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ポストブリッジでは、Maniacの繰り替えしに乗って、さまざまなエレメントが登場します。
逆さまの空高くジャンプしたFelixには逆向きの水滴
心を縛っていた糸が、それを切ったSeungminと現れる
オレンジの鳥さんも脳内に登場
Monster Pizzariaのペペロニ・ピザと通勤地下鉄が飛び
Bangchanがイントロで乗っていた自転車も
つまりこれらはランダムなアイテムではなくて、Maniacのエレメントが集結しているんですね。
そして空高く逆さまの世界が広がるビルの上で、Lee Knowセンターによる、さらに激しい最後のコーラスとコレオ。こんな激しさなのに、空の上を流れていくようなオブリガートが美しい。
コーラスの歌詞の意味はこちらへ
地面を打ち付ける激しいコレオは脳内でも
ピザ屋やダイナーがある世界でも
最後のラインも場面チェンジが速くて、屋上のマニアック達
脳内で最後のライン踊り狂うマニアック達
そこでオート・スクリュー・ドライバーが回るのは
あきらかにこの場面との関連ですね。
でも今度はガラスが割れていなくて、Lee Knowがスクリューを外したのは・・・
壁にかけてあったフレームでした。
ダイナーのテーブルにはカゴに入ったオレンジの鳥。鳥がカゴに戻ってよかった!と思った方もたくさんいると思います。
そして、Maniacの音楽がまるでラジオ音楽のようにバックグラウンドで流れます。
SKZの音楽は、私達の心の中にある、自由への憧れや自分らしく生きることへの憧れ、それを解き放っていいんだよ、いつもの顔と違う顔を持っているのは自然なんだよ、心の中には誰にも爆発があるんだよ、そういう問いかけがたくさんありますね。
でも、SKZの音楽って、ラップも含めて、いわゆるFour Letter Wordsが一切ない。誰が聴いても安心でクリーンな音楽です。この点は、特にアメリカのラッパーが感心するところです。
人間の心理の影や裏を描きながらも、指一つ立てない。言い換えると憎しみや恨みがありません。現実に起きていることは全部楽しく平和なことじゃなくて、涙を流すことももどかしいこともたくさんあるけれど、それらはそれ、だからと言って悪口を言ったり恨んだりすることがない。
だいたいManiacという英語では恐ろしいタイトルなのに、このMVには憎悪や流血を連想させるものがひとつもありませんでした。
それどころか、耳にくっきり残るメロディと組み合わせの妙が印象深く、繰り返して聞きたい音楽になっています。SKZ作品の、言葉のクリーンさと音楽そのものの魅力は、ヒップポップ音楽としては異端、そしてManiacはこの点においても代表作のひとつと言えるでしょう。
さて、16回もの長い間、Maniacの音楽語りを読んでくださってありがとうございました。
今年の新曲発表の予告(と勝手に思っている)のが4月あるいは7月でしたので、もうしばらく過去の代表作を語っていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
深謝