振袖を染めたお客様からそれに合ったストールの注文を頂きました。
こんなもの。
染屋の独り言Ⅱ-友禅ストール前
見た目には分かりにくいかも知れませんが、形は半円形、首周りはその底辺というか直径という事になります。
半円の縁には地色に合わせて染めた絹糸で房を。
裏も勿論正絹の羽二重、金茶地を合わせています。
後側はこちら。
染屋の独り言Ⅱ-友禅ストール後
別染めを依頼された振袖のサンプルがこちら。
染屋の独り言Ⅱ-振袖:大桜に萩
この振袖は問屋筋には出していない工房展示用のサンプルで、ご注文頂いた振袖は紫黒とでも言ったら良い紫系の深い地色に染めました。
裾はこのサンプルと同じく深い臙脂。
ストールはこの振袖と同じく濃いベージュを引いてから臙脂に染め上げた二度染めなので、素晴らしい色艶に染まりました。
生地が古代縮緬なので余計に色艶が出たのかも。

最近の振袖は色んな襟飾りを付けるため襟元を広げて仕立します。
白いふわふわの例のあれの為です。
しかし、こちらのお客様はそれを好まれず、この様な共柄共色のストールを好まれました。
巾が広過ぎて、染の作業は大変でしたが、仕上がりにはこちらもお客様も大満足でした。

ぼかしの大判半円ストールは沢山染めましたが、手描友禅のストールは初めての経験。
大きな工房があれば多少は手描きもし易くなるでしょうが、手が届き難い彩色はどちらにしても大変です。