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「クィーンズ」(2006年 原題「母儀天下」 監督/ホアン・ジェンチョン 主演/ユアン・リー)
全33話
クィーンズ-長安、後宮の乱- DVD-BOX I/ユアン・リー,ビクター・ホァン,サン・イエホン

¥19,950
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なんせ副題(邦題の)が「長安、後宮の乱」だし、これは絶対おもしろいだろうと目を付けてたのにいつの間にか配信終了しててショック…。なのでちまちまレンタルで見た。
監督は「大秦帝国」のホアン・ジェンチョン(黄建中)。

――前漢時代後期。官女として宮中に上がった五人の娘…王政君、傅瑶、馮媛、王昭君、李元児は、日々の地味な下働きに文句を言いながらもいつか陛下に見初められて妃にと夢見ていた。王政君はかつて母が女医として宮仕えをしていたが、冤罪で処刑されたため、宮中では欲をかかずにおとなしくしていることが一番だと常に皆を制止していた。そして実は傅瑶の母も女医で、王政君の母と共に処刑されたのだった。傅瑶は王政君の母のせいで自分の母も巻き添えになったと考えており心の中では王政君を憎んでいたが、皆とは仲良く振る舞いしかし誰よりも先に陛下に見初められ権力を手にしようと考えていた。
ある日宦官達が凧揚げをしているところに遭遇した五人は凧を奪って遊ぶが、その凧が皇帝の寵姫・張夫人の頭の上に落ちてしまう。凧を取りに行った王政君は張夫人からひどく叱られるが、彼女の変わった髪型に夫人は目を止め、自分の髪を結わせる。新しい髪型を気に入った張夫人はその後も王政君に髪を結わせたり香袋を作らせたりと可愛がるように。それに嫉妬した傅瑶は彼女を蹴落とすためにある謀り事をする――

いや当然黒い嫉妬渦巻く宮廷ドロドロ陰謀劇だと思ってたのに、ふたを開けてみたら純愛ラブストーリーで、なんだぁ…と思ってたら途中からちょっと硬派な陰謀劇に転じて行って。王政君の生涯を描く物語かと思ったらそうじゃない。彼女の時代の後宮の女達を描いたもので王政君もそのうちの一人にしか過ぎない。タイトルが「クィーン」なのがすごく納得。

前半はよくある後宮陰謀劇で王政君が幸か不幸か妃に選ばれて仲間やコワーイおばさま達からいじめられる話、そして後半は彼女たちの子供の世代の恋愛模様をなかなかに厳しい視線で描く。この後半第15話あたりからがすごくおもしろい!(°∀°)b
前半はありがちな設定なのと、ライバル役の傅瑶がどうも小物で王政君の芯の強さにまったく太刀打ちできてなくて正直つまらん。ところがこれが彼女たちの子供世代になると傅瑶も小賢しくなって母としての戦いにあれやこれやと陰謀巡らすようになって、さらに後半の主人公(?)の趙姉妹の恋愛模様は大きな波のようにアップダウンを繰り返して目が離せない!
昼のメロドラマなスキャンダラスな演出ではなくどちらかというと生真面目な演出で、特に序盤は純愛を描いてるところなんか、日本の「大奥」の菅野美穂が主演したTVシリーズに雰囲気が似てると思う。
前半の主人公でこの物語の狂言回しの役でもある王政君は、この手のにありがちな非現実的な聖人ではなくちゃんと嫉妬心や憎しみの心を持つ。彼女が若かりし頃に受けたコワーイおばさま達の仕打ちやあるいは恩情を、彼女自身が今度は若い世代に同じように与えることになる。歴史は繰り返すと言うかなんというか…序盤は華やかな恋愛ものだったのに後半は世の無常観を描き出してるというか意外と硬派なテーマを映し出してる気がする。

王政君を演じるユアン・リー(袁立)、最初は地味な善人役でパッとしないななんて見てたけど、わりとすぐ「黒い心は抱えつつも隠して平然とした顔を装ってる」のが解ってかなり好印象に。序盤の方で罠に嵌められて追い詰められ一度は自殺を考えるも思いとどまるところのお芝居がもの凄く印象的だった。少女時代に5人の中で浮いてる感じがしたのはもしかしたらキャリアの差かも?彼女、それなりに年配よね…少女役もおかしくはなかったしかわいらしかったけど、太后の方がハマリすぎててコワイ。そしてどれだけ努力し心を尽くしてきても必ずしも報われるわけではないという世の哀しさを全身で演じる。

華やかな宮廷生活…衣装や、特に髪型はものすごいバリエーションに富んでて見てて楽しい。ただ女性向けドロドロ宮廷陰謀劇を期待してる人にはおすすめしない。これは恋愛ドラマ×政治陰謀劇。なんか違うんだよなドロドロとは。愛を取り合って対立っていうより権力をめぐって戦ってるから…。
ちなみに今まで見て来た中国のTVドラマではキスシーンや肌の露出は御法度なのかなというくらい回避されてたのに、この作品はキスシーン多いし女性の肌の露出多いw


TSUTAYA DISCAS
2枚ずつしか借りられない。そしてひと月に4枚借りねば損…。




長いものに巻かれろ

今度こそチェン・カイコー(陳凱歌)監督作品。

「運命の子」(2010年 原題「趙氏孤児/Sacrifice」 監督/チェン・カイコー 主演/グォ・ヨウ)
117分
運命の子 [DVD]/角川書店

¥5,076
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史記に記載されているエピソードを題材にした物語、らしい。

――春秋時代の晋国。宰相の趙盾は息子の趙朔将軍に君主の姉・荘姫を娶らせ朝廷の実権を握る。自分が手にするはずだった栄光を横取りされた屠岸賈将軍は、君主を謀殺しその罪を趙盾になすりつけ、趙一族を根絶やしにしようとする。臨月に至っていた荘姫は夫の死のショックとともに出産し、居合わせた医者の程嬰に我が子を託して逃がそうとする。だがそこへ屠岸賈の部下の韓厥(カン・ケツ)が駆け付け、赤子を引き渡せと要求する――

[ここからネタバレ---------
荘姫は出産する前に死んだことにして子供は見逃してくれと自ら胸を刺して息絶えた。韓ケツは良心には背けず赤子を抱えた程嬰を見逃してやる。
荘姫は既に自害していたとの報告を受けた屠岸賈は現場へ行くが、荘姫は腹に詰め物をしてるだけだった。屠岸賈は怒り韓ケツの顔を切り付け罷免し、そしてすぐさま城内すべての赤子を集めるよう指示を出す。

程嬰は趙朔と荘姫の子…今や趙氏の唯一の生き残りを自宅へ連れて帰る。実は程嬰の妻も出産したばかり。赤子を妻に預け程嬰は急いで荘姫の信頼する貴族・公孫杵臼に助けを求めに行く。
程嬰が公孫氏を連れて戻って来ると、趙氏の赤子の姿がない。妻に事情を訊くと、趙氏の赤子を抱いてあやしている時に兵士がやって来て、赤子を連れ去って行ったというのだ。程嬰は青ざめる。城中の赤子を集め戸籍と照合し、残った子がつまり趙氏の子だ。今ここに残っている我が子が趙氏の子だと思われてしまう…。公孫氏は程嬰の妻子を自らの屋敷に匿い、程嬰は趙氏の子を取り戻すために赤子達が連れ去られた宮殿へと向かう。

子を連れ去られ泣き叫ぶ父母らの前で、屠岸賈は夜更けまでに趙氏の子をさらった悪人が自首しなければ赤子を皆殺しにすると宣言する。
集めた赤子とその母親を照合していくと、一人の赤子だけ母親が来ていないことが判明。我が子が連れ去られて黙っている母親がいようものか。その赤子は程嬰の子だと判る。屠岸賈は程嬰を呼びつけ真相を問いただす。たった一人の赤子を救うために100人の赤子を殺すのかと突きつけられた程嬰はついにこの赤子が趙氏の子で、自分の子は公孫氏に託したと話してしまう。
屠岸賈は彼が逃がした子こそが趙氏の子であると確信しすぐさま公孫氏の屋敷へ。公孫氏は殺され隠れていた程嬰の妻に子を差し出せと要求する。程嬰はこれは本当に自分の子だと言って屠岸賈に差し出すが、屠岸賈は赤子を床に投げつけ殺し程嬰の妻をも刺殺した・・・。

妻子を失った程嬰に残されたのは他人の赤子…本当の趙氏の子だ。茫然として時を過ごす程嬰だが、やがて赤子を一人で育て始め、人々は妻を殺された彼に同情する。
程嬰の元に、あの韓ケツがやってくる。程嬰はその顔の傷の手当をしてやる。韓ケツは屠岸賈を恨み、復讐をとげたいと程嬰に持ち掛ける。その彼に対して程嬰は、この趙氏の子を育て上げ、この子の手によって屠岸賈を殺し奴に地獄の苦しみを味わわせてやるつもりだと告白する。

程嬰は屠岸賈の屋敷を訪れ臣下になりたいと申し出る。そして勃と名付けた我が子(趙氏の子)に屠岸賈を父と呼ばせる(※父親と同様の敬意を払わせた)。屠岸賈は程勃を我が子のように可愛がり自ら武芸を仕込んだ。
やがて程勃は程嬰が常に自分を束縛することに反発し、より一層屠岸賈に懐くようになる。韓ケツはそろそろ程勃に真実を話し復讐を遂げる時期ではないかと持ち掛けるが、程嬰はまだ程勃に屠岸賈を殺す力は身についていないと制止する。
ある時屋敷を出たいとだだをこねる程勃を力づくで抑える程嬰を見て屠岸賈が仲裁に入るが、頭に血が上っていた程嬰は屠岸賈に剣を向けてしまう。その行動に屠岸賈は真意を問いただす。程嬰は、ただ妻を殺された恨みがあるという事だけを屠岸賈に告げる。程勃は父と慕う屠岸賈が自分の母親を殺したと知り衝撃を受けるが、本当の息子のように可愛がってくれた屠岸賈を憎いと思うこともできなかった…。

さらに時が経ち、15歳になった程勃は初めて戦へ出ることになった。甲冑を着込んだその晴れ姿に、屠岸賈は趙朔将軍の面影を見る・・・まさか、あの時殺したのは本当に程嬰の子で、この子こそが趙氏の子だったのか!
老いた程嬰の元に韓ケツがやってきて、もう待っている場合ではないと説得する。そしてついに程嬰は程勃に真実を告げる。だが程勃は父や韓ケツが屠岸賈憎さに嘘を言っているのだと反発し出て行った。15年かけた陰謀はついに実を結ばなかった…。

戦場で程勃は幾人もの敵を追いやるが、敵の援軍がかけつけ逆に追い込まれる。その姿を屠岸賈が離れた所で見ていた。生きていた趙氏の子…自ら手を下さずともここで戦死すればそれで終わりだ。だが程勃の救けを求める悲痛な叫びを聞いた屠岸賈はやはり彼を見捨てることができず助けに入る。敵を蹴散らし助けてくれた"父"に程勃は驚喜する。だがその時一本の矢が屠岸賈の肩に突き刺さる…それは韓ケツの放った毒矢だった。

程勃は急ぎ父の元へ向かい解毒剤を出してほしいと頼むが程嬰は動かない。程勃は父に剣を向け解毒剤を奪い屠岸賈の元へ戻る。
命を救われた屠岸賈は程勃に言う。実は程勃が趙氏の子ではないかと疑っていたと。程嬰は実子を殺されたことを恨んでいて自分が死ぬことを望んでいるのだろう、だが解毒剤を出してくれたということはやはりあの時殺したのは趙氏の子だったのだと・・・嘘だと思っていた父の話と同じことを告げられた程勃は、それが真実で屠岸賈が殺された父母の仇と悟る。

屠岸賈に呼び出された程嬰。彼は程勃の前で15年かけた陰謀の全てを告白する。
程勃は程嬰と、自分の身代わりになって殺された程嬰の息子のために剣を抜き屠岸賈に立ち向かうが、やはり歯が立たない。程嬰は屠岸賈の前に立ち、自分が程勃の代わりに殺されようと言う。屠岸賈の剣が程嬰の腹を刺したその時、程勃の剣が屠岸賈の心臓を貫いた。
意識が遠のいていく程嬰には、自分にそっと寄り添う程勃と、そして我が子を抱いた妻の姿が見えるのだった・・・。(終)

-------ここまで]

これはすごい。最初から最後までハラハラさせる物語!
父子の情を描いた人間ドラマなのかと思いきや(いやメインテーマはそうだけど)、一種のサスペンス的な、話の先の予測が二転三転してエンタメとしても楽しめる素晴らしい脚本!悲劇だから、おもしろいと言うと語弊があるけどおもしろかった!!
暗殺計画は成功するのかそれとも…緩むことのない緊張感が最初から最後まで続く。

これは物語上、程嬰と屠岸賈、この二人をどう演じるかによって訴えるテーマはいかようにでも変わる。下手するとせっかくの物語も安くクサくなってしまうし、どういう芝居をするかさせるかが大きなカギになる、監督の腕の見せ所な作品。
程嬰を演じるグォ・ヨウ(葛優)、屠岸賈を演じるワン・シュエチー(王学圻)はいずれも善悪に括られない、様々な矛盾する思いに葛藤するリアルな人間像を見せ、さすが映画らしい深みのある物語に。父子の情は血が勝るのか時が勝るのか、積年の恨みを晴らすため親と慕う子を犠牲にできるのか…二人の"父親"の本質的に同じ思いを別々の立場から描く。
最後クレジット見てやっと気づいたけど、グォ・ヨウは「ハッピー・フューネラル」の主人公ヨーヨーだ。現代劇と時代劇でイメージ違い過ぎて全く気付かなかったけど、でも言われてみれば納得のお芝居。あと晋王が「大秦帝国2」の楚王とキャラ同じだなぁって思ったら同じ俳優さんだった。

素晴らしい作品だったけど、でも、でも、この作品もまた、ラストシーンの1コマだけがちょっと納得いかない…。[ここからネタバレ含む------せっかく幻想的なシーンで締めくくろうとしてるんだから最後の最後倒れるシーンはいらないよッ!夢のまま終わらせてあげて!!-------ここまで]



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11勝7敗3引分け。



長いものに巻かれろ

これで三本目…。

「項羽と劉邦」(2012年 原題「楚漢伝奇」 監督/ガオ・シーシー 主演/ピーター・ホー、チェン・ダオミン)
全80話
項羽と劉邦 (ノーカット完全版) 第一章 [DVD]/ポニーキャニオン

¥32,400
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しつこいようだけど日本で言えば平家物語みたいな有名な逸話。これは2012年のTVドラマシリーズ。
「王的盛宴」で底知れぬ存在感を醸し出してたチン・ラン(秦嵐)がここでも呂雉を演ってるというので、これは見なければと。

――戦国時代末期、秦王・嬴政は楚国を亡ぼし天下を統一、史上初の「皇帝」を名乗る。楚国を最後まで守ろうと奮闘しそして戦死した項燕将軍の孫・項羽は、いつか秦に復讐し楚国を復興することを誓い叔父らと逃亡生活を続ける。
始皇帝の施政により民にはつらい労役と重税が課せられ厳しい法律と罰則に人々は戦々恐々とし、日増しにその不満は募って行った。旧楚国沛県の小さな村に暮らす劉季はろくに仕事もしない遊び人だが仁義に厚く村中の若者の信頼を集めるリーダーだった。だが彼の村にも労役の命令が下り、村中の男が秦の都の建築工事に駆り出されることになった。劉季は男たちを連れて秦都へ向かうが、途中で脱走者が続出。このまま都へ行っても命令に背いたとして全員斬首刑だ――

イケメンエリートだけど直情的である意味不器用な項羽(演:ピーター・ホー/何潤東)、一見ちゃらんぽらんだけど要領よくてカリスマ性の高い劉邦(演:チェン・ダオミン/陳道明)。キャラはすんごくイメージ通り!!(^▽^)b 一話目からつかみが良く、迫力と臨場感のあるアクションでグッと引き込まれる演出、キャラも物語もわかりやすく最初に主役二人をばっちり印象付けてて出だし快調!・・・だったんだけど、5話目くらいから鈍足になってきてものすごーく間延び感。間延びというかわざと引き伸ばしてる感が。項羽と劉邦が出会う前をこんなにじっくり描く必要はなかろうよ。韓信を出すのも早過ぎて存在忘れるって!股くぐりはもう回想シーンでやればよかったんでは?始皇帝の話もこんなにがっつりいらないよ!秦帝国の内部事情は全部ナレーションや伝聞で済ましてしまってもいいのに。(とはいえ、始皇帝の話は「大秦直道」とかぶってるので個人的には楽しめた。こっちの趙高は典型的な悪人っていうよりチョイ悪オヤジで妙にかっこよくて悶える。逆に李斯が個性無くてつまらん。始皇帝も地味!)
キャラは良いんだけど物語を引っ張ってく力がない。ただ史実を追ってるだけでそこにドラマがない。淡々としてて飽きる。正直20話あたりまですっ飛ばしてよし。そこそこ面白くなってくるのは30話くらいから。これ全80話はきついわー。50話あたりでよっぽどやめようかと思ったけどここまで来たしと飛ばし飛ばしで見た。[ここからネタバレ含む-----オープニング&エンディングで白髪頭の劉邦が何度か出て来るので、てっきり項羽倒して帝位に就いてから死ぬところまで描くのかと思ったけど、79話まで項羽生きてますw-----ここまで] いや長ぇよ!(;´Д`)ノ
もうまったく…これこそダイジェストで全50話くらいにまとめられる話。

この監督はストーリーよりアクションが得意なんじゃないかなという感じで、とにかくアクションは迫力があってイイ!ワイヤー、CGを絶妙に絡み合わせ、激しくブレてなかなか焦点を合わせさせないカメラワークで緊迫感を演出。男性におすすめできる迫力の戦闘シーン。ただ城攻めシーンは使い回しが多くてそこは残念。
女性向けにはきちんとイケメン項羽と絵に描いたようなお姫様・虞姫の純愛を丁寧に描いて乙女のハートをキャッチし、アカンタレな男に嫁いでしまった呂雉の諦めない底力と女の戦いをしっかり描いて主婦のハートを掴む。
セットは言わずもがな、アクションシーンの派手さ、エキストラの多さ、始皇帝の巨大な四頭立ての馬車とか金の掛け方がものすごい。配役も良いし、惜しむらくはこの平坦で遅々とした脚本か…。

主要キャラは本当にバッチリな配役。主人公二人はもちろんだけど、范増(演:スン・ハイイン/孫海英)が頭ひとつ抜けた存在感。軍師っていうと常に冷静で的確な助言を出しては皆に尊敬されるキャラってのが王道だけど、この范増は導火線短くていつもぷりぷり怒ってるし、若造な項羽に振り回されっぱなしでなんだか気の毒になってくる庶民的なおじいちゃんでかわいい。
俳優さんとしてはやっぱりチン・ランが素晴らしい!彼女の芝居の系統は日本人で言えば仲間由紀恵か。芯の強い女性役が似合うというのか、眼の奥に潜ませる憎しみの感情だとか哀しみの感情だとかが伝わるお芝居。カッコイイ!
あとは趙高おじさま(おネエさま?)と、本当にちょっとしか出てこないけど司馬欣がよかったな。司馬欣の最期の独白シーンはTVドラマというより舞台を見てるようだった。そしてこれは違うだろと思ったのが韓信。このヘタレっぷりはカッコ悪すぎない?さして顔がいいというわけでもなく芝居も大して深みもないし、なんでこの人がこんな重要な役張ってるのかナゾすぎる。

さてキャストには知った顔が多い。
中華小當家のフェイ→項羽。まーこの人はどこ行ってもイケメンエリート役だろう。
新水滸伝の李キ→ハンカイ。キャラもほぼ同じだし。
大宋提刑官2の伍徳→盧ワン。うーんこの人にはホワイトカラーな役をしてほしい。
大秦帝国2の昭陽→呂雉の父。まんまだ、同じだ。もしやお髭は自前?
大秦帝国1のホウ・ケン→ヨウ歯。こっちもオイシイ役!
新水滸伝の林チュウ→英布。やばいこっちはワイルドでかなりかっこいい。
集結号のスン氏→戚夫人。顔が善人なのでどうもはっきりしない中途半端なキャラになっちゃってた。
大秦帝国1のエイ虔→灌嬰。パッと見は分からなかったけど声が一緒だ。



ドラMAXアリーナ
一話目無料。
13話まで有料で見たけど、あとはまた中国語で見た。話はわかりやすく作られてるので
序盤の設定だけ把握できればスイスイと。



長いものに巻かれろ

「鄭和 -偉大なる旅人-」(2006年 制作/NHK)
全二部150分
偉大なる旅人 鄭和 [DVD]/出演者不明

¥5,076
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1400年代にインドやアフリカにまで航海した中国の鄭和の業績を紹介するドキュメンタリー。
「北京ヴァイオリン」のチェン・カイコー(陳凱歌)監督が再現ドラマ部分の演出を担当しているらしいので見てみた。

鄭和は元(げん)の時代に西洋(トルコ?)から移住してきた人々の子孫で、敬虔なイスラム教徒。…とこの時点で興味がなくなってしまった。中国人じゃないじゃん。中国人だけど、民族的に、宗教的に…。(´д`lll)
元朝が滅び明朝が建って、鄭和は戦功をあげて出世し、皇帝の命で東南アジアからインド洋まで朝貢貿易の任に就く。200隻もの大艦隊を率い、東南アジアの海賊を追い払って海の平和を取り戻し各国と友好的な(と表現されてるが朝貢を迫ったんだろ?)交易関係を作り上げた。

第一部は主に鄭和の生涯を描き、第二部は…前半寝てたのでわからないけど(´Д`;)鄭和を世界へ向けた貿易と友好のシンボルとして祀り上げて力を強大化させていく現代中国と中国共産党について語ってる?
これはコロンブスとか海の旅に興味があれば面白いのかもしれないけど、そうでないと大変つまらん。第一部の最後から第二部にかけて30分くらいは寝てしまった。
このドキュメンタリーの結論としては、バスコ・ダ・ガマが武力にものを言わせて現地人を虐殺し支配していったのに対して鄭和は現地人の思想や宗教を尊重し友好的な関係を築こうとしたという所を評価し見習うべきだということらしい。
いや比べる対象がひど過ぎるだけで、普通じゃね?

再現ドラマ部分ねぇ…幼少期のあの部分の事?ドラマなんて殆どないじゃん。これで「ドラマ演出:陳凱歌」ってアオリ入れるのはアカンやろ、詐欺だ。
そしてNHKのドキュメンタリーで時々鼻につくのが、どうでもいいところにCG使って「ウチの技術はどうだ凄かろう」と自慢げにしてるところ。もちろん200隻の艦隊やその旗艦を詳細にCGで描いてるのはわかりやすいしさすがNHKと拍手。でも時々「老仙人」と「童子」という子供だまし道先案内人なキャラが出て来て、それをわざわざ凝ったCGで作ってるのがイラっとくる。そこは簡単なアニメや静止イラストで充分でしょ。
あとね、鄭和は幼少期に明兵に捕まって宦官にされるんだけど、そこでこの「童子」が「老仙人」に尋ねる。
「老師さま、カンガンって、何ですか?」
「なんじゃ、お前は、宦官も知らぬのか。」


NHK的には宦官くらい幼子も知ってて当然らしい!


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長いものに巻かれろ
「大秦帝国之縦横」第二十四集23分あたりから。
姫狐公主は燕国へ嫁いでいき張儀はひどく落ち込む。だがその後燕国で内乱が起こる。燕への使者を拝命した張儀の元にミー王妃がやって来て、ある真実を告げる。張儀は萱蘇客棧へ。蘇萱と天佑は機嫌の悪そうな彼を恐る恐る出迎える。

* * * * *


蘇萱:相国さんどうしてまだ秦国に留まってるの?
張儀:お前はおれにどっか行ってほしいと思ってるのか!?
蘇萱:どうしたの。わたくしはちょっと気になって聞いてみただけですわ。
張儀:おれには君が何を考えてるのかわからないよ。
蘇萱:じゃあ相国さま余計な言い回しはおやめになって、わたくしにおっしゃってくださいな、わたくしが何を考えているのかと。
張儀:つまらん芝居はやめろ!
蘇萱:天佑、お帰りよ!いいえ、追い出して!
張儀:ふざけるなッ!!
天佑:…相国さん今日はどうしちゃったんだろ。
蘇萱:変な薬でも飲んだのかも。お役人に言ってきて。
天佑:相国さん、大丈夫?
蘇萱:行きなさい、あんたのすべき事をしなさい。
天佑:俺は相国でもないのに、なんでこんな面倒事で忙しくなるんだろ。
張儀:うるさい!!
(怒鳴られて天佑はすっ飛んで行く。)
蘇萱:…どうして燕国へ行かなかったの。
張儀:どうしておれを騙した。
蘇萱:わたくしが相国さまを騙せるとでも。
張儀:シェンヤンの官府のどこにもお前達の婚姻届けはなかった。なぜおれを騙す。
蘇萱:……。
張儀:話してくれ。君は騙したかったわけじゃないんだろう。
蘇萱:…相国さまは私の罪を問いにいらしたのね。
張儀:そうだ。
蘇萱:私は相国さまの言う通りの処罰を受けるわ。
張儀:もうおれを相国さまなどと呼ぶな。
蘇萱:本当に、私のことを恨んでるようね…。
張儀:そうじゃない、そんなことできるわけがない。明日おれは燕国へ出発する。
蘇萱:!…あなたはまだ彼女の事が忘れられないのね!
張儀:もし無事に戻ってきたら、おれは君と一緒になりたいと思ってる。

* * * * *

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