『看護学生のための社会福祉読本』の内容を一部公開しています。
『看護学生のための社会福祉読本』は、
「看護師国家試験」の「社会福祉士」と「介護福祉士」に共通する問題の解説を文章化したものです。
この2022年版では、第94~111回の過去18年間の看護師国家試験問題の中から
「社会福祉士」と「介護福祉士」に共通する問題を約1400問選んで、それを解説し文章化してあります。
ですから、この本を一通り読むと、社会福祉士や介護福祉士と共通する過去18年間の看護師国家試験問題
約1400問を体験したことになります。
さらに、第100~108回の過去9年間の保健師国家試験問題990問のうち
統計学の計算問題等を抜いて800問程度、文章化して加筆してあります。
「看護師国家試験」と「保健師国家試験」の受験生の方に活用していただけると嬉しいです。
今回のテーマは、「国民健康・栄養調査」です。
国民健康・栄養調査
国民健康・栄養調査は、身長、体重、腹囲、血圧、食生活、運動習慣、睡眠時間、飲酒、喫煙、歯の健康等に関する生活習慣全般等の調査項目があります。調査は任意の1日で、都道府県別に比較されます。
この調査によると、朝食の欠食率が高いのは、男女とも20歳代です。塩分摂取量、喫煙習慣者の割合、BMIの平均値も国民健康・栄養調査で把握されます。
運動習慣のある者の割合が最も高い年齢階級は、男女とも70歳以上です。運動習慣は、身体機能に免疫力の向上をもたらす効果があります。「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」でも、高齢者が参加している活動の割合が最も多いのは、「健康・スポーツ」でした。
日本人の食塩摂取量の目安は、男性9.0g未満、女性7.5g未満ですが、約7割の男女がそれ以上摂取しています。1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満の割合が最も高く、男性34.5%、女性34.7%です。
BMIとは、体重(体格)指数のことで、体重÷身長÷身長または、体重÷(身長×身長)で算出される体重(体格)の指標です。標準は男性18.5~27.7、女性は16.8~26.1です。これ以上少ないと「やせ」、多いと「肥満」ということになります。乳幼児の体型バランスを測定するには、カウプ指数を用います。{体重÷(身長×身長)}×10で計算します。
「やせ」の割合が高いのは、男女共20歳代です。逆に肥満の割合が高いのは、中年の男性と高齢期の女性です。男性における肥満者(BMI≧25.0)の割合が最も高い年代は、50歳~59歳です。メタボリックシンドローム (内臓脂肪症候群)が強く疑われる者の割合も、男性では50歳代、女性では70歳代が最も高くなっています。40歳代男性の肥満者の割合は30%程度、50歳代男性で35%程度です。
学童期の肥満は成人期の肥満に移行しやすく、生活習慣病のリスク因子となるので要注意です。肥満度20%以上で肥満傾向児と定義されます。女子より男子が、低学年より高学年が多くなっています。学童期における肥満予防では、カロリー制限より栄養バランスを優先するべきでしょう。
国民健康・栄養調査によると、喫煙の習慣がある者の割合は年々減少しています。現在男性約29%、女性が約8%です。糖尿病が強く疑われる人は約1,000万人もいます。
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