昨日は和歌山は南部の梅林に行ってきました。
その壮大な事、筆舌に表す事叶いません。
詳しくは本家のブログ で。
そのブログでも紹介した梅のお酒をこちらでも紹介します。
染屋の独り言Ⅱ-梅酒
車を運転する人はお断りと書かれていましたが、可成りの種類を試飲これはと思うお酒を買ってきました。

右は紀州産のはっさくも梅と一緒に漬込んだ梅酒そのまま「はっさく梅酒」
梅酒にはっさくのほのかな苦味が味を引き立てジューシー。

左にあるのは珍品。
「貴梅酎」のタグと瓶には「霧の中の愛人」とあります。
梅酒等の果実酒は果実を焼酎やブランデーなどに漬込んだもの。
タグを見ると梅酒を更に蒸留したとあります。
ロックが合いそうです。
試飲した中での一番がこれ、度数が高いので薄めていないのか味が凝縮されその味は感動的でした。
価格も一番でしたが。
幾種類かの梅関連の土産を入手しましたが、これはお薦めです。
昨年秋より少しずつ作っていたストールが揃ったので工房で発表しています。
今時秋色というと変な時期には違いありませんが、何せ無茶に手間を掛けて作っているので時期を言って居られないのです。
売れるのは秋前からだと思いますが、一枚だけご覧下さい。
染屋の独り言Ⅱ-ダンマルストール
長さは二メーターあまり、当然正絹。
手間を掛けたのは見ての質感が証明しています。
半巾に折って仕立、抜き房を結んで仕上げています。
価格は7,800円。
他にも揃っていますが、そちらは本家のブログで紹介しています。
遊そぞろ
ご覧下さい。

白生地は昨年初春で既に高騰していました。
白生地は生糸1キロで織られると、練り上がりの重さは750グラム程度になります。
軽めの古代縮緬がそれに相当、一般的な丹後縮緬の紋意匠700グラム強の反物ですと950グラムの生糸を使って織られます。
三年程前まではこの生糸の価格はキロ三千円で安定していましたが、二年半程前から上昇、不況もあって価格に反映される事はありませんでした。
ところがその後急上昇、倍のキロ六千円に。
原価の上がった分三千円が白生地の価格に上乗せされました。
常に生産を続けてい定番の生地はキッチリ上乗せされました。
これは製造現場の話で小売屋さんなどの前線では違っていると思います。
上がったのは中国のインフレに寄るものが一番なんですが、好景気によって養蚕農家が転職を始めたのが最も大きな原因だと言われています。
尤も価格の高騰を聞いて復帰した農家もあるそうですが。
蚕は少しの農薬も嫌うのでその意味では桑畑付近の安全性は高いので良い事も多いのです。

工房でも昨年初頭に白生地価格を三千円上げました。
その後も徐々に生糸は上がり続けているのですが、円高でその上昇は少なめに押さえられてきました。
そこに、今回の円安。
押さえていた堤が途切れた様に生地が高騰を再開し始めたのです。
お金のある白生地問屋や製造卸問屋が買い漁りや売り惜しみをしているようです。
下がる要因が全く無い白生地を備蓄する事で利益を得ようと言うもの。
その為に売れていない筈の白生地が生産の低下と相俟って不足気味に。

取引のある裏物屋さんも「どうなるか訳がわからん」と嘆く事しきり。
中国で織られている白生地はもう国内産と殆ど変わらなくなったそうです。
当然、外地物と呼ぶインクジェット振袖用の生地や安い胴裏も高騰。
下から突き上げられ、得意先から押さえられている中間業者は青息吐息。

日本産の絹糸は品質がまばらで少ないので高品質の白生地は大量生産が困難。
しかし、このまま上昇を続ければ国内の養蚕農家が増え日本の絹業が復活するかもという甘い希望も。
生糸の数十年前の輸入解禁で白生地は一万円以上価格が下落しました。
生地の価格が生地の重さで計算されていた時代から、付加価値で決まる価格に変動しました。
壊滅に近い養蚕が復活すれば、高くなった生糸の相場が価格を左右する時代に戻るかも知れません。
それもまた夢。
四日夜、はじめて落語会なるものに行ってきました。
場所は京都の東山にある安井金毘羅宮。
人間国宝の桂米朝さんがお弟子さん達の落語の研鑽の為に始められた研究会です。
その名も「桂米朝落語研究会」
既に200回を遥かにオーバーしています。
ふた月に一度の開催、次回は四月五日午後六時から。
会費は1,500円、沢山の出演者がぶっ続けで二時間半を演技する落語会としては可成りの格安。
以前は舞台の袖で米朝師匠が弟子、孫弟子の落語を聞いていて後から指導したそうな。

テレビでたまに見る事はあっても、東京の落語家。
辛気くさくて面白い所等何にも無いと敬遠していました。

ところが、身辺近くに落語を定期的に鑑賞する人間が増え始めたのです。
お客様のお寺で開催される落語会に家内が、同級生が主催する落語会に弟が。

そして家内が聞いていたラジオでこの落語会の開催を知り、昼間のお出かけを中止しての参戦です。

驚いたのはそれぞれの演技、テレビで見ていた分には何とか真似出来そうと思っていましたが、一番最初に出てきた多分一番初心者の演技でも語りをパンパン木板と扇子で叩きながら話す古典落語は難しい古語、憶えるだけでも大変なのに拍子に合わせるその間合いが見事。
喜寿を迎えたら落語に入門しようかなんて甘い考えは一変に吹っ飛びました。

二番目の女性落語家はまだ未熟ではありましたが、熱演の度合いは立派。
割りと有名な所では桂佐ん吉は江戸落語の様にスッと粋、桂南天は上手い上に熱演次に出てきた若手を困らす程、桂塩鯛は顔は老けていてもざこばの弟子さりげなく上手さが出ていました。
トリを勤めた若手も人情話を上手くまとめ涙の一歩手前まで攻めています。

沢山の落語会のパンフレットを頂きましたが、当日の演目案内は無し。
落語初心者の私には落語家の名前なんて憶えられないのだからこれは是非用意して欲しい。

始めての落語会の感想、病み付きになりそうの一言!
我が工房は着物を手描友禅で染める染屋ですが、和小物や帯揚げも作っています。
半襟とのアンサンブルでローケツの帯揚げを作ったりして、物作りを楽しんでいますが、その中でも染分けの帯揚げは沢山の別注を頂く人気作品。

世間には縦に染分ける縦ぼかしの帯揚げは沢山ありますが、左右に染分けた帯揚げは少ないそうです。
この本の著者も染分けの帯揚げを探して居られ、ネットから我が工房を見付けて頂き注文を頂いたという訳。
その帯揚げがこの本に掲載されたのです。
これが「着物イロハ事典」です。
染屋の独り言Ⅱ-着物イロハ事典
着物通なら良くご存知の「着物屋くるり」さんが著者となっていますが、中身の構成著作を担当されたのが「大竹恵理子」さん。
大竹さん自身が「ファブリック帯の本」という本も書いて居られるのですが、くるりさんからは大竹さんによるこの手の本が既に数冊発売されているとか。
大竹さんは着物スタイリスト、着付師のかたわら書道家の一面を持つスーパーウーマン。

本の中身は期待以上でした。
一冊の本に着物の全てを書き込む事は不可能、広く浅くという事になりますがその広さが見事。
私なんぞ、染の事は可成り深く知っているつもりですが、着付やそれに付随する小物などに付いては全く知りませんでした。
染工房 遊を立ち上げてから消費者の方と直に接する機会が増えたので、仕立に関する知識も増えましたが、この本では手入れに付いても詳しく、驚いた事に仕立て直しに付いても分かり易く説明されています。
正にオールラウンド。

もう一つ驚いたのが、分かり易く説明されている着物の「格」に付いて。
図表で示されているのでとても分かり易く、良く考えられている本だと実感します。
写真に撮って公開したいくらいですが著作権もある事なので。

正に着物を着始める方のバイブルと言って良いでしょう。
着物を着る機会の多い人には尚更の必需品。
着物を現代風に着こなして居られる方も沢山居られますが、着物の節理を知った上で大暴れすると個性も光ります。
その意味でも沢山の人に読んで頂きたいと思います。

因みに工房の作品である染分けの帯揚げは75ページに掲載されています。
今回、重版される事になったとか、我が工房の名前も協力工房として付け加えて頂けるそうです。
販売価格は1,300円プラス消費税。

工房に来られる女性のお客様は男の着物姿にほれぼれすると仰る方が殆ど。
我が工房でも男の方が着物を注文される事が増えてきています。
願わくはこの本の男性版を作って欲しいものです。
男の着物姿はカッコいいですよ。