Maniac (2) マニアックではないManiac | SKZの音楽性を讃えるSound Mosaic

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Stray Kidsの音楽性をこよなく讃えるブログです。主に2020年以降のアルバムからランダムにMVを取り上げて深掘りしていきます。更新は週3回程度のスローブログ。読んでくださってありがとうございます。

まず、Maniac の意味から整理していきたいと思います。

日本語でマニアックというのは英語のManiac (発音は「メニアック」に近い)の意味とは違って、細かなこだわりを持つ人のことを言います。

 

コトバンクによれば:

〘形動〙 (maniac 熱狂家の意)⸨マニヤック⸩ 物事に徹底して熱中しているさま。 また、非常に凝っているさま

とあります。

 

あの人はマニアックだというと、なにかに関してものすごく細かいこだわりがある場合を指します。マニアックな趣味とか、マニアックなチョイスとか、どちらかというと、強いこだわり=熱中=職人気質に通じるもの、という連想もあり、マニアックに対するリスペクト風味もありますね。

 

 

ところが英語でというと、これはもう全面的に「狂気」「狂人」「犯罪者」というマイナスな意味です。リスペクト風味は一切ありません。他人をほめたつもりで「君はマニアックだね」と言えば「君は頭おかしいね」という意味に取られます。

 

Maniac とは、オックスフォード・ランゲージ・オンライン辞書によれば:

  1. a person exhibiting extreme symptoms of wild behavior, especially when violent and dangerous. 極端に野生的な態度の症状を示す人。特に暴力的で危険な人の場合をさす。

    "a homicidal maniac" "殺人狂"

  2. ARCHAIC•PSYCHIATRY 古い精神科用語

    a person suffering from mania. 躁状態にさいなまれる人

このように、英語で誰かをmaniac メェニアックと言うのは、犯罪者や精神異常者をさす言葉なんですね。そのため、アメリカ人のリアクション動画でも、このタイトルだけで、恐怖を感じる人が散見されます。

 

↑画像は比較的おとなしめのFACTS.netのManiac 映画解説サイトから選びましたが、Maniac movieで検索すると大変おぞましいシーンが出てきます。

 

 

全然意味が違いますね。こういう「日本語では本来の意味からかけ離れた言葉」は他にもたくさんあって、それを知らずに日本語の意味で使うと誤解をうけたりすることがあります。

 

例えば、「SとM」。日本語では単に性格が支配的か従属的かという意味だけ。「あの人Sっぽいよね」なんて気軽に評価したり、「僕はどMなんで我慢強いです」なんて自分で言ったりします。しかし英語では、性的な趣味のことであり、気軽に口にすべき言葉ではありません

 

「リベンジ」も、日本語では「負けたから次はがんばる」的な意味で、特にスポーツシーンでよく使われているようです。これは日本語の「雪辱を果たす」の意味を持たせた使い方だと思います。しかし英語では、復讐、報復、遺恨、仕返し、という心からの憎しみをこめた強い言葉ですので、やっぱり気軽に口にしないほうが吉です。

 

閑話休題、SKZのManiacを聴く時には、日本語のソフトなイメージではなく、「異常者」「狂人」といったハードな意味でお聴きくださいますよう・・・

 

 

さて、こちらの動画は、2023年12月14日フィリピンで行われた2023AAA (Asia Artist Awards アジア・アーティスト・アワード) でのSKZのステージです。これは最新のManiac!

 

ステージ上の工夫もたくさんあって、おおっと驚くパフォーマンス。ダンスも歌もこなれていて、まるでワインのように年月たって熟成された感じですね。多少音程が外れたりリズムがずれたりするのは、口パクしないステージの証拠!むしろ迫力あって素晴らしい!これだけの動きをしながら歌えてしまうのがすごいと思います。

 

一方緻密に作られたMVは、時間・空間芸術としての同時性こそないけれど、さまざまなプランが丁寧に作り込まれていて、作品のメッセージが最大限に伝わります

 

というわけで、熱気あふれるステージ動画もものすごく捨てがたいながら、次回からMVの音楽語りをしていきたいと思います。