あさひのブログ -104ページ目
「大秦帝国之縦横」第十五集17分あたりから。
楚国・斉国との同盟に失敗し、軍部と意見が対立した張儀は辞職を申し出る。そして相国府で片づけをしていると、蘇萱がやってきた。

* * * * *

張儀:よく来たね。
蘇萱:張儀、いいかしら。
張儀:利聡いなぁ、相国じゃなくなって何日も経ってないのに、もうその呼び方かよ。(※1)
蘇萱:真面目にして。笑ってないで。
張儀:…話って?
蘇萱:…あたし…その…仲人がウチに来て結婚の申し込みを…嫁に行くのか行かないのかってあんたが言ってるって…。
張儀:誰に嫁に行くんだ。
蘇萱:あんたが言いなさいよ。
張儀:おれに言わせるなら当然おれの嫁にってことになるが。
蘇萱:あたしそうするわ。
張儀:!!…ああ天よ、おれは本当にこの日が来るのを待ってた。君はどうしてその気になってくれたの。
蘇萱:誰かが言った事(※2)であなたは仕事を失ってがっかりしてるところだから、あたしが言った事もたいして嬉しい事ではないかもね。でもあたしには条件があるの。
張儀:陛下の再度のお召しを待たず、君と宿を経営するのか。
蘇萱:どう?
張儀:……。
蘇萱:あなたはまだ天下を動かすことを考えてるの?
張儀:……。
蘇萱:でも陛下はもうあなたの職を解いたのでしょう。
張儀:君がおれを見捨てないでくれたことに感謝するよ。でもこの数日家にいて、はっきりわかった。これがおれなんだ。世の中にはもっと良い人がいる、君はやめておいた方がいい。このおれが役に立つ人物として重用されるのは、まさにこの考え(※3)があるからだ。この志があるからこそおれは信じられないような力が出る。もし国の政治ができなければ、おれは柴を刈ったり煮炊きができるわけじゃない、君の前に残るのは廃人だ、見たくもない生きてるのも嫌になるような。
蘇萱:でも陛下があなたをまた登用することはないでしょう?
張儀:もうすぐシェンヤンを離れようと思う。
蘇萱:行ってしまうの?どこへ?
張儀:大梁。
蘇萱:魏国…魏国へ帰るの。…じゃあ、私が別の人に嫁いでもいいのね。
張儀:どうしようもないさ。
蘇萱:…張儀、もし行ってしまったら、あたしはもうあなたを待たないわ。

※1 この時代、人を本名で呼ぶのはぶしつけで失礼なこと。普通は官職名やお兄さんお姉さんなどと呼ぶ。
※2 朝議で批判されたことを指す
※3 君主に天下取りを指南すること


* * * * *

→インデックス
「海洋天堂」のシュエ・シャオルー(薛暁路)監督が脚本を手がけた映画。
まぁこっちの方が有名か。

「北京ヴァイオリン」(2002年 原題「和你在一起」 監督/チェン・カイコー 主演/タン・ユン)
117分
北京ヴァイオリン 特別プレミアム版 [DVD]/ジェネオン エンタテインメント

¥5,076
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天邪鬼な性質でみんなが絶賛するものに対しては懐疑的に見てしまうのだけど、これは噂に違わぬ素晴らしい作品だった。原題は"あなたと一緒にいる(いたい)"の意味、英題は「TOGETHER」。

――片田舎で父と二人で暮らす13歳の劉春は地元では天才ヴァイオリン少年として有名だった。平凡な父・劉成は息子の将来のために田舎を出て大都会北京へ。劉春は音楽コンクールに出場するが5位どまりだった。劉成がトイレで用を足していると、外から審査員ら関係者の話が聞こえて来た…今日のコンクールも出資者の子供らが上位を独占した、こんなコンクールなど茶番に過ぎないのだと――

[ここからネタバレ---------
だが5位入賞の子だけは才能を感じた、と話すのを聞いた劉成は後を追いかけ、息子を褒めていた審査員の一人・江氏に息子を指導してほしいと頼み込む。
江氏は偏屈な人柄で、ボロアパートに沢山の拾い猫と一緒に暮らしていた。近所づきあいが悪く部屋は散らかり放題、髪はぼさぼさ、いつも同じ服を着て猫より臭い。ヴァイオリンは楽しんで弾け、音楽は心で感じろ、ただそれだけの指導だ。

劉春はひょんな事から近くに住む若い女性・莉莉に気に入られる。莉莉は金持ちの男を見つけては貢がせて豪遊しているのだ。海外セレブのように派手に着飾り男性と付き合う莉莉は劉春にとっては都会の象徴であり、淡い恋心にも似た憧れを抱く。

劉春は江先生とも次第に仲良くなって彼の過去の失恋話を聞いたり、莉莉が男に裏切られて傷ついたりする様を見ていく。はじめは無邪気に楽しそうな音を奏でていた彼のヴァイオリンは様々な感情を乗せるようになっていく。

息子のレッスン料を稼ぐために日夜働く劉成はある日仕事で行ったコンサートホールで新進気鋭のヴァイオリニストの師匠だという余教授の存在を知る。彼の後をつけて強引に家に押しかけて、息子の指導をしてほしいと頼み込む。そして江先生には頭を下げて、息子の指導者を替えたいと告げる。劉春の音楽的才能に惚れ込み、また自分の数少ない理解者として心通わせてきた江氏はレッスン料などなくても指導は続けたいと申し出るが、だがしかし現実には音楽で商業的成功を収めるためには技術才能ではなく、ただ金とコネだけが必要だということは彼もよく分かっていることなのだった…。
父が勝手に指導者を替えたことに反発した劉春は母の形見であるヴァイオリンを売って、そのお金で莉莉が欲しがっていたブランドもののコートを買い彼女の部屋を訪れる。莉莉は留守で代わりに彼女の恋人がおり、プレゼントを預かった恋人はそのコートを自分が買って来たと偽って莉莉にプレゼントした。
ヴァイオリンを売ってしまったと知り劉成は激怒する。莉莉もあのコートが実は劉春がヴァイオリンを売った金で自分にくれたものだと知り、ヴァイオリンを買い戻すため借金に奔走、また余教授に劉春の指導を頼み込む。教授は劉春のヴァイオリンを聴いてすぐにその才能を見抜き、次の国際コンクールの出場候補に加えた。余教授の家に住み込みで指導を受けることになった劉春。余教授の一番弟子の林雨は自分が出るはずだった国際コンクールの出場権が奪われそうになりあからさまに劉春を敵視する。

莉莉は友人らを頼ってやっと劉春のヴァイオリンを買い戻す資金を集め劉成に渡すが、ヴァイオリンはもう売れてしまっていた。劉成は莉莉の誠意に感謝しながらお金を返す。そして国際コンクールを待たずに田舎へ戻ると言う。側にいると息子の事が気になって仕方なく、また今後も金が必要になるだろうから田舎でしっかり働いて稼ごうと思うと劉成は言うのだった。
父が田舎へ帰ると聞いた劉春は急に寂しさを覚える。それに気づいた余教授は、劉春がコンクールで優勝し活躍することがお父さんの一番の望みだと諭す。そして劉成が教授に指導を頼み込みに来た時に彼から聞いた話をする。なんでも彼は昔北京駅で置き去りにされていた赤子を拾い、その傍らに置いてあったヴァイオリンを見て本当の親の意思と信じてその子供にヴァイオリンを学ばせたと……。

余教授は国際コンクールには劉春を出すと発表。それを聞いた林雨は怒って故郷へ帰る準備を始める。彼女に申し訳なさから声をかけようとする劉春に、林雨は彼の知らない教授の秘密を暴露する。実は教授は劉春の形見のヴァイオリンを密かに買い戻していた。コンクールで優勝したらご褒美にこれを出して見せて、教授への絶対的信頼を植え付けようというところだ。音楽は心がなければだめだと言う余教授自身には良心がないのよと林雨は吐き捨てる。劉春はその形見のヴァイオリンを手に飛び出していった。

北京駅。人ごみの中、父の姿を見つけた劉春はヴァイオリンを弾く。コンクールで演奏するはずだったチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。実の子でない自分を男手ひとつで育ててくれた、いつも将来の事を心配してくれた父…離れたくない、その感情のこめられた音は人々を立ち止まらせ魅了し彼の回りには人だかりができていた。
そして父と子は抱き合う――。(終)

-------ここまで]

ヴァイオリンを学びつつ様々な人との交流を経て成長していく少年と、息子のために奔走する不器用な父の姿をちょっとユーモラスに描く、心温まる物語。
個人的に好きだったのは、この作品の音楽や芸術に対する姿勢が真摯な点。江先生も余教授も、芸術としての音楽の肝心な部分は全く同じことを言ってる。それは小手先、技術的なことではなく、その人の持っている心に根付くもので、他人から教わって得られるものではないという事。教えることはできないけどそれに気付かせるきっかけをつくることはできるかもしれない、そういう点から彼らは指導してる。すでに技術面ではなくメンタル面での指導。でも林雨ちゃんのように、なかなか人はそれに気づくことはできない。余教授のやり方は間違いではないしむしろ名指導、名プロデューサーだと思う。そして芸術の追及と商業的成功はなかなか同じ方向を向くことはできない。それこそ運でしかない。解っていても生活のために商業的方向を向いていなければならないプロ芸術家の葛藤をも描いてる。

監督のチェン・カイコー(陳凱歌)は余教授を演じてる俳優さん。中国の映画は結構監督自身が出てたりするよなぁ。いや俳優さんが映画を撮ってるのか。[ここからネタバレ含む-----わかりやすいし素晴らしい物語だったけど、一点だけ、一点だけ残念だった。ラストは小春がヴァイオリン弾き終わるところで終わって欲しかった。暗転後の父子抱き合うシーンはいらない。いやもっと正確に言えば、莉莉と江先生のその「めでたしめでたし」って満足そうな表情が芝居臭くて腹が立った!!(´Д`;)-----ここまで]

この映画はとにかく劉春少年を演じるタン・ユン(唐韻)がすごい。思春期の少年らしい色んな本音を心の内に押し込めて無関心を装ってるところと、ラストの気持ちをさらけだすところのふり幅が、リアルで胸を打つ。ヴァイオリン、本当に弾いてるのかな。最初の頃はそれこそ感情のこもってないただ上手に弾いてるだけの芝居だったけどラストは真剣に素晴らしい弾きっぷり。これがお芝居だとしたら、もし音楽やったことのない人だとしたら、相当勉強してる。それこそ音楽の"心"をこの若さで理解してると思う。個人的に最も良かった譜面弾きのシーンも、その意味を理解する前と後のこの違いは"本当に理解"してないと、ただ監督の指図だけでできる芝居じゃあないだろうと思う。すごい役者さん。
あとはワン・チーウェン(王志文)演じる江先生がオイシイ。絵に描いたような芸術家、強烈なキャラで和む。主役級に目立ってたから後半も何らかで関わって来るのかと思いきや、ばっさり余教授にとって代わられてたから唖然としたけど。

そんなわけで「海洋天堂」と同じく、父と子の絆を描いた物語。もっとわかりやすいし日本人にはオススメ。これは間違いがない。
しかしこの邦題はもうちょっとなんとかならなかったんだろうかと思ってしまうほどミスマッチ。別に「Together」でよかったじゃん…。


北京ヴァイオリン/ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

¥2,592
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映画のサントラ。一般人から見ればただのクラシックCDなんだが…。


TSUTAYA DISCAS
2枚ずつしか借りられない。そしてひと月に4枚借りねば損…。
10勝6敗3引分け。




長いものに巻かれろ
「大秦帝国之縦横」第十三集36分あたりから。
男児を出産し後宮での地位も確立したミー王妃は、自分を王妃にしてくれた恩人である張儀も早く結婚して幸せになってほしいと言う。王妃に背中を押されて張儀は蘇萱にプロポーズに行くが…。

* * * * *

天佑:おかみさん、相国さんが来たよ。
蘇萱:どこに。
天佑:奥にいるよ。
蘇萱:あの人ならよく来るでしょ、珍しい事じゃないわ。
天佑:今日はいつもと違うんだ、様子が全く違って、贈り物の箱を持ってきてるよ。
蘇萱:贈り物なんて持ってきて何しようっての。
天佑:あなたにでしょ。
蘇萱:!!…ちょっと彼には待っててもらって頂戴、わたしはもうちょっとしたら行くから。
天佑:へへッ。おかみさん、人が変わったみたいだ。
蘇萱:何?
天佑:いつもは怒って声を荒げてひどい言葉を吐くのに、今の言い方ったら、物腰も柔らかくちょっと恥じらっちゃってさー。
蘇萱:うるさいッ!!
天佑:アハハ、それでこそウチのおかみさんだ。相国さーん!




(中庭で、張儀は水鏡に向かってなにやら呟いている)
張儀:…まずは堂々としてだな。「どうしてなかなか応えてくれないんだ?おれがわざわざ出向いてきてるのに。」でもこんなこと自分から言うものな…。どう言おう?彼女はもしかしたら殴るかも、「蘇萱ちゃんおれのお嫁さんになってくれ!」ピシッピシッて…。いや何を恐れるんだ!天下の王、その領地は幾千その民は百万。お前はかつて酷い奴にくくられ散々なぶりものにされたじゃないか(※1)、なんであんな嬢ちゃんの平手にびくびくと…
蘇萱:コラッ!どこのお嬢ちゃんが平手打ちって!?恥知らず!あたしはこんな厚かましく自惚れた人は見たことないわ!
張儀:今度から入って来る時はまずノックしろよ!
蘇萱:どこに戸があるっていうのよ!?(※2)
張儀:……君が入ってきたら、草花も生き生きと輝くようだよ。
蘇萱:この場所、ここがあたしの萱蘇客棧。綺麗に飾り付けることにかけては、ジンシェン居にも負けないわ。
張儀:うんうん、そうだね。
蘇萱:で、相国さん今日は何しに?
張儀:大切な用事があって。
蘇萱:ウチみたいな小さな店に、相国さんが自らやって来る用事って何かしら。
張儀:ちょっと待って。…人生における重要な事を考えないか?
蘇萱:何言ってるの。
張儀:人生で重大なイベントだよ。
蘇萱:聞きたくない。
張儀:君が聞いてくれなきゃ。
蘇萱:じゃあ相国さんお帰りになって。
張儀:蘇萱ちゃん、前に言ったじゃないか、龍門で王を称える式典が終わったら、君に言うって、おれは君に…
蘇萱:黙って!
張儀:君も分かってるんだろう。
蘇萱:知らない、聞きたくない。
張儀:おれの何がだめなんだ?君はすぐ何かのせいにする。
蘇萱:あなたは相国よ。
張儀:そうだが。
蘇萱:あたしはただの庶民よ。
張儀:おれは貧乏人を嫌い富豪を好む奴じゃあないよ。
蘇萱:ハァ!?
張儀:違う、違う。蘇萱ちゃん、身分の差なんておれたちには関係ない。偶然にも出会ってそしてすぐ惹かれたんだ。おれは国の仕事ではテキトーな事を喋って朝令暮改しても、君だけには冷たくしたり軽い態度はとらない。手を取り合って一緒に歳をとって行きたいんだ。
蘇萱:やめて!
(蘇萱は走り去っていく。心配して陰から様子を窺っていた天佑が出て来る)
張儀:またダメだった。
天佑:相国さん。
張儀:うわっ!!びっくりしたじゃないか!何するんだ!
天佑:僕が相国さんにいい方法を教えますよ。
張儀:お前が?
天佑:僕はばかだけど求婚の仕方は知ってますよ。こんなやり方じゃだめです。
張儀:じゃあどうしたらいいんだ?
天佑:納彩、問名、請期、親迎。(※3) こうだと記憶してます。相国さんはいきなり求婚してそれもたった一人で来たでしょ、家柄も言わず、これでは失礼です。ここはだだっぴろくて人が見てるかもしれないし。
張儀:確かに、それもそうだ。…お前盗み聞きしてたな!
天佑:いやその、違うんです!
張儀:…もういい。
天佑:…相国さん!忘れないで、まず仲人を頼むんだよ!

※1 楚国で窃盗の容疑をかけられ鞭打たれたことか。
※2 ここは中庭である
※3 結婚の儀式、段取りのようだ。


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→インデックス
「大秦帝国之縦横」第十一集28分あたりから。
張儀は豪商イー・ウェイが経営している高級ホテル・ジンシェン居で斉国の名士チェン・ジェンを発見し、強引にも萱蘇客棧に連れて行って蘇萱らにもてなしをさせた。イー・ウェイは相国閣下が萱蘇客棧のような安宿を贔屓にするのは似つかわしくないと言い、蘇萱の事が気にかかるならちゃんと結婚して養ってやれと言うのだった。
そして数日後、張儀は萱蘇客棧にやってきた。

* * * * *



天佑:相国さま、おかみさんなら奥ですよ。案内します。
張儀:いらん。来なくていい。忙しいだろう。
天佑:…毎回へりくだってみせてもいい顔しないんだから。

(奥の部屋で蘇萱は何か帳簿をつけているようだ)
張儀:蘇萱ちゃん。
蘇萱:相国さん、チェン・ジェンさまの分のお勘定に来てくれたの。
張儀:君は勘定のこと以外書き留められないのかよー。
蘇萱:書き留めとくことはたくさんあるわ。この数日は相国さん、あんたの事を書いてるの。
張儀:へぇぇ、おれの事を何て?
蘇萱:相国さまの国政の重要な事案(※1)について書き留めてるのよ。
張儀:それは書いちゃダメだ。
蘇萱:本当に書いたら罪に問われるわ。ねぇなんで将王の式典(※2)は龍門でやるのよ、シェンヤン城の方が良いのに。龍門なんて遠くて、誰が行くっていうのよ。
張儀:あ、わかったぞ。もしシェンヤンでやれば沢山客が入ってがっつり儲かるのに、そうだろ。
蘇萱:そうよ。見てよ、今人はみんな龍門へ行っちゃったからシェンヤン城は閑散としてるわ。
張儀:いや、おれと一緒に(龍門へ)行こう。その大場面を見ようじゃないか。
蘇萱:そんな暇はないわ。
張儀:その頃はシェンヤン城は空っぽだよ。活気もないのに、なんで営業し続けようとするんだ。
蘇萱:あんたに関係ある?
張儀:関係ありたいんだよ…。
蘇萱:な、何言ってるのよ。
張儀:…おれは、おれが本当に言いたかったのは、君には軽薄な奴だと思われたくないって事で。おれの気持ちは…
蘇萱:待って!言わないで。
張儀:どうして。
蘇萱:あ、あたしはまだ、どうしたらいいかわかんなくて。
張儀:何を考える事があるんだ!これから君の仕事はおれに任せてくれ。頭を使うことも体を張ることもみんな、おれが君の代わりにやるから。
蘇萱:あなたが、どうやって。
張儀:どうやって?おれは陛下に代わって秦国を動かしてるんだ、こんなちっぽけな萱蘇客棧くらい…あ、いやそういう意味では。
蘇萱:ふーん、そういう意味じゃないのね。
張儀:いや実際のところ、龍門の大典が無事終わったらおれはまた功名を建てることになるだろう。そしたらある大きな事をしようと思う。
……なんで大きな事って何って訊いてくれないんだよ。
蘇萱:言いたいことがあるなら王典が終わってから言えば。
張儀:いいところで止めるなよ、君もちょっとはノッてくれよー。
蘇萱:忙しいの、暇じゃないのよ!

※1 この店で張儀とチェン・ジェンが交わしていた内密の話を指す。
※2 秦公が「秦王」を名乗るための式典。「龍門の大典」「王典」も同一のイベントを指す。


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