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「動物世界」(2018年 邦題「カイジ 動物世界」 監督/韓延 主演/李易峰)
132分

日本語版はありません。(2019.1追記:2019年日本語版公開予定)

原作は日本の漫画「賭博黙示禄カイジ」(作/福本伸行)。

――鄭開司は日々ゲームセンターでピエロに扮して子供たちと一緒に写真を撮るバイトに明け暮れていた。父は早くに亡くし母は植物状態で長く入院している。母を看護してくれている看護師の劉青が恋人だったが、母の入院費も払えなくなり彼女に金を無心したため呆れて離れていった。
開司は友人の李軍の勧めで住んでいるアパートを抵当に入れて金を借りた。ところが李軍はそのアパートを元にとある秘密結社から金を借りた。法外な利息で金を返済できなくなった李軍は行方をくらます。そして鄭開司は怪しい男に目隠しをされ連行された。
秘密結社の社長アンダーソンは、保証人として登録されていた開司に返済を求めるが一生かかっても払いきれる額ではなかった。そこでアンダーソンはある返済方法を提案する。それは多大な借金を負う者ばかりが集められた一発逆転ゲームだった――

[ここからネタバレ-------
大型客船デスティニー号に世界中から借金を負う者らが上船する。"どんな事故が起こっても闇に葬り去られる"であろう太平洋の真ん中で彼らはゲームで争う。勝者には負っている借金全額分の賞金が与えられ、敗者には"ひどく恐ろしい罰"が待っているという。
アンダーソンからゲームのルールが発表された。それはカードを用いたじゃんけんゲームだ。各自グー・チョキ・パー4枚ずつ全12枚のカードを持ってスタートし、一対一でカードを出して勝負する。勝てば相手から星が貰える。星は最初に3つ与えられ、星がゼロになるとゲームオーバー。制限時間4時間以内に星を3つ以上持っている事と、ゲーム終了時にカードをすべて使い切っていることがゲームの勝利の条件だ。

スタート早々鄭開司は張景坤と名乗る男に声を掛けられた。景坤は同じ中国人のよしみで良い方法を教えてやるという。じゃんけんゲームはあいこの場合はカードは消費するが星は失わない。このゲームはカードを消費するのが目的なのだから、すべてあいこの勝負をすれば最初の星3つを持ったままで勝ち抜けられると。そして自分はパー、グー、チョキの順でカードを切るので同じように出せと囁く。
テーブルについて勝負を始める。開司と景坤はあいこばかりの勝負を続け順調にカードが減っていく。と、開司がチョキを出した時に景坤はグーを出した。開司の星が景坤に与えられた。景坤は順番を間違えたと平謝りし、次はわざと負けて星を返すと言う。そしてチョキのカードを開司に見せながらテーブルに置く。開司はグーのカードを置く。カードが開かれるが、景坤のカードはパーのものにすり替わっていた…嵌められた!開司は二つ目の星をも奪われてしまった。

鄭開司は船内で李軍に会う。彼も借金を返すためにこのゲームに参加していたのだ。だが互いに星1つだ。李軍は星が2つあるがカードを使い切った男・孟国祥に目をつける。彼に協力をもちかけるが、国祥は開司らのカードから一枚盗んで勝手に勝負を挑み敗けて星を失ってしまった。
開司らの持つカードはチョキばかりになってしまった。開司は人の心理としてグー、チョキ、パーを公平に切っていく可能性が高いと考え、カードを7枚持つ男に勝負を挑む。果たして男はパーを出し開司が買った。だが男は開司の残りカードが3枚だと気づくと三連戦を挑んでくる。初戦は男がグーを出し負けた、だが男は開司の残りのカードがグーとパーだと踏んで二回ともパーを出したため開司が二連勝した。こうして開司の星は3つになった。
その時突然ブザーが鳴り、アンダーソンが出てきた。そしてカードを密かにトイレに流して隠滅しようと図った男を連れて来る。ゲームの規則を破った者は星の数に関わらず失格とする、そう言って男を銃殺した。

勝負に用いられたカードは全て回収し計上されホール内にリアルタイムで表示されている。3時間が経過したが残りカードはパーが一番少ない。このままいけばパーが最初になくなりプレイヤーはグーとチョキしか持たないことになる、そうすればグーを持っていれば絶対に勝てる。鄭開司はグーのカードを金を出して買い集めた。
だが残り時間30分を切ったところで残りカードはチョキが異様に少なくなっていた。開司らがグーのカードを買い集めているのを知ったルカのグループが同じようにパーを買い集めていたのだ。ルカに勝負を挑み勝った開司はルカからカードを買い取る。
開司がカードを買い集めているのに気付いていた張景坤はホールの中央で皆に言う。カードも残りわずかになってきて誰が何のカードを持っているかがわかってきた、それで勝負が進まない。そこで皆のカードを集めてシャッフルし配り直さないか、と。同意する者が多く鄭開司らも加わらないわけにはいかなかった。
景坤はカードをシャッフルし配り直すが、50枚以上のカードを持っていた開司に景坤はカードの束を投げつける。カードはばらばらに散らばり開司らは慌てて拾い集めるが、その間に他のプレイヤーらはそれぞれ試合をしてどんどんカードを消費していく…景坤は開司らに試合をさせずにカードを持ったまま時間切れで敗者にさせるつもりだ!
景坤は試合でさらに星を増やしていくが開司は景坤がカードを集めた際にチョキのカードに折り目をつけていたと告発する。残り三分を切ったが景坤の試合を受ける者は現れず景坤は苛立つ。そこへ開司が星5つをかけて勝負を挑んだ。景坤がカードを出す。残り時間が迫っている、だが開司は景坤に皆を騙したことをこの場で謝れと迫る。景坤は自ら頬を叩いてすまなかったと謝るが、開司はまだ足りないと言う。残り15秒を切る…時間切れにさせるつもりか!景坤は思いっきり頬を叩いてみせる。残り1秒で、開司はカードを出した。カードが開かれる、開司の勝ちだった。しかしカードを持って終わった開司はゲームの敗者となり敗者の部屋へと連行されて行った…。

ゲームが終了し勝者が集められた。アンダーソンはこれから十分間、星の売買をしてよいと言う。3個より多くの星を持つ者はその星をアンダーソンが高額で買い取るし、星を敗者に売って彼らを助け出してもよいと言うのだ。張景坤から勝ち取った星が李軍の手にあり鄭開司は安堵するが、金に目のくらんだ孟国祥がそれを奪って逃げた。開司は絶望する、が隣にいた極道の男は「金を介さない信用などありえない」と嗤う。彼はしっかり金を用意しており手下のゲーム勝者の男から星を買い取る。そして出ていこうとするその後姿を見た開司は猛然と男に殴りかかる。だがすぐに係員に取り押さえられた。
極道の男は手下に金を渡し背中の傷に当てたガーゼを探すが失くなっている…実はそのガーゼに無数のダイヤモンドが隠してあった!開司がゲーム勝者の男にダイヤのつまったガーゼを見せる、ゲーム勝者の男はすぐに彼を出してくれと係員に星を差し出した…。

開司は無事帰って来た。以前と何も変わらないが母の看病をしバイトする日々だ。
と、病院でアンダーソンの手下の男を見かけ追いかける。病院の地下で彼を待っていたのはアンダーソン。八歳の頃に父親を連れ去った時にも彼の姿があったことを開司は急速に思い出したのだった…(続編へ続く)
-----ここまで]

ただのアイドル映画だと思ってたら意外と画面にこだわりの見られる興味深い作りだった。
タイトルは人間の本性が現れる欲望渦巻くギャンブルの世界を現わしているようだけど…?

物語のキモ、観客が最も面白いと思う部分はカードゲームを論理的に考え攻略していく主人公らの姿だろう。でも冒頭からやたらとリキ入れて描いているのは主人公の鄭開司の心理状態を表すピエロのシーン。幼い頃見たアニメのヒーローのピエロの人格が自分の中にいると信じ込んでいる(要するに中二病の)開司が事あるごとにキレてそのピエロのように暴力を振るうんだけど、これは勇気の象徴として見ればいいのかそれともピエロが倒すモンスターが人間の欲の化身であるという見方をすればいいのかよくわからない。最後のメッセージも「どれだけ不幸な目に遭って人を信じられなくなっても自分の信念を失ってはいけない」という前向きな内容だったので、中二病の想像力をうまく働かして弱者を助けたヒーローとして見るべきなのだとは思うけど…正直伝わらない。

主演のリー・イーフォン(李易峰)は「老炮儿」で六爷の息子を演ってたイケメン。イケメンすぎて一人だけ浮いてる…この設定だともっとオタクっぽい雰囲気醸し出す子にやらせた方がよかったのでは…。ヒロインを演じるチョウ・トンユィ(周冬雨)はたれ目のカワイ子ちゃん。あとは張景坤を演じるスー・カー(蘇可)がダイアモンド☆ユカイに見えて仕方ないっていうね。

主人公が命を懸けるゲームに身を投じる「デスゲームもの」は日本でも散々やりつくされたけど、この手のは主催者側に利益がないことにどうしてもツッコミ入れてしまう。漫画やアニメの世界であって、訴えたいテーマがなければわざわざ実写化する意味はないと思う。


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原作の漫画。
「猟毒人(全50話)」のあらすじ。
中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。

[第五十集(最終回)]
辺りはすっかり暗くなった。手傷を負った徐国棟を助けながら山の中を逃げる呂夢瑶と李玫。そこへ足音が近づいてくる。夢瑶は銃を手に構える。だがそれは乍莱と陳童だった。
江伊楠は下流で必死に呂云鵬を探すがその姿は見つからない。一晩中呂云鵬を探し山を彷徨い歩いていた。そして同じく夜通し歩いてきた呂夢瑶らと合流した。
国境で待つ喬立偉は目印に国旗を掲げさせる。そのたなびく赤い旗を陳童が見つけた。そして彼らはついに国境を越え中国へ生還したのだった。

呉雄は朱教授も呂夢瑶と李玫も奪われた責任をとれと呉新河に銃を渡す。自害しろという意味だ。新河は震える手でゆっくりと銃を手にし、そして呉雄に向け引き鉄を引いた!だが何も起こらない…弾は入っていなかったのだ。
「お前には失望したよ。親族としてゆくゆくは仕事を預けたいと思っていたのに。」呉雄は無表情に告げる…。

ネックレス、そして腕時計に刻まれた文字がやはり暗号のカギだった。警察ですぐにUSBの解析が行われる。
警察が呂云飛のUSBを解析しその証拠を持って逮捕に来る…その情報を先にかぎつけた王玉江は直ぐに海外へ逃げるよう楚瑩と楚天南を促す。だが楚瑩は逃げて外国で隠れてびくびくしながら一生を終えるのはまっぴらだと言う。そうこうする内に屋敷は警察に取り囲まれた。おとなしく出て来いという声が聞こえて来る。銃を手に出て行こうとする王玉江を、楚瑩は撃ち殺した。そして銃の指紋をふき取ると、ゆっくりと父・楚天南の膝に乗せる。お父様、もう終わりにしましょう、と…。

三か月後。
休暇をのんびり過ごす江伊楠。濱江に帰った呂夢瑶はまたバレエをはじめたという。楚天南と楚瑩の裁判が始まったというニュースが。楚瑩は父がどんな商売をしているかなど微塵も知らなかったし、結婚式で起こった事件は全て王玉江が呂云鵬への嫉妬にかられて行った凶行で自分はむしろ被害者だと証言する。そして警察が屋敷を包囲したあの日、王玉江に銃を突き付けられた自分を助けるために父が王玉江を銃殺したのだと答える。検察に再現してみろと銃を渡された楚天南は不自由なその手を必死に動かして銃を手に取った。
結果、楚天南には終身刑が、楚瑩には無罪が言い渡された。
だが楚瑩は釈放されて間もなく車にひき逃げされ死亡した…。

呂云鵬は生きている、突然の報せを受け江伊楠は喬立偉の元へ。喬立偉は新たな任務だと言って金庫から極秘と書かれた書類を差し出す。そこには「呂云鵬による1206作戦のサポート」と書かれていた。
…河に落ち流れついた先で地元民に発見された云鵬はすぐに病院へ運ばれた。見舞いに来た濱江の趙局長に、云鵬は兄と同じく悪と戦う捜査官になりたいと申し出たのだった…。
伊楠は云鵬のいるバンコクへと飛ぶ。若者らに人気のクラブですでに羽振りの良い旦那として名の通っている云鵬の姿があった。云鵬は伊楠の隣にやってくる「やあ、どこかで会ったかな。」
「いいえ。」伊楠はニッコリ微笑む。
「じゃあ、」云鵬も笑う「これからよろしくお願いしたいものだね。」(終)

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→インデックス

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総括。

とってもよくできた脚本で面白かった!!話がよくできている上に、毎回「えっこの後どうするの/どうなるの!?」という絶妙な引きが小ニクい!
主人公が化学者という設定が前半はとってつけたようで果たして意味があるのかなと疑問だったのが後半は重要になってきて、トータルで見た時にみんな必然の上に成り立っていたんだと分かってすごい。ただ最終回のオチは若干強引な気も…。

一匹狼が活躍するハードボイルドではなく、チームワークでみせるトリックが爽快なミステリ性を持つ良質サスペンス。そこへラブストーリーというか家族愛を中心に引っ張って来て、それがまた男目線なので明らかに男性視聴者を狙った物語。「男はこうあるべき」という昭和な時代のキザさがぷんぷんしてて、でも個人的にはこういう昭和テイストは結構好きw
それからアクションシーン、カーチェイスや銃撃戦がテレビドラマにしてはすごく凝ってて迫力あった。殆どスタントマンを使ってなくて俳優本人が演じていて、こういう所で手を抜きたくないという監督の気概を感じる。アクションをしっかり見せたいという点も男性視聴者を意識しているように思う。
麻薬・覚せい剤が恐ろしいということをしつこく強調した演出や、終盤は中国警察の偉大さをアピールするプロパガンダになっているのはご愛嬌。(中国のドラマには教科書検定みたいな検閲があるので致仕方ない。)

主人公・呂云鵬がハードボイルドな主人公に走らず、ヤクザを前にすくんでしまったり人を傷つけることに抵抗があるという"一般人らしさ"を一貫して見せてるところが良い。普通の人っぽい所があるからこそ共感できる。復讐に燃え形振りかまわず突き進む男の姿、我が子同然の姪を守るため奮闘する父親としての姿、知識を武器にして暴力に立ち向かう策士としての姿、愛する女性を守る男の姿、倫理に従い人を救おうとする一人の人間としての姿…いろんな表情を違和感なく見せ呂云鵬という人間的で魅力的なキャラクターを作りあげてるユィ・ホーウェイ(于和偉)は流石。
ヒロインの江伊楠は警察には全く向いてない情にもろすぎなキャラで最後まで違和感だったけど男性にはウケるよなぁこういう一途な女って。
イケメン枠ぽいけど貧乏くじなキャラだった魏海。演じるチャン・タンフォン(張丹峰)はアイドルだとすると若干歳行ってるけど、お芝居が結構よかったので今後活躍しそうな雰囲気。彼は時代劇の方が似合うんじゃないかな。
ヤクザ役は俳優の個性を出せておいしい役だと思うしキャラの立った人が多かったけど、特にユーレイ(老鬼)が好敵手って感じで最高だった!ナニワの極道ものに出て来そうな二枚舌だけどめちゃくちゃ頭がキレる、んで終始携帯ゲームに興じているというクセの強さ。演じるのは「大秦帝国之縦横」で楚の靳尚を演っていたシァホウ・ビン(夏侯鑌)。敏登もわりと似たようなキャラだったけどこっちは全然小物っぽく見えてしまったのは俳優さんの実力の差か。
敵のボスである楚天南が、冷酷非情であることを示すシーンがあまりに少なくてただの娘思いの良いお父さんと化してて可哀想すぎた。演じるワン・ジンソン(王勁松)がまたあんまり大物っぽく見えない(失礼)のと、ワルい顔してないからさぁ。
主要キャストの殆どが年配でお芝居が上手いから物語も面白い。反面たまに出て来る若者の芝居がイテテってなる。呂夢瑶はかなりイタかった…。

本国でもめちゃ視聴率良かったようなのでもしかしたら日本語版くるかも?いやーでもキャスティングから見るとまだ無理か。話は断然おもしろいので日本でリメイクしてほしい。

「猟毒人(全50話)」のあらすじ。
中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。

[第四十八集]
王玉江はアンディに会長の二審の前に必ず結果を出すようにと銃を突きつけた。できるかどうかではなく我々が見るのは結果だけだと告げて帰る。追い詰められたアンディは徐麗(江伊楠)に連絡する。USBを渡すのでここから逃がしてくれと…。

呂云鵬が自室へ戻ると楚瑩が待っていた。彼女は"李東"の素性を調べたと告げる。云鵬は呉新河に姪と兄嫁を人質にとられブルーアイスの製法を要求されていたと話す。楚瑩は朱教授がいなくなりブルーアイスが作れなくなったにも関わらず楚門会に残っているその理由は何だと問う。すると云鵬は呉新河が楚門会を徹底的に潰すために楚瑩の命を狙っているのだと答える。そして今日その暗殺を迫られたが断ったため殴られたのだと頬の傷を示す。言う事を聞かなければ姪と兄嫁がどうなるかわからない、でも君を傷つけるなんてことはできるわけがない、と。
楚瑩は姪と兄嫁を救いたいなら私と結婚してと言う…。

酔って寝てしまった楚瑩を残して云鵬は伊楠と作戦を練りに。呂夢瑶と李玫には今度の水曜日に病院へ行けと伝えてある。国際警察が保護してくれるはずだ。USBについてはアンディの協力を得た、アンディが閉じ込められている暗号解読室の扉は王玉江の指紋認証が必要だ。彼が触れたドアから指紋をコピーしよう。問題は最近強化された厳重な警備体制だ。この数を分散させる手はないか…。

翌朝、云鵬は楚莹にゆうべの結婚の話を承諾すると告げる。姪と兄嫁を救いたいのもあるが、楚門会という大きなプレッシャーを一人で背負う君を黙って見てられないと囁く。楚瑩は呉新河に知られないよう簡単に結婚式を挙げようと言う。では次の水曜日にしようと云鵬は提案した。

水曜日が間近に迫り準備は着々と進められる。呉新河のホテルへは以前令状を持って捜索したが失敗に終わったため今回は同じ手は使えない。なんとか呂夢瑶らに自力でホテルから出てもらうしかない。
楚門会の内部の裏切りが明らかになり皆疑心暗鬼になっている今この時に結婚話を持ち出して来た楚瑩には必ず何か考えがある…江伊楠は心配するが、呂云鵬はもう後戻りはできないと言う。鴻門宴は始まってしまったのだから最後まで演じ切るしかない…。

翌朝、呉新河の前で李玫は暴れて車椅子から転げ落ちる。頭を打って気を失った母を見て早く救急車を呼んでくれと呂夢瑶が泣いてすがる。仕方なく新河は自分の車で病院へ連れていく。
診察室へ運び込まれた李玫。看護師が家族だけと入れと遮り部下らは外で待つ。が、医師は呉新河に拳銃を突きつけた。医師と看護師は国際警察にすり替わっていたのだ。李玫と夢瑶は窓から脱出し警察の車に乗り込む。

同刻、アンディは警備プログラムに侵入し暗号解読室のアラームを解除する。乍莱が時間通りに警備員を倒して扉を開錠しアンディを救出する。楚瑩の結婚式のために屋敷の警備員は少なくなっているとはいえ厳重だ。乍莱とアンディは警備兵に見つかってしまうが乍莱が応戦しなんとか迎えの車に乗り込んだ。

式場は白で統一された華やかな飾りつけがなされていた。呂云鵬はその式場をじっと眺めまわしている。王玉江から何を見ているのだと聞かれ、飾りの風船の数がちょっと少なかったかなと呟く。
楚瑩が楚天南の車椅子を押して現れた。楚天南は動けない体を小刻みに震わせ呂云鵬をじっと睨みつける。
云鵬は純白のウエディングドレスに身を包んだ楚瑩の手を取る。

[第四十九集]
楚瑩は集った楚天南の兄弟分らに挨拶し乾杯する。そしてその場で皆の麻薬取引を楚家に集約すると宣言した。兄弟分らは色めき立つが、その時皆胸を押さえて苦しみだした…乾杯のワインに毒が入れられていたのだ。楚瑩はいつか見た夢みたいだと笑う。人を皆殺しにするあのサバイバルゲームのよう…。彼らは長年父の商売にたかってきた寄生虫、父がこんな体になったと見て途端に裏切り群がって来るハイエナたち、だから死んで当然だと。そして呂云鵬の方を見て言った「で、貴方の事はなんて呼べばいいかしら。王鵬?李東?それとも…呂云鵬?」
王玉江が云鵬に銃口を向けていた。
楚瑩は既に云鵬らがアンディにUSBを持ち出させ逃がしたことも知っていた。そしてそのUSBは直前に王玉江によってすり替えられていたのだった…。
楚瑩は結婚指輪のケースを取り出す。この中に本物のUSBが入っているのだ。「でも、あなたが本当に結婚してくれたら私は全て許そうと思うの。」そう言って結婚指輪を見せる。王玉江が制止するが楚瑩は黙れと一喝する。
云鵬はしばらくの沈黙の後に小さくうなづく。
楚瑩は銃を手にすると江伊楠に突きつけた。「彼女だけは殺さなければならない、あなたの元恋人で、中国警察の江伊楠…。」
云鵬は平静を装い制止する。彼女を殺したとて楚門会の容疑が消えることはなく、中国警察殺せばますます楚門会への追及は厳しくなる、この状況でまだ幸せな結婚生活を夢見ているのか、それに…「それに、俺の兄・呂云飛は中国警察だった。彼女も同じ中国警察だ。俺は兄の復讐のために緬川に来た、生きて帰ろうなどと思った事はない。」そして伊楠の隣に立ち彼女の手を握る。楚瑩は苛立ちと憎しみを込めて銃口を云鵬へと向ける。その時、云鵬は隠し持っていたスイッチを押した!会場内に無数にある風船が割れ白い粉が辺り一面を覆った。
云鵬は伊楠の手をとり逃げようとするが伊楠はUSBを探すと戻っていく。視界が悪く何も見えない。銃撃を躱しやっと指輪ケースを発見し逃げ出す。迎えの車が到着したその時背後の会場で大爆発が起こった。

警察からなんとか逃げ切り自室に戻って来た呉新河、そこへ呉雄が現れる。向こうが"取引"を破棄した以上人質を生かしておく理由はないと呂夢瑶らの殺害を命じる。
保護された夢瑶らは港でアンディらと合流しあとは云鵬らの到着を待つ。だがそこへ呉氏の刺客が襲い掛かる。激しい銃撃に耐えられず車に乗って逃走する。山路へ入り車を捨てて逃げ、追っ手の一人を倒し残る一人を陳童と乍莱が応戦し夢瑶らを先に逃がす。

云鵬らは王玉江の追撃から逃れようと車を飛ばす。伊楠が車に積んであるマシンガンで応戦する。だが車が銃撃を受けオーバーヒート、爆発する直前に下車したが爆風に吹き飛ばされた。云鵬は山の急斜面を転がり落ち、断崖絶壁に転落するところを伊楠が間一髪でその手をつかむ。だが長くはもちそうにない。云鵬は自らその手を放した…。
その直後援軍が到着し王玉江らは撤退した。伊楠はUSBを彼らに託し、河へ落ちた云鵬を探しに向かう。

辺りはすっかり暗くなった。手傷を負った徐国棟を助けながら山の中を逃げる呂夢瑶と李玫。そこへ足音が近づいてくる。夢瑶は乍莱から預かった銃を手に構える…。


[A] 呂云鵬
化学博士。王鵬という偽名で楚門会へ。会長の娘・楚瑩が兄・云飛を愛していたことを知り彼女を利用しようと画策するが…。
[-] 呂云飛
呂云鵬の兄。濱江の麻薬取締局捜査官だった。孫宏宇という偽名で6年間楚門会に潜入し捜査を続けてきたが身元がばれて殺されてしまった。楚門会の不正の証拠を集めたUSBを残しているが高度な暗号でロックされている。
[B] 江伊楠
濱江の麻薬取締局捜査官。呂云鵬を救うため、また呂云飛が掴んだ楚門会の秘密を知る人物に接触するため、弁護士の徐麗という偽の身分で潜入。
[C] 楚瑩
楚天南の娘。呂云飛の恋人だった。呂云飛に似ている王鵬に惹かれるが…。
[D] 王玉江
楚天南の側近で護衛兵のリーダー。
[E] 楚天南
緬川勐卓に拠点を置く麻薬密売組織・楚門会の会長。脳溢血を起こし全身麻痺の体に。喋ることもままならない。
[F] 安迪(アンディ)
楚天南が招聘したアメリカの暗号解読のスペシャリスト。楚天南の第二審までに呂云飛のUSBを解析できなければ殺すと迫られている。
[G] 多猜
呂云飛の協力者だった男。密かに呂云鵬の手助けをしている。
[H] 乍莱
呂云飛の協力者だった男。密かに呂云鵬の手助けをしている。
[I] 呉雄
緬川坎納に拠点を置く麻薬密売組織・呉氏商会の会長。
[J] 呉新河
呉雄の甥。李玫と呂夢瑶を人質にとって呂云鵬を脅迫。
[K] 呂夢瑶
呂云飛の娘。呉新河によって母と共にホテルに閉じ込められている。
[L] 李玫
呂云飛の妻。呉新河が義弟を脅迫するために自分たちを監禁していると悟り、病気のふりをして呉新河の目を欺いている。
[M] 喬立偉
明山の麻薬取締局局長。江伊楠の楚門会潜入作戦の指揮を執る。
[N] 陳童
明山の麻薬取締局捜査官。殉職した魏海のことが好きだった。

* * * * *

→インデックス
「猟毒人(全50話)」のあらすじ。
中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。

[第四十六集]
手紙の主が書いた場所へやってきた呂云鵬。そこへ現れたのは、王玉江と孫穎、そして彼らの部下ら。云鵬は連行される。
王玉江は楚瑩に中国警察のスパイの松江とは王鵬だったと報告。孫穎はかつて孫宏宇(呂云飛)に横領の証拠をネタに脅迫され彼に協力していたことをカミングアウトする。その彼女が書いたと思わせた手紙にひっかかってきたのが王鵬だったのだと。孫穎は昔も今も楚門会を裏切ったことはなく、孫宏宇に脅された時もその後自分で会長に報告したのだと釈明する。

自分が教えられた場所が嘘だと気づいた江伊楠は急いで戻って来るが云鵬が連行されて行くのを見た。急ぎ魏海に連絡し、USBを奪取したら多猜に託し自分が本当の中国警察だと彼らの前に出頭すると言う。本物の松江が現れれば云鵬への疑惑は晴れる…。早まるなと魏海は制止するが、伊楠は一般人である云鵬を守るのは警察である自分の責務だとその決心は固い。魏海はあまりに早く出頭すれば云鵬を庇うために嘘をついていると疑われるだけなので二日待てと言う。そして必ず云鵬を助けてやると応えるのだった。

王玉江は呂云鵬に真相を話せと迫るが、云鵬は中国警察ではないし匿名の手紙が入っていたからちょっと気になって見に行っただけだと言い張る。王玉江は前にも言った通り楚瑩の心を傷つける者は生かしておかないと迫るが、云鵬は今自分を勝手に殺したらお前のお嬢様は深く傷つくかもしれないぞと皮肉っぽく笑う。

魏海は呉新河に電話する。呂云鵬が捕まった、奴を助けなければお前が望む物も手に入らないぞ、手を貸せと…。
魏海は坎納のとある派出署へ行き、中国警察の松江だと名乗り署長に会わせろと凄む。だが受付の警察官はやる気なさそうに返事する。そしてその背後で会話を聞いていた一人の警察官が素早くメールを打つ…。
その夜、魏海は一人寺院へ。吸ったこともない煙草に火を点けてくわえる。スマホの情報は全て削除した。暗闇の中でライティングによって幻想的に浮かび上がる寺院を見上げる。…その彼の胸を銃弾が貫いた。

今判断を誤れば楚門会の存在自体が危うくなると急かされた楚瑩はついに王鵬の処刑を命じる。王玉江は王鵬を門の前の広場へと連行する。そして彼に銃を向ける。
その時江伊楠が現れた。「私が…」その言葉を遮るように云鵬は言う「君は俺を見送りに来てくれたんだな、たとえもう愛してなくても、恨んでいるのだとしても嬉しいよ。君には君の人生がある、君には"やらなければならない事がある"んだろう。」
王玉江はニヤリと笑うと再び銃口を云鵬に向ける。伊楠が隠し持つ拳銃に手を掛けようとしたその時、部下がかけてきて王玉江に伝える。松江の正体は明山麻薬取締局の魏海だった、だが警察に潜り込ませておいたスパイが殺したと。王玉江のスマホに呉氏商会へ潜伏させているスパイからも松江の正体が魏海だったと連絡が入った。だがそのスパイには実は呉新河の銃が突きつけられていた。呂云鵬を救うための魏海の命を賭した取引なのだった…。
しかし王玉江はそれでも王鵬への疑惑を捨てきれない。あまりにタイミングが良すぎる。王玉江は注意深く二人の表情を観察しながら、魏海が結果的に王鵬の命の恩人となったわけだから今から行って彼の遺体を埋葬してやれと言う。徐麗にも一緒に行けと。二人には断る理由がない。
雷が鳴り激しい雨が降る中、云鵬と伊楠はずぶぬれになりながら魏海の遺体を埋めた。雨は涙が紛れてかえって都合が良かった…。

その頃、楚瑩は孫穎を呼び出していた。私の愛した男をあなたは裏切った…楚瑩は孫穎を射殺する。
王玉江が戻って来ると楚天南から電話のコールが。急ぎ部屋へ行くと楚天南はとある書類を指し示す。警察に潜ませたスパイに調べさせた王鵬の正体がそこには記されているのだ…。

翌日、呂云鵬は楚瑩に呼ばれる。楚瑩は沢山の人と殺人ゲーム(※ここではコンピュータのサバイバルゲームの事)をしている夢を見たと言う。彼はあのゲームが上手かった…。誰の事かと聞くと、その写真立ての彼だと言う。以前裏返しにされていた写真は表向きになっていた。楚瑩と呂云飛が仲良く並んだ写真…。彼は孫宏宇、本名は呂云飛で中国警察のスパイだったと楚瑩は話す。
云鵬は楚瑩と兄の写真を改めて見て気づいた。写真の中で兄が身に着けている時計、そして楚瑩が身に着けているネックレス、これらは兄が最後に空港から送った小包に入っていたものだ。楚瑩はそのネックレスは彼からのプレゼントだったが失くしてしまったのだと言う。云鵬の記憶ではそれは今夢瑶が身に着けているはずだ…。
云鵬と入れ替わりに王玉江がやってきて楚天南から預かった書類を渡す。ここに王鵬の正体が記されている、と…。

[第四十七集]
魏海の殉職が伝えられ明山麻薬取締局は重い空気に包まれる。喬立偉は江伊楠に撤収を命じた。USBは諦めてすぐに撤収しようという伊楠だが呂云鵬は兄が命を張って集めた情報が入ったUSBを諦められない。兄が最後に送って来た腕時計とネックレス、あれがUSBの暗号を解くカギなのではないか?
まだそんなことを言う云鵬に伊楠は激怒し涙を流す。魏海も孫末も犠牲になって、次は誰が死ぬと思っているの!と。

楚瑩は王鵬の正体を知るのが怖かった。彼は呂云飛に雰囲気が似ていて、今度こそ愛せる、信じられる男性だと思った。だが意を決して書類の封筒を開けて中身を取り出す。最初に目に飛び込んできたのは呂云飛と王鵬が並んだツーショット写真。王鵬の正体は呂云飛の実の弟…愕然とする楚瑩。

呂云鵬は坎納の呉新河の元へ。会うなり一発殴りつける。魏海の事は朱教授の一件とでおあいこだろうと新河はニヤリと笑う。云鵬は云飛の遺したUSBの存在を明かし、彼が最後に送った小包にはその暗号を解くカギが隠されていたと告げる。そして今その暗号を解くことができるのは自分だけだと言い夢瑶らに会わせるよう迫った。
云鵬は夢瑶に李玫の病を診せに"必ず病院へ行け"と告げる。そして夢瑶が身に着けているネックレスが必要だと言う。不審に思った新河が自らネックレスを外してやり素早く調べるがどこにでもありそうなものだったため云鵬に渡す。

楚天南の兄弟分らが集まってきて、会長が重病でその代役がこんな若いお嬢さんでは会社の未来が危ういとその経営権を分割譲渡するよう逼る。楚瑩は一両日中に答えを出すと言って帰らせた。
王玉江は王鵬の正体を知ってもなお彼を生かしたままにしておく楚瑩に、二度同じ過ちを繰り返すつもりかと声を張り上げる。会長は早くから王鵬に不審を抱き身元を調査させてきた、彼が来てから敏登もパゴダも死んだ、奴は今日も呉氏に会いに行ってる…!
だが楚瑩はたった今から自分が楚門会の会長だと王玉江に絶対服従を突きつける。



[A] 呂云鵬
化学博士。王鵬という偽名で楚門会へ。会長の娘・楚瑩が兄・云飛を愛していたことを知り彼女を利用しようと画策するが…。
[B] 呂云飛
呂云鵬の兄。濱江の麻薬取締局捜査官だった。孫宏宇という偽名で6年間楚門会に潜入し捜査を続けてきたが身元がばれて殺されてしまった。楚門会の不正の証拠を集めたUSBを残しているが高度な暗号でロックされている。
[C] 江伊楠
濱江の麻薬取締局捜査官。呂云鵬を救うため、また呂云飛が掴んだ楚門会の秘密を知る人物に接触するため、弁護士の徐麗という偽の身分で潜入。
[D] 楚瑩
楚天南の娘。呂云飛の恋人だった。呂云飛に似ている王鵬に惹かれるが…。
[E] 魏海
明山の麻薬取締局副局長。呉新河から李玫と呂夢瑶を取り戻すため緬川坎納へ。
[F] 王玉江
楚天南の側近で護衛兵のリーダー。
[G] 楚天南
緬川勐卓に拠点を置く麻薬密売組織・楚門会の会長。脳溢血を起こし全身麻痺の体に。喋ることもままならない。
[H] 孫穎
楚門会経理部の部長。
[I] 安迪(アンディ)
楚天南が招聘したアメリカの暗号解読のスペシャリスト。しかし呂云飛のUSBの暗号には苦戦している。
[J] 多猜
パゴダの腹心だったが実は呂云飛の仲間だった。密かに呂云鵬の手助けをしている。
[K] 喬立偉
明山の麻薬取締局局長。江伊楠の楚門会潜入作戦の指揮を執る。
[-] 呉雄
緬川坎納に拠点を置く麻薬密売組織・呉氏商会の会長。
[L] 呉新河
呉雄の甥。李玫と呂夢瑶を人質にとって呂云鵬を脅迫。
[M] 李玫
呂云飛の妻。呉新河が義弟を脅迫するために自分たちを監禁していると悟り、病気のふりをして呉新河の目を欺いている。
[N] 呂夢瑶
呂云飛の娘。呉新河によって母と共にホテルに閉じ込められている。

* * * * *

→インデックス
「故事販売機」(2018年 制作/愛奇藝)
84分

※日本語版はありません。

故事は物語のこと。インターネット配信のみの映画で中国版「世にも奇妙な物語」。
案内人の少女がコインを入れた"物語販売機"から四つの物語が繰り広げられる。

「鶏湯泡面/Chicken Soup Noodles」(原作/朱薇 監督/朱佳夢、王晋 主演/邵芸)
――小可は小さい頃から思った事をすぐに口に出す性質で友達をなくしてきた。そして今日は結婚式の真っ最中に新郎に愛想を尽かされ逃げられてしまった。落ち込む彼女の目の前にインスタントチキンラーメンの自動販売機が。ほかほか温かいラーメンは幸せな気分になり全てを許せる気がした。幸せになりたいなら全てを許す人間になりなさい、ラーメンがそう言ってるかのようだ。
それからというもの小可はムカつくことがあるとチキンラーメンを食べて全てを許した。すると幸せな気分になったし彼氏もできた。しかし…――

泡面はインスタントラーメンのこと。
コメディ。最後のオチも「世にも奇妙な物語」らしさ満載のショートショート。

「鬼打墻/Enter Nowhere」(原作/邱雷萍 監督/丁小雄 主演/曹云金)
――阿克は新しい恋人とホテルでデートの約束だ。一番良い部屋をとって彼女が来るのをウキウキして待つ。と、呼び鈴がなった。開けるとネグリジェに一枚羽織っただけの女が立っていた。隣の部屋の者だがカードキーを持たずに出てしまい締め出されたのでフロントに電話してほしいという。阿克はフロントに電話をかけようとするが電話の調子が悪く繋がらない。自分がフロントに行って伝えて来てやるといって出て行った。エレベーターで一階へ行くが、下りた階はなぜか一階ではなくさっきの四階だ。夢でも見たのか…?――

原題は「幽霊が壁を叩く」、英題は「出口なし」。
ホラー。本当にありきたりで話自体は面白くない。ホラーの表現も安っぽい。ただ主演のツァオ・ユンジン(曹云金)は芝居が上手いと思う。多分コメディ俳優だろう。

「官能許願/Wishing Upon An Organ」(原作/扶他檸檬茶 監督/丁小雄 主演/趙達)
――劉定一は超能力者だ。念じると物を動かしたりできる。ただ力を使うとその代償として体の一部が消えてしまう。消えた部分はしばらくすれば元に戻るのだが。
そんな超能力者の彼でもなんともできないのが幼馴染の小揚のハートを掴むことだ。彼女の25歳の誕生日にプロポーズしようと一大決心するが、なんと当日小揚は事故に遭って死んでしまった。定一は超能力で時間を巻き戻した。だがその代償として舌が消え喋れなくなった。定一は小揚が事故に遭わないよう現場に先回りする――

原題は「臓器が願いを叶えてくれる」、英題は「臓器に願いを」(「星に願いを(Wish Upon A Star)」をもじっている。)
ラブストーリー。これも話はオチも含めて拙いのだけど、主演のチャオ・ダー(趙達)がめちゃ格好良くてちゃんと泣けた。

「馴兎記/Taming The Rabbit」(原作/鄭淵潔 監督/陳静 主演/盧思宇)
――皮皮魯はピカピカの小学一年生になった。でも先生の言う事をきかずいたずらばかり。そんな皮皮魯を注意した同級生の女の子の頭が兎になった。みんなはびっくりするが、先生は素晴らしいと褒める。その女の子は全校集会でも褒められた。先生はみんなしっかり勉強して良い子になり兎になれるよう頑張りましょうと言う。
やがて一人二人と兎に変わる生徒が増えていき、クラスでまだ兎になっていないのは皮皮魯と梁果の二人だけになってしまった――

タイトルは「兎のしつけ」。
中国の有名な童話「ピピル伝」をモチーフにしたファンタジー、に見せかけたショートショート。シニカルでよろしい。お子様のお芝居もとっても上手。


非常に、もろに、「世にも奇妙な物語」だった。
若手の監督や俳優をフックアップするためのオムニバス。短いので見やすいけどどうしても話が安っぽくなる。コメディは楽しく見られるけどシリアスはちょっとねぇ…。


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