宗秀斎です。
花粉症に悩まされながら本の執筆活動と模型製作に追われる今日この頃ですが、久々に休息も兼ねて滋賀県坂本にある西教寺へ足を運びました。
JR湖西線坂本駅へ降りて日吉大社近くにある日吉蕎麦を頂いた後、西教寺まで徒歩で約30分急な坂をひたすら歩くというか登るに近い道程。さすが坂本という地名だけあって急な坂が多いです。ここ最近、缶詰状態で運動不足解消にちょうど良いと思うようにしました。またランニング再開しないと健康診断に引っかかる💦
穴太積みの石垣。
中世城郭の石垣工法によくみられた坂本に本拠を置いていた石工集団、穴太衆による石垣は京都大原の三千院といった寺院仏閣にも採用されています。その優れた工法が採用され全国各地に広がっていきます。現在もその末裔の方が継承し石垣の修繕など携わっているとか。こうした伝統を維持し続けることは並大抵ではありませんが、今後も末永く伝えてほしいと願うばかりです。
西教寺へ到着。
Netflixでドラマ化されたイクサガミのロケ地だったようで嵯峨愁二郎の巨大フィギュアがお出迎えしてくれます。再現度が高い^^
西教寺客殿。
安土桃山時代に伏見城の御殿を大谷吉継が譲り受け移築したと伝わる中世の御殿建築様式を色濃く残す貴重な建築物。
今回、こちらへ赴いた理由は中世武家屋敷の再現模型を製作する計画を立てており、その参考にと十数年ぶりに客殿へ見学に行きました。以前に何度か訪問していますが、ちょうどゴールデンウィーク期間中に客殿内部の特別公開が催されるとのことでした。以前は室内もアクリルパネルかガラス張りだったか記憶が定かではないのですが、縁側から覗くことしかできず、室内が暗くてクリアに見ることができなかった印象があります。
しかし、今回の特別公開の肝は内部まで入室できる上に室内撮影可能という大変珍しいケースであったこと。また今年の大河ドラマに関連して明智光秀ゆかりの寺院ということもあり、実物の明智光秀肖像画も展示されていたので映像でしか見たことがなかった光秀の肖像画は見応えがありました。
明智光秀一族のお墓に手を合わせた後、じっくり見学することにしました。
豊臣秀吉上座の間や狩野永徳による襖絵と伝わる貴重な室内空間を初めて堪能することができ、中世時代の空気感を味わえる貴重な時間ともなりました。また建物一周室内へ組まなく見学できるのが嬉しい。思っていたほど建物自体はそんなに広くなく、中世屋敷の間取りを考えると安土桃山時代の御殿様式に当てはまる構造ではないかと思っています。
客殿裏側の庭園も立派で見応えがあります。
御殿建築模型を再現する上で落縁と広縁部分は見逃せない箇所。
縁側に座って苔を眺めながらここがこうなっているのか?とか色々考えながら建具の隅々まで撮影していました。この期間は観光客でごった返しているものだと思っていたのですが、比較的人も少なく余裕を持って見学することが何よりの救いでした。
板戸に描かれている虎の絵も中世武家の象徴的なモチーフを思わせます。
最後に琵琶湖が一望できる風景を堪能しながら帰路に着きました。
今後の武家屋敷製作の参考として束の間の休息。何度も足を運んでも飽きない古刹の風景でした。
ここから模型製作のお話へ。
以前から進めていた彩色による平成修理前の平等院鳳凰堂がようやく完成しました。
フジミ模型平等院鳳凰堂1/150を使用し、現在の修復された姿と逆行してそれ以前の修復前に遡った褪色感ある古刹の姿を彩色で再現するという試みです。この姿に懐かしいと思われる方も多いのではないでしょうか?時間が進むにつれその時代の空気感を立体化するというテーマを掲げて、修復前の姿を振り返ることで時間の流れを感じさせる模型にしたいと思い挑戦してみました。
板戸の表裏側や室内の阿弥陀如来坐像など写真を参考に模写のような感覚で彩色。
垂木の間の木口と呼ばれる箇所で割れや防腐対策のために白胡粉が塗られていますが、ここも忠実に屋根の軒下に塗られた白胡粉を塗装した後、垂木の褪色したベンガラ色を再現していきます。あまり見えにくい箇所ですが、ここまでやらないとモヤモヤしてしまうためか、省略せずできる範囲で彩色しています。
瓦屋根の質感もこだわりの一つ。一枚一枚置かれているような塗装表現に。こちらも色褪せた瓦の色味や質感にも追求しながら塗装しています。特に屋根部分は観賞する際に見下ろすので目立つ部分であるため見せ場でもあります。
こちらの作品は過去に何度か製作、記事にしていますので製作過程については割愛いたします。
過去のブログにていくつか詳細を記事にしていますので覗いてみて下さい^^
池の波立つ表現も意識して池底に敷き詰めた玉砂利の形を利用して自然な波の表現にしています。幾つか波の作り方はありますが、池や川底など比較的浅い箇所に関してはよくこの技法を利用しています。と言っても文章にすると伝わりにくいのでその工程を動画にあげた方がどういった仕組みになっているのか説明しやすいのですが…悪しからず💦
観音開きに工夫されているこだわりが伝わります。
褪色感の表現もやり過ぎると汚く見える印象を与えるので、いかに模型としての美しさと調和しながら彩色する匙加減が難しいところです。できるだけそのことも意識しながら忠実とは言え、見栄えとしての美しさも保持しつつ見せるか?がポイントだと思っています。
漆喰壁も少し褪色した感じに仕上げてみました。
左、右翼廊の丸柱や勾欄など褪色した木の質感の塗装もこだわりの一つ。
最後にベランダから屋外撮影をもって完成。
いかがでしたか?
平成修理前の少し過去に遡った時間の経過と懐かしさを感じさせるような彩色再現にこだわった平等院鳳凰堂模型。現在までその優美な姿に人々が魅了され続ける古刹の風景を模型に凝縮。少しでも古建築の魅力を発信し続けます!
長文ありがとうございました。
こちらの作品は現在、オークションにて出品中です。ご興味ありましたら是非、ご参加下さい↓





















































