回る 歯車みたいに
ひとつしか知らない方が
みんなが言う「しあわせ」だったのでしょうか


ねえ
わたしは
誰でもないんだよ
わたしは
わたしで
誰でもないんだよ



「同じ」じゃなきゃいけないのですか
「違う」ことは 罪だとでも言うのですか
わたしは わたしに 嘘をついて
それは「わたし」なのですか




























隔月投稿にしているつもりはないのですが、気づけば9月も終わりです。

毎度申し訳ありません。kouです、お久しぶりです。


今回は「集団の中にある自分」というか、そんなような詞です。

自分はそれこそ小学生のころから感じていたのですが、何人かのグループでいて、自分以外の全員が「これはこうだ」「皆でこうしよう」と言ったら、そこで自分が反対する意見を言った途端にそのグループの中で「異質」なものとして認識され、距離を置かれ、そこまでいかなくても場の空気が悪くなったり、まるで自分が異なる意見を言ったことが「悪」だというように思えてしまう、そんな経験はないでしょうか。

その状況をものともせず、自分の意見をしっかりと主張できる と自信満々に言える方ももちろんいると思います。
でも自分はそうではない人間でした。今もそうです。集団の中で自分が浮いてしまうことを避けようと、周りに合わせて行動しようと必死になっていた時期もありました。

ただ、それははたして自分にとって「正しい」ことなのか。
歌詞の中にも書きましたが、「自分に嘘をついてまで、その中で生きていかなければならないのか」。
そういったことを考えながら、今回の詞を書きました。


自分はまだまだ未熟で、たかが20年弱しか生きていない人間です。考え方だってきっとこれからも変わっていくだろうし、自分を確固として保っているといった自信なんて欠片もありません。
それでも、これを読んだ誰かが、何か考えてもらうことがあればいいなと、漠然と思っています。


長くなりましたがこのあたりで。
感想お待ちしています。
僕にないものを君は持っていて
君はそれを棄てると言った
「いらないよ こんな人生なんて」


鼓動の音が 壁に絵を描く
そんな夢を見たんだ


必死に縋りつくことが
馬鹿らしく思えてしまうよ
僕には もう なにもないのに

存在している未来を
水底へ沈めてしまえるなら
代わりに 浮かんでいられるのに


嘘のような奇跡の上を歩く
そんな日々を 嫌いだと言った
「どうして」 「ねぇ どうして」

「それなら僕のかわりに、」


長い話をしよう ありもしない魔法の話を
それで少しは救われるだろう?
暗い夢を見ず 生きて行けるように
君の未来を僕にくれよ
いらないなら


必死に縋りついていたものが
ゆっくりと その音を弱めていく
僕には もう なにもないから

最後にこれだけ言わせてくれよ
僕は 君が 嫌いだ 嫌いだ
許さない


君にないものを僕は持っていて
僕は 棄てようとしていたこの手を

































同じものを持っていても、それを大事に大事に使う人もいれば、あっさり棄ててしまえる人もいる。
そういう話です。
なんとなく最低な話をしている気がします…。特に2番。

ニュースなんかを見ていると、「ありもしない魔法」があればいいのにと思ってしまいます。


でも、「あなたが棄てようとしているものを、ほしいと思っても手に入らない人もいるんだよ」って説得する人がいますね。
なんだか苦手なんです。それを「私には関係ない」と言うとたちまち「最低な奴だ」と罵られるのかもしれませんが、実際当人には何の関係もないのではないでしょうか。
そんな、(少なくとも私にとって)説得力を持たない文言は口にしたくないし、詞に入れるつもりもありません。
「手に入らない人」を目前にして初めて、少しでも説得力を持つ言葉だと思っているので。それでも響かない人も当然いるでしょうし、そんな人たちを非難するつもりも全くありませんが。

全体的に「苦い」詞だと思っています。感想お待ちしています。
下弦の月の 濁った金色
水蒸気を透かして 君が映る
頬に伝う雨の滴を
左手でそっと 拭って

終わりのない夢を 見ているような
ループする毎日に怯えながら
思い出したように 呟く
「あぁ ●●●●●」

もういないよ
僕には
神様なんて
君 なんて

無責任に望んだ心を
一方的に求めた愛を
「裏切られた」なんて言えるものか
わざとらしく晒した傷口は
醜く腫れるばかりだ

深く濃い霧の中で 君が
「たすけて」と泣き叫ぶ声がした
無理だよ 届かないよ この手は
「さよなら 君 きみ」

もういないよ
僕には
神様なんて
君 なんて

もうここから
出て行かなきゃ
早く 逃げなきゃ

ぼくはきみになってしまう

無責任に望んだ心を
一方的に求めた愛を
「こんなはずじゃなかった」
もう 黙ってくれ

君を壊したのは僕で
僕を壊したのは誰?

「たすけて」

下弦の月の 濁った金色
水蒸気を透かして 影が映る
頬に伝う雨の滴を
震える左手で 拭った





















無責任な期待は、時として凶器になる。
そんな話。

「大人の言うことは正しい」
「この人は優しいから、きっと助けてくれる」
「このバンドはまさに自分のことを歌ってくれる」

などなど、勝手に期待していると、いざ結果がそうでなかった場合、まるで自分が裏切られたような気持ちになる。
でもそれって、期待した自分が悪いんじゃないか。そう思うことがあります。

そしていざ、自分が「期待される側」になったとき、その恐怖を知る。
お願いだから自分にそんなものを上乗せしないでくれ、そう言いたくなる。

そういう気持ちを上手く表せているといいのですが。

ちなみに、●●●●●の部分は「(死にたいな)」で歌ってくださいませ。
本文に書いているのは「歌詞カード」のつもりなので表記していません。
こういう仕掛け、好きなんです。



ではでは。感想お待ちしています。
夜の色を着て
きみが笑うから
僕はその隣で
手を繋いでいよう

忘れたくないと
きみが泣くから
僕はその隣で
背中に触れていよう

「あいたい」の4文字を
煙に溶かして 吐きだした
横顔に 見えない色が
静かに伝う

拭った指先は
ちいさく 震えていた

夜の色を着て
きみが笑うから
僕はその隣で
手を繋いでいよう

忘れたくないと
きみが泣くから
僕はその隣で
背中に触れていよう

もういいから
もういいから


沈んだ陽のひかりを追って
痛みは 遠く 

消えないままで

夜の色を着て
きみが笑うから
僕はその隣で
手を繋いでいよう

忘れたくないと
きみが泣くから
僕はその隣で
背中に触れていよう

もういいから
もういいから

もういいから
もういいから

目を閉じて。




















大して寝かせていない詞を実験的に投稿してみる、というテスト。

「あ、これ以上言わなくていいや」って思ってしまったので、同じ詞を繰り返しています。
構成的には変則(C→A→B→C→D→E→C→D、みたいな)になってます。

夜を着る、っていう言葉だけが浮かんで書き始めたのでタイトルもそのままこのフレーズを使っています、が、ひょっとしたら変えるかもしれません。

夜の色、忘れたくない、「もういいから」という言葉、あたりで書きたかったことが表現できているといいなあと思います。
改訂の余地が大いにあると思っているので、ご意見・ご感想、お待ちしています。