手術の後経過が良くなくて退院が延び延びになっていました。
この体験は中年以上の方には警鐘ともなるのでお話しましょう。

胆石での入院は二回。
最初は三月の始めから、体調不良に対する町医者の診断に不信を抱いて大きめの病院を受診、胆石が胆道を塞いで炎症を起こし危険な状態である事が判明、大病院を紹介されその日に内視鏡で胆道にパイプを挿入しました。
胆石は炎症が止まらないと取り除く事が出来ないので、炎症を止める抗生物質での治療が始まりました。
内視鏡に寄る胆石除去をするまでに胃カメラや大腸の内視鏡検査があったのですが、全てOK。
今回の入院での一番良い事でした。
炎症が収まったので内視鏡手術をしたのですが、内視鏡では除去出来ない場所と大きさに次回の入院で開腹手術を宣言されて一旦退院。

そして三月末頃手術の為再入院、手術は四月の二日、退院は手術後一週間と言われました。
全身麻酔と術後の痛みも軽減する為、背骨の近くに点滴の様な麻酔薬を差し込んでいました。
手術の日から数日は結構な雑音や同じ部屋の病人の寝返りの音まで気になって安眠は出来ませんでした。
次の日から背骨の麻酔が原因だと思いますが、昼までも夢を見るのです。
目を開けているのか塞いでいるのか分からない時もあったりして。
その後二日程は寝る時に正にグロテスクな悪夢を見て安眠出来なかったのもこの背骨の麻酔薬が原因の様でした。
しかし、眠剤を飲むとその悪夢は消滅、麻酔薬には麻薬が含まれているとか。
麻薬で分けの分からない事をするのはこういう事だったのです。

術後おチンチンにはパイプが繋がれ垂れ放題、二日後に抜いたのですが膀胱におしっこが溜まった感覚がゼロ、どんなに頑張ってもちびりません。
術後四日目、背骨の麻酔薬が終了したので抜くとおしっこの感覚が正常に、パイプから解放されました。
同じ日、手術箇所の付近で赤くなっている部分があり、化膿しているとか。
糸とホッチキスで縫製された傷口の両端を解除、その中に紐ガーデを挿入されました。
その後、朝のシャワーで自らガーゼを取り除きシャワーをその小さく開いた箇所に注ぎ込みます。
いわばシャワー洗浄。
これが退院後まで続くとは夢にも思いませんでした。

術後六日目抜糸部分は更に拡大、シャワー洗浄が続きます。
その次の日まだ化膿部分が広がっているとして全面抜糸、シャワーの際風呂場の鏡に映った自分の姿に唖然。
映画の様な傷口です。
本当なら退院の日にも拘らずこんな姿でいるとは夢にも思っていませんでした。
水道水は塩素殺菌が十分で、石鹸の泡を傷口に擦り込んでシャワーで洗い流していれば下から肉が盛上り傷口は一文字になると医者は言います。
医者に全てを任したのですから、文句は言いません。
しかし、思いがけない結果だった事は確かです。

術後十日になると傷の奥の内蔵のふたをした部分の抜糸が始まりました。
肉の盛上りを促進するため、死んだ部分も一緒に。
少しずつ、毎日です。
その処置とシャワー以外何もする事が無く、痛みも徐々に少なくなり、くしゃみの際の激痛も緩和されてきました。
午後から工房へ外出する事も出来る様になり、傷口奥の処置が無くなった所で退院となったのです。
術後三週間でした。
近所の外科医と病院外来での診察を続ける事に。
退院後もシャワーで傷口洗浄は続き、今の所十五センチ程く開いたままの傷口を見ても変化は感じられません。

こんな体験はしようと思っても出来ない事、自慢になる事ではありませんが自慢にでもしないとやりきれませんからね。
そうそう、面白い事がありました。
この二回の入院で手術や内視鏡検査で絶食する期間が可成りありました。
私は花粉症で医者から貰った薬も余り効かないのですが、その絶食期間中花粉症から解放されたのです。
普通食に変り始めると花粉症がぶり返すという現象で、くしゃみの時の激痛に悩まされてきました。

少しずつですがほんの少しずつ回復に向っているみたい。
胆石以外にも脂肪肝の傾向もあったそうで、弱いくせに毎日飲んでいた事や茶や水を取り無さ過ぎたのが原因だった様です。
皆様、くれぐれもご用心。