金閣寺と幻の天鏡閣制作 完成 |  Kyotoから創造するARTBOX45°

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 歴史的建造物の模型・ジオラマなど当時の情景を蘇らせることに日々励んでいます。

こんにちは。宗秀斎でございます。

金閣寺と幻の天鏡閣ジオラマが遂に完成いたしました!

やっと待ちに待った金閣寺と天鏡閣再現模型完成の日がきました。前回ブログでもご紹介しましたが、先日に鏡湖池の乾燥待ちでようやく完全乾燥に至り、その後に撮影しました。

約2ヶ月間という長い制作期間を隔てて、色々ありましたが自分としては満足のいく再現模型ができたのではないかと思っています(^_^)

振り返ると、前作の桂離宮の江戸時代創建時再現ジオラマと同様に失われた建築物を再び蘇らせたいという強い思いから始まったわけですが、ただ観賞用だけでなく、少しでも歴史資料、美術的観点から見る作品として残ってくれればという夢と希望に燃えた作品でした。模型もARTだと思います(^_^)
 
ブログをはじめて、はや一年が経ちました。早いものです(・・;)
思えばブログを始めたキッカケも三渓園聴秋閣の模型を作っている人を探しているという方のブログ(随分前にブログは辞めていらっしゃるようです)を見て、じゃあ作ってみるかというのがキッカケでした。
今思えば、あの探しているという言葉、その方の意思を引き継ぐという気持ちになり心を動かされて今に至っています。
 
ブログとはこれほど人に何かのキッカケを与えてくれる大きな存在だと初めて気づいた瞬間でもありました。
この2ヶ月間、金閣寺と天鏡閣再現模型制作の過程を紹介してきましたが、お粗末ながら長い間このブログを読んでいただきましたことに感謝しておりますm(_ _ )m
今後も皆さんと一緒に楽しみながら共有しあえるブログを書いていきたいと心から思います。

重複となりますが、説明を踏まえて作品を改めて紹介していきたいと思います

金閣寺と天鏡閣再現模型作品詳細

 

テーマ内容

NHKで過去に放映された「歴史ドリームチーム 金閣の謎を解き明かせ」という番組で検証された資料を参考に再現しています。現在でも存在していた、いないと論争がある中で、当時の日記など幾つか天鏡閣の存在が明記されています。

金閣寺と天鏡閣空中回廊で繋がっていた。

天鏡閣の一層目は会所として室町幕府3代将軍、足利義満客人を接待する場で、その隣には自身の高価な美術品などのコレクションルームがあったこと。

二層目では金閣寺を見物しながら宴会などをする場所。

というのが天鏡閣の役割だったようです。

足利義満自身が天皇に近い存在になることを目指していたという話があります。

つまり金閣寺を創建するにあたり、義満が天皇を意識して京都御所に匹敵、またはそれに近い御所風の壮大な建築物を構想し、自分自身をアピールする。

いわば現代の大規模なテーマパークを作ったのではないか?

近年、金閣寺の発掘調査で北山大塔という日本史上一番高い七重の塔の痕跡が見つかったということで話題になりました。

そう考えると天鏡閣という存在について、義満自身が御所を意識して建築したとしても不思議ではない。

そういう意味で今回のテーマである天鏡閣再現模型を制作する意義はあったのだと思います。

恐らくですが、誰も挑戦したことのない再現ジオラマとして失われた幻の建築物の再現模型に挑みたいというコンセプトで進めてきました。希少性という意味でも自分自身の中で価値を見出せた作品ではないかと思っています。

金閣寺1/150の縮尺に合わせて、天鏡閣のCG画像や当時の伝承を元に想定間取図を制作、以前のブログでも紹介していましたが(金閣寺と幻の天鏡閣 制作2)当時の畳の長さから寸法を割出して、当時の日記など伝承を参考に間取図を制作し、このサイズに天鏡閣を木製で仕上げました。

サイズは33cm×48cm 高さ約16cmです。
前作の桂離宮模型サイズより少し小さいです。天鏡閣の縮尺は金閣寺1/150に合わせて制作してます。
ただ完全に正確というわけでないので、若干差異はあるのでだいたいの縮尺で割出してます。
そもそも確たる設計図が存在しないので想定計算するしかないんですけどね(;^_^A
文献資料などから参考にして間取図設計を立てて理想の縮尺にはなったのではないかと思っています。
 
今回初となるプラモデル使用ということで、フジミの金閣寺1/150模型キットと木製天鏡閣とのコラボレーションです。

木製の土台には漆塗りを施してます(^_^)黒光りがたまりません!

をより引き立てます。また当時、金閣寺も漆塗りで覆われていてその上から金箔を貼っていたとの検証がされていたので、漆も一つのキーワード。

額にもこだわりたかったので装飾金具を取寄せて使用しました。

ネームプレートも自作です。ステンレス板に文字を透明シートを印刷して貼っています。マテリアルにもこだわりたいところです。

 

空中回廊です。1層目と2層目が繋がっています。

池が乾く前の写真でスミマセン↑(・・;)お気に入りの写真だったので…
 
 

今回も前作の桂離宮の庭園制作同様に鏡湖池の制作にも力をいれました(^_^)

水藻を表現するため、深緑の濃淡を意識して塗装し、何層もリアリスティックウォーターとグレインペイントを繰返し使用しました。この乾燥待機時間が一番長かったです…(・・;)

水面が反射していて見えづらいと思いますが…僕はこの表現が好きなので今回もこのような作りでいきました。

これにほぼ完成まで時間がかかったので、早めに池の制作にとりかかるべきだったと反省してます…m(_ _ )m

ちょっとピンぼけしてる…スミマセンm(_ _ )m

元々、ライトを付けない方向と考えていましたが、せっかく金閣寺の金があるわけなので、光とマッチするのではないかと急遽取り付けました。

ライトアップを強調しているわけでないので、全体の雰囲気として使っているにすぎません。
真っ暗だとほんのり明かりが灯っているなぁというレベルです。
そんなに建物に光りがあたってません(笑)
あえてそうしたのは、先程も述べていましたが鑑賞用(インテリア)だけではないということが大きな理由です。
純粋に美術的歴史的視点から見て頂きたいと思ったからなんです。
おまけみたいなものですね(^_^)
 
以上、作品をざっくりですが紹介していきました。撮影画像も100枚以上とかなり多くなりまして…
紹介しきれませんでしたが、だいたいは掴めて頂けたのではないかと思っています。
 
今回で3作目となりました。
 
まだまだ技術的にも腕がない僕ですが、精度を上げるため日々の努力だと思っています。
 
皆さんに少しでも感動を与えられる作品を送り出して行きたいと思います。
 
早くも新作のテーマ構想を着々と進めております。

 

資料もおおかた集まったので、来週には紹介したいと思っています。

 

 
長い説明になりましたが、ここまで読んで頂きましてありがとうございました。
 
よい週末を!