振袖を染めたお客様からそれに合ったストールの注文を頂きました。
こんなもの。
染屋の独り言Ⅱ-友禅ストール前
見た目には分かりにくいかも知れませんが、形は半円形、首周りはその底辺というか直径という事になります。
半円の縁には地色に合わせて染めた絹糸で房を。
裏も勿論正絹の羽二重、金茶地を合わせています。
後側はこちら。
染屋の独り言Ⅱ-友禅ストール後
別染めを依頼された振袖のサンプルがこちら。
染屋の独り言Ⅱ-振袖:大桜に萩
この振袖は問屋筋には出していない工房展示用のサンプルで、ご注文頂いた振袖は紫黒とでも言ったら良い紫系の深い地色に染めました。
裾はこのサンプルと同じく深い臙脂。
ストールはこの振袖と同じく濃いベージュを引いてから臙脂に染め上げた二度染めなので、素晴らしい色艶に染まりました。
生地が古代縮緬なので余計に色艶が出たのかも。

最近の振袖は色んな襟飾りを付けるため襟元を広げて仕立します。
白いふわふわの例のあれの為です。
しかし、こちらのお客様はそれを好まれず、この様な共柄共色のストールを好まれました。
巾が広過ぎて、染の作業は大変でしたが、仕上がりにはこちらもお客様も大満足でした。

ぼかしの大判半円ストールは沢山染めましたが、手描友禅のストールは初めての経験。
大きな工房があれば多少は手描きもし易くなるでしょうが、手が届き難い彩色はどちらにしても大変です。
通算すると一ヶ月以上入院していたので、久しぶりに凝った図案を描くと肩が凝ります。
入院中は短い診察を除けば、本を読むかテレビを見るかしか何もする事がありません。
時々は散歩もしますが。

退院後、外回りのかたわら急を要する図案から始めました。
着用が決まったものは日時に追われるので真っ先に。
自宅に持帰って夕食後や早朝も図案描きをします。
すると、以前には無かった肩こりが発生、終には歯が浮き出しました。
一番弱っている歯に来た様です。
自宅での図案描きを控えめにすると痛みがましに。
以前の様にやり過ぎはまだ駄目な様です。

手術の傷口は一週間程前から少しずつではありますが、毎日確実に小さくなってきています。
人間の体は良く出来ているものだと自分の事ながら感心したりして。
車の運転でも後を振り返るのが大きく出来る様になったり、色んな事が元の体に戻りつつあります。
それでも開腹した下部の神経は元には戻らないと、手術医から宣言されました。
神経が切断されたからなんですが、厚紙を被せた触感と変な痛みは残るとか。

これからは手術前からの宿題で中途になったままのとても重ーい図案に掛かる予定、焦らずにゆっくりと掛かります。
手術の後経過が良くなくて退院が延び延びになっていました。
この体験は中年以上の方には警鐘ともなるのでお話しましょう。

胆石での入院は二回。
最初は三月の始めから、体調不良に対する町医者の診断に不信を抱いて大きめの病院を受診、胆石が胆道を塞いで炎症を起こし危険な状態である事が判明、大病院を紹介されその日に内視鏡で胆道にパイプを挿入しました。
胆石は炎症が止まらないと取り除く事が出来ないので、炎症を止める抗生物質での治療が始まりました。
内視鏡に寄る胆石除去をするまでに胃カメラや大腸の内視鏡検査があったのですが、全てOK。
今回の入院での一番良い事でした。
炎症が収まったので内視鏡手術をしたのですが、内視鏡では除去出来ない場所と大きさに次回の入院で開腹手術を宣言されて一旦退院。

そして三月末頃手術の為再入院、手術は四月の二日、退院は手術後一週間と言われました。
全身麻酔と術後の痛みも軽減する為、背骨の近くに点滴の様な麻酔薬を差し込んでいました。
手術の日から数日は結構な雑音や同じ部屋の病人の寝返りの音まで気になって安眠は出来ませんでした。
次の日から背骨の麻酔が原因だと思いますが、昼までも夢を見るのです。
目を開けているのか塞いでいるのか分からない時もあったりして。
その後二日程は寝る時に正にグロテスクな悪夢を見て安眠出来なかったのもこの背骨の麻酔薬が原因の様でした。
しかし、眠剤を飲むとその悪夢は消滅、麻酔薬には麻薬が含まれているとか。
麻薬で分けの分からない事をするのはこういう事だったのです。

術後おチンチンにはパイプが繋がれ垂れ放題、二日後に抜いたのですが膀胱におしっこが溜まった感覚がゼロ、どんなに頑張ってもちびりません。
術後四日目、背骨の麻酔薬が終了したので抜くとおしっこの感覚が正常に、パイプから解放されました。
同じ日、手術箇所の付近で赤くなっている部分があり、化膿しているとか。
糸とホッチキスで縫製された傷口の両端を解除、その中に紐ガーデを挿入されました。
その後、朝のシャワーで自らガーゼを取り除きシャワーをその小さく開いた箇所に注ぎ込みます。
いわばシャワー洗浄。
これが退院後まで続くとは夢にも思いませんでした。

術後六日目抜糸部分は更に拡大、シャワー洗浄が続きます。
その次の日まだ化膿部分が広がっているとして全面抜糸、シャワーの際風呂場の鏡に映った自分の姿に唖然。
映画の様な傷口です。
本当なら退院の日にも拘らずこんな姿でいるとは夢にも思っていませんでした。
水道水は塩素殺菌が十分で、石鹸の泡を傷口に擦り込んでシャワーで洗い流していれば下から肉が盛上り傷口は一文字になると医者は言います。
医者に全てを任したのですから、文句は言いません。
しかし、思いがけない結果だった事は確かです。

術後十日になると傷の奥の内蔵のふたをした部分の抜糸が始まりました。
肉の盛上りを促進するため、死んだ部分も一緒に。
少しずつ、毎日です。
その処置とシャワー以外何もする事が無く、痛みも徐々に少なくなり、くしゃみの際の激痛も緩和されてきました。
午後から工房へ外出する事も出来る様になり、傷口奥の処置が無くなった所で退院となったのです。
術後三週間でした。
近所の外科医と病院外来での診察を続ける事に。
退院後もシャワーで傷口洗浄は続き、今の所十五センチ程く開いたままの傷口を見ても変化は感じられません。

こんな体験はしようと思っても出来ない事、自慢になる事ではありませんが自慢にでもしないとやりきれませんからね。
そうそう、面白い事がありました。
この二回の入院で手術や内視鏡検査で絶食する期間が可成りありました。
私は花粉症で医者から貰った薬も余り効かないのですが、その絶食期間中花粉症から解放されたのです。
普通食に変り始めると花粉症がぶり返すという現象で、くしゃみの時の激痛に悩まされてきました。

少しずつですがほんの少しずつ回復に向っているみたい。
胆石以外にも脂肪肝の傾向もあったそうで、弱いくせに毎日飲んでいた事や茶や水を取り無さ過ぎたのが原因だった様です。
皆様、くれぐれもご用心。
ご無沙汰です。
胆石で入院したいたのですが、今週末には再入院、本番の腹切りが始まります。
切った後は一週間程で退院出来るそうですが、京都の桜の季節まるまる入院となり花見を諦める事に。
代用に信濃の桜の本を頂きました。
染井吉野の華やかさはありませんが、寿命の短い造花である染井吉野とは違った野生の桜ばかりの写真集。
力強く生きる桜に生命力をお裾分け頂いた気分になります。

入院中に出来上がっていた手描友禅のポーチを紹介します。
工房では巾着や小銭入れの小さな袋物を販売していますが、殆どプリントで仕上げていますが今回は手描。
普通なら手に入らない逸品ですが、無理矢理お安く提供する事にしました。
これを見付けられた方はラッキー。
既に袋に入っていたので一部だけ紹介します。
染屋の独り言Ⅱ-手描友禅ポーチ
大小二種類、大は1,200円、小は900円で販売しています。
ここ数日、何故か顔面マヒのお話がよく届きます。
殆どが中年から高年の方。
原因は病院でも特定出来ないのが多いそうで、医者からは直る見込みの無い手術を提案される事が多いとか。
皆さん怖がって手術を拒否される様です。
完全に元に戻る事はなかなか難しそうで、工房に来られた職人さんは見た目にも顔のゆがみが取れていませんでした。
顔の麻痺は両側に起こるのではなく片面に起こるのが普通だとか。

顔の表情を支配するのは頭部の後にある筋肉、それを支配するのが神経網です。
疲れに起因している様ですが、それをプッシュする直接の原因は寒さが引き起こした人が多いみたい。

ある人は他の仕事を持ちながら、家に帰って可成りの寒さの中藍染めをした直後に発生。
食事を始めると食べたものが口からこぼれるので気が付いたそうです。
目もつむることが出来ないのでセロテープを貼付けて睡眠、普通に眠れるまで三ヶ月かかったそうです。
今も片目の動きが普通ではありません。

又ある人は、ご主人の運転する車に乗り窓を開けたまま居眠りしていたそうで、目が覚めると片面の顔が麻痺していたとか。
ズッと居眠りする位ですから疲れて居られたのでしょうが、やはり冷えが原因となっている様です。
この奥様の話に寄ると同じ事が原因で顔面マヒを起された患者がとても多いのだとか。
運転中に窓を開けるのは片面だけ冷やす事が多いので冷えた方の顔が麻痺します。

サインを求められる手術は出来れば受けたくありません。
どうぞ、冷えそれも片方の顔を冷やさない様くれぐれもご注意下さい。