「わが家の犬は世界一」(2002年 原題「卡拉是条狗/Cala, My Dog!」 監督/ルー・シュエチャン 主演/グォ・ヨウ)
100分
わが家の犬は世界一 [DVD]/キングレコード

¥4,298
Amazon.co.jp
原題は「カーラは(一匹の)犬」で英題と同じニュアンス。
ちなみに中国語で犬の数え方(1匹、2匹…)は1条、2条…と言う。「条」はひも状の長いものを数える言葉で、日本語の「本」(1本、2本…)に相当する。中国では犬は昔から食用で、肉屋で天井からびろーんと吊り下げて売られていたので1条、2条(1本、2本)と数えたらしい…。(なお猫や兎は日本語の「匹」に相当する「只」で数える。)
――1995年、中国では家庭で愛玩用の犬を飼うことが流行するが、人を噛んで狂犬病が発生したり糞を放置したりと問題も多くなってきたため全ての犬の飼育を登録許可制とした。登録料は高額なため金を惜しむ人々はばれないように犬を室内に隠し散歩も夜中にこっそり行く。だが警察の取り締まりが強化され、ラオの飼っている雑種の愛犬カーラも夜中の取り締まりで捕まり没収されてしまった。
ラオの息子のリアンは、父が警官をしているクラスメートに頼んでカーラを取り戻そうと試みるが、警官は登録料を払えの一点張り。
ラオの妻のユイランはこれで犬の世話をしなくなってせいせいすると口にする。
夜勤から戻って来たラオはカーラが没収されたと知り妻をののしる。登録料は5000元、犬のためにそんな大金を出すことはできない――
[ここからネタバレ-------
ラオはカーラの母犬の飼い主である未亡人ヤンの元へ。カーラの母犬はカーラと見た目がそっくりだ。ラオはヤンに頼んで登録証を貸してもらう。それを持って警察へ行き、登録してある犬だから返してほしいと言う。登録証の写真とカーラを見比べた警官は、模様はそっくりだが耳の形が違うことに気づきラオの嘘を見破る。
がっかりしているラオにヤンは、あんな雑種に登録料5000元を払わなくても、300元程度で血統書付きの良い犬が買えると励ますが、ラオにとってはカーラだけが自分の心を解ってくれる、家族よりも大切な存在なのだ。
ラオは登録料を払うことをユイランに相談して喧嘩になる。ユイランはラオが自分や息子よりも犬ばかりをかわいがっていること、そしてその犬が未亡人から貰ったもので、未亡人と浮気してるのではないかと怒っているのだ。ラオは家族からのけものにされているのは自分の方だと、カーラだけが味方だと反論する。
5000元もの大金を出すには借金するか定期預金を崩すしかない。預金はリアンの進学費用。さすがにそれは無理だ。ユイランは義母に頼めばいいと言う。ラオの母は独り暮らしをしているが、噂では隣に高層マンションが建ったため日照権を争って裁判に勝ち大金を手に入れたらしい。母の金をとるなんて!ラオは怒りカーラの事はもう諦めると言い放つ。
昼食の時間を過ぎてもリアンが戻ってこない。心配したユイランはラオに探しに行かせる。リアンは学校にもいなかった。街を歩いているとペット売りの集まる一角が見えた。猫やウサギやリスが並べられている。犬はいないのかと尋ねると、売り子の女が犬は警察に見つからないように路地奥に置いてるという。女に連れられてやって来ると、そこではカーラによく似た子犬が売られていた。ラオは300元出して子犬を購入する。
その帰り道で高級車を運転する女に声をかけられた。「おじさん、その犬はダメよ。」女が子犬の毛皮に水をかけてこすると黒い部分の色がおちて白い犬になった。ラオは悪質なペット売りに騙されたのだ。急いで戻るが売り場はもぬけの空。そこへ警察の取り締まりが。ラオはその他の犬売りと一緒に補導されてしまった。
警察署に来ると、なぜか拘置所に息子リアンがいる。リアンはクラスメートを助けるために自転車の茶髪少年をひっくり返し怪我をさせたのだ。
家に戻る途中、ヤンがラオを待っていた。彼女はコネを尽くして今晩犬が連れて行かれる倉庫の番をする農民を買収したのでカーラは無事帰って来るとラオに話す。
家に帰ったラオに、ユイランが崩した定期預金を差し出す。これでカーラを登録しましょうと。
ラオはリアンが他人を怪我させて捕まったことを伝え急ぎ二人で警察署へ。茶髪少年の親が医者の診断書を持って乗り込んできているという。裁判になると拘留時間も長くなり費用もかさむ。警官もここは穏便に示談で済ました方がいいと勧める。ラオは茶髪少年の親に謝り金を払おうとするが、彼女らは息子に障害が残ったらどうしてくれるんだと息巻いている。その時犬の鳴き声が聞こえた。カーラ達没収された犬がトラックに乗せられていく音が。いや助かるはず…ラオはトラックが去っていくのをじっと見送る。
売店へ水と煙草を買いに行っていたユイランは犬を乗せたトラックが走り去っていくのを見て唖然とする。
その晩カーラは無事ラオの元へ戻って来て、翌朝ラオはカーラを登録した。(終)
------ここまで]
コメディかと思ったら普通にシリアスなアジア映画だった。
愛犬を奪われそうになって右往左往する家族を描くのかと思いきやそうでもなく、事件をきっかけとして、互いの思いのすれ違いでギクシャクしていた家族の関係を取り戻していくという人間ドラマ。
夫がギャンブルに走らないよう、生活の維持のために犬の世話を義務的に行う妻、家では妻にも息子にも見向きされず仕事では上司にこき使われ、自分の気持ちをわかってくれるのは愛犬だけだと信じている夫、家族や友達、生き物を大切に思う優しい心を持つが両親に愛されてないと感じている息子。三人ともみんな愛犬カーラに情が移ってしまっていて、誰かのために飼っているはずのカーラのことを放っておけない。
でもそれはカーラのためではなく実はその「誰か」が大切だから…。
ラストにその三人の思いがときほぐされることが示唆されてるけど、表面的には「えっ?そんな終わり方??」なので要注意w このあまりに唐突な終わり方は最後だけコメディかよ!とツッコミも入れたくなるなる。(^▽^;)
フォン・シャオガン製作総指揮とはいえ、監督が違うからか作風も違う。古い作品だというものあるだろうけど、やっぱり序盤の物語の導入がなんか淡々としすぎてて、犬を連れていかれても緊迫感があまり伝わらなかったのよね。「あと○時間」って出されてもあんまり焦りを感じないというのか、正直なところつまんなくて…。でも40分あたりからぐっと引き込まれてったのは、やっぱりグォ・ヨウ(葛優)が出てきたからかな。物語の中心が彼に移ってからは見る側も彼と同じ視点で眺めるように。
グォ・ヨウはやっぱり味のある役者さん。見た目は地味でものすごーい平凡なそこらへんにいそうなおっちゃんなのに、セリフの無い芝居の奥深さがすごい。間(ま)とか視線とかだけど、セリフ無しにそれだけで語る語る!
あ、あと髪の毛があるのに驚いたw
TSUTAYA DISCAS
2枚ずつしか借りられない。そしてひと月に4枚借りねば損…。
21勝16敗4引分け。










