132分

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原作は日本の漫画「賭博黙示禄カイジ」(作/福本伸行)。
――鄭開司は日々ゲームセンターでピエロに扮して子供たちと一緒に写真を撮るバイトに明け暮れていた。父は早くに亡くし母は植物状態で長く入院している。母を看護してくれている看護師の劉青が恋人だったが、母の入院費も払えなくなり彼女に金を無心したため呆れて離れていった。
開司は友人の李軍の勧めで住んでいるアパートを抵当に入れて金を借りた。ところが李軍はそのアパートを元にとある秘密結社から金を借りた。法外な利息で金を返済できなくなった李軍は行方をくらます。そして鄭開司は怪しい男に目隠しをされ連行された。
秘密結社の社長アンダーソンは、保証人として登録されていた開司に返済を求めるが一生かかっても払いきれる額ではなかった。そこでアンダーソンはある返済方法を提案する。それは多大な借金を負う者ばかりが集められた一発逆転ゲームだった――
[ここからネタバレ-------
大型客船デスティニー号に世界中から借金を負う者らが上船する。"どんな事故が起こっても闇に葬り去られる"であろう太平洋の真ん中で彼らはゲームで争う。勝者には負っている借金全額分の賞金が与えられ、敗者には"ひどく恐ろしい罰"が待っているという。
アンダーソンからゲームのルールが発表された。それはカードを用いたじゃんけんゲームだ。各自グー・チョキ・パー4枚ずつ全12枚のカードを持ってスタートし、一対一でカードを出して勝負する。勝てば相手から星が貰える。星は最初に3つ与えられ、星がゼロになるとゲームオーバー。制限時間4時間以内に星を3つ以上持っている事と、ゲーム終了時にカードをすべて使い切っていることがゲームの勝利の条件だ。
スタート早々鄭開司は張景坤と名乗る男に声を掛けられた。景坤は同じ中国人のよしみで良い方法を教えてやるという。じゃんけんゲームはあいこの場合はカードは消費するが星は失わない。このゲームはカードを消費するのが目的なのだから、すべてあいこの勝負をすれば最初の星3つを持ったままで勝ち抜けられると。そして自分はパー、グー、チョキの順でカードを切るので同じように出せと囁く。
テーブルについて勝負を始める。開司と景坤はあいこばかりの勝負を続け順調にカードが減っていく。と、開司がチョキを出した時に景坤はグーを出した。開司の星が景坤に与えられた。景坤は順番を間違えたと平謝りし、次はわざと負けて星を返すと言う。そしてチョキのカードを開司に見せながらテーブルに置く。開司はグーのカードを置く。カードが開かれるが、景坤のカードはパーのものにすり替わっていた…嵌められた!開司は二つ目の星をも奪われてしまった。
鄭開司は船内で李軍に会う。彼も借金を返すためにこのゲームに参加していたのだ。だが互いに星1つだ。李軍は星が2つあるがカードを使い切った男・孟国祥に目をつける。彼に協力をもちかけるが、国祥は開司らのカードから一枚盗んで勝手に勝負を挑み敗けて星を失ってしまった。
開司らの持つカードはチョキばかりになってしまった。開司は人の心理としてグー、チョキ、パーを公平に切っていく可能性が高いと考え、カードを7枚持つ男に勝負を挑む。果たして男はパーを出し開司が買った。だが男は開司の残りカードが3枚だと気づくと三連戦を挑んでくる。初戦は男がグーを出し負けた、だが男は開司の残りのカードがグーとパーだと踏んで二回ともパーを出したため開司が二連勝した。こうして開司の星は3つになった。
その時突然ブザーが鳴り、アンダーソンが出てきた。そしてカードを密かにトイレに流して隠滅しようと図った男を連れて来る。ゲームの規則を破った者は星の数に関わらず失格とする、そう言って男を銃殺した。
勝負に用いられたカードは全て回収し計上されホール内にリアルタイムで表示されている。3時間が経過したが残りカードはパーが一番少ない。このままいけばパーが最初になくなりプレイヤーはグーとチョキしか持たないことになる、そうすればグーを持っていれば絶対に勝てる。鄭開司はグーのカードを金を出して買い集めた。
だが残り時間30分を切ったところで残りカードはチョキが異様に少なくなっていた。開司らがグーのカードを買い集めているのを知ったルカのグループが同じようにパーを買い集めていたのだ。ルカに勝負を挑み勝った開司はルカからカードを買い取る。
開司がカードを買い集めているのに気付いていた張景坤はホールの中央で皆に言う。カードも残りわずかになってきて誰が何のカードを持っているかがわかってきた、それで勝負が進まない。そこで皆のカードを集めてシャッフルし配り直さないか、と。同意する者が多く鄭開司らも加わらないわけにはいかなかった。
景坤はカードをシャッフルし配り直すが、50枚以上のカードを持っていた開司に景坤はカードの束を投げつける。カードはばらばらに散らばり開司らは慌てて拾い集めるが、その間に他のプレイヤーらはそれぞれ試合をしてどんどんカードを消費していく…景坤は開司らに試合をさせずにカードを持ったまま時間切れで敗者にさせるつもりだ!
景坤は試合でさらに星を増やしていくが開司は景坤がカードを集めた際にチョキのカードに折り目をつけていたと告発する。残り三分を切ったが景坤の試合を受ける者は現れず景坤は苛立つ。そこへ開司が星5つをかけて勝負を挑んだ。景坤がカードを出す。残り時間が迫っている、だが開司は景坤に皆を騙したことをこの場で謝れと迫る。景坤は自ら頬を叩いてすまなかったと謝るが、開司はまだ足りないと言う。残り15秒を切る…時間切れにさせるつもりか!景坤は思いっきり頬を叩いてみせる。残り1秒で、開司はカードを出した。カードが開かれる、開司の勝ちだった。しかしカードを持って終わった開司はゲームの敗者となり敗者の部屋へと連行されて行った…。
ゲームが終了し勝者が集められた。アンダーソンはこれから十分間、星の売買をしてよいと言う。3個より多くの星を持つ者はその星をアンダーソンが高額で買い取るし、星を敗者に売って彼らを助け出してもよいと言うのだ。張景坤から勝ち取った星が李軍の手にあり鄭開司は安堵するが、金に目のくらんだ孟国祥がそれを奪って逃げた。開司は絶望する、が隣にいた極道の男は「金を介さない信用などありえない」と嗤う。彼はしっかり金を用意しており手下のゲーム勝者の男から星を買い取る。そして出ていこうとするその後姿を見た開司は猛然と男に殴りかかる。だがすぐに係員に取り押さえられた。
極道の男は手下に金を渡し背中の傷に当てたガーゼを探すが失くなっている…実はそのガーゼに無数のダイヤモンドが隠してあった!開司がゲーム勝者の男にダイヤのつまったガーゼを見せる、ゲーム勝者の男はすぐに彼を出してくれと係員に星を差し出した…。
開司は無事帰って来た。以前と何も変わらないが母の看病をしバイトする日々だ。
と、病院でアンダーソンの手下の男を見かけ追いかける。病院の地下で彼を待っていたのはアンダーソン。八歳の頃に父親を連れ去った時にも彼の姿があったことを開司は急速に思い出したのだった…(続編へ続く)-----ここまで]
ただのアイドル映画だと思ってたら意外と画面にこだわりの見られる興味深い作りだった。
タイトルは人間の本性が現れる欲望渦巻くギャンブルの世界を現わしているようだけど…?
物語のキモ、観客が最も面白いと思う部分はカードゲームを論理的に考え攻略していく主人公らの姿だろう。でも冒頭からやたらとリキ入れて描いているのは主人公の鄭開司の心理状態を表すピエロのシーン。幼い頃見たアニメのヒーローのピエロの人格が自分の中にいると信じ込んでいる(要するに中二病の)開司が事あるごとにキレてそのピエロのように暴力を振るうんだけど、これは勇気の象徴として見ればいいのかそれともピエロが倒すモンスターが人間の欲の化身であるという見方をすればいいのかよくわからない。最後のメッセージも「どれだけ不幸な目に遭って人を信じられなくなっても自分の信念を失ってはいけない」という前向きな内容だったので、中二病の想像力をうまく働かして弱者を助けたヒーローとして見るべきなのだとは思うけど…正直伝わらない。
主演のリー・イーフォン(李易峰)は「老炮儿」で六爷の息子を演ってたイケメン。イケメンすぎて一人だけ浮いてる…この設定だともっとオタクっぽい雰囲気醸し出す子にやらせた方がよかったのでは…。ヒロインを演じるチョウ・トンユィ(周冬雨)はたれ目のカワイ子ちゃん。あとは張景坤を演じるスー・カー(蘇可)がダイアモンド☆ユカイに見えて仕方ないっていうね。
主人公が命を懸けるゲームに身を投じる「デスゲームもの」は日本でも散々やりつくされたけど、この手のは主催者側に利益がないことにどうしてもツッコミ入れてしまう。漫画やアニメの世界であって、訴えたいテーマがなければわざわざ実写化する意味はないと思う。
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