物分かりの良い大人か?一言言える大人か? | 赤ちゃんから思春期の子育てまでトータルで応援する元保健室の先生のブログ

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● 物分かりの良い大人か?一言言える大人か?

 



こんにちは! 三浦真弓です。

ときどき、保健室の先生になったばかりのときのことを

思い出すことがあります。

授業に出たくない、やんちゃな生徒が

休み時間に保健室にやってきては、

熱を測っていました。

熱があったら、授業に出ずに、

保健室にいられると思っていたのでしょうね。



でも、授業開始のチャイムが鳴っても教室にいないので、

先生が見回りに来ることになります。

生徒指導の先生が保健室にやってきました。

生徒指導:お前たち(複数…汗) 何やってるんだ?
私:あ、体調が悪いというので、熱を測ってます。

生徒指導:どうして、今、測ってるんだ? 

 熱を測ってもいいけど、熱がなかったときに授業に間に合うように、熱を測れ!

あぁ…申し訳ございません…

私が休み時間終わりのギリギリになってから、

熱を測るように言ったからいけないんだよね。

そう思いながら、その日の授業後に生徒指導の先生と話をしました。

 



生徒指導の先生は

「いや、別にいいんだよ。

どうせ、早めに熱を測るように言っても、なかなか測らないでしょ。

授業にちょっとでも遅れていきたいというのはわかってるから。

でも、俺の立場としては、授業にちゃんと出るように言わないとね。

先生(私)は、健康面からどうなのか?を言ってくれれば、

それでいいんだよ。

もちろん、授業に間に合えば、それに越したことはないけど」

そ、そ、そうなんですか?
でも、生徒が教室にいない度に、毎放課、

保健室を覗いていただくことになり、申し訳ない…

保健室の先生になったばかりの頃は、

生徒の気持ちをくんであげることに重きを置きすぎていて、

 

生徒がどうあるべきか?

 

ということへの理解やサポートが少ないのでは…と、

反省ばかりしていました。

ただ、他の先生方と一緒に

「生徒は、教室でよい子に授業を受けなくてはいけない」

という対応では、

自分が保健室の先生として存在している意味が

ないような気もしていました。



そして、退職して、

今のような活動をさせていただくようになり、

ある中学校へ、性がテーマのお話をさせていただきに行ったとき。

性がテーマなので、生徒たちはなんとなく、

そわそわ、ざわざわする瞬間がありました。

多少、ざわつくよね…と思いながらも、

私の話を聞きながら、

周りのお友達とお話してもらったり、

静かに前を向いてもらったり。

私としては、話しにくいということはなかったのですが、

その学校の先生方は、

ときに、ざわつくことが気になったのでしょう。

終了後に、担当してくださった先生から

「ちょっとざわついて、失礼しました。

今頃、教室でも担任から注意を受けているかと…」

とお話がありました。

いやいや、中学生ですし、性の話ですし、

あれくらいのざわつきはあるでしょうし、

私は全然大丈夫でしたよー



とお返事させていただいたのですが

「そうでしょうが、それはそれ。

生徒たちには、

人のお話を聴くのに、あの態度でよいのか?

ということは、

問いかけておくことも大切なので」

というお返事。

確かに。

君たちの気持ちや行動はわかるよー!
ということは受け入れながらも、

でも、

「それで本当に良いのか? 

もう少し、よりよくできることはないのか?」

と問いかけることは、

先に生まれている大人として、また、

教師として必要ということですね。

 

 

最近は、子どもに対して、

頭ごなしに親の考えを押し付けない!
子どもの考えや気持ちを聴いてあげましょう。

ということをよく言われます。

もちろん、それは大切なことです。

ただですね…

子どもの言い分をまるっと聞いちゃう、

物分かりの良い大人が、増えているかもしれないなーとも思います。

 


子どもの気持ちや考え方を

「そうなんだね~」と聞いてあげることと、

その言い分を引き受けて、

 

何でもしてあげちゃうこととは別物

です。

本当に大切なことは、必要な場面で言える大人でいたいと思います。