パリ・オリンピックも終了へ~パリで強盗に遭遇した! | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

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不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

前回の東京オリンピックから、選手村の内情や選手の素行などが、選手たちのSNSでアップされ、ものに寄っては炎上したりする。

SNSが良いのか悪いのか、管理団体が良いのか悪いのか、本人が良いのか悪いのか、なんか場外乱闘なネタがニュースになるのもどうなんでしょ?

 

そんなパリ・オリンピックも今夜で終了となる。

ニュースターの登場、まさかの落選劇、等々、色々ありましたが無事に終わりそうで何より。

個人的には、開会式の「パリ」の街全体をステージとした演出はよく出来たものだと思うし、パリだから成立するんだろうなとも思った。

実は一度だけパリに行った事がある。

1993年、今から31年前だ。

以前アップしたが、エディ・コクランの事故死現場へ花を手向けにイギリスへ行った際、同行した元同僚が「フランスにも行きたい!」と言い出し寄ることにした。

やはり、街並みは古さの中にあるオシャレを感じたし、日本以上に新旧の同居が上手く出来てる感じもした。

だが、当時はもっと大人になってから来た方がより楽しめそうな印象だったっけ。

 

そんなパリでの珍道中の思い出をひとつ。(以前一度記した気もする)

人生で一度だけ強盗に遭遇したのがパリ!

パリは東京のように地下鉄が発展しており、「メトロ」としてよく知られている。

東京の地下鉄移動でさえも難儀な事が多いのに、生まれて初めてフランス語に接する身としては移動方向の間違いや乗り間違いなど無いように、どうしても地図を見て駅構内の仏語と見比べて移動せざるを得ない。

すると、地元のパリジャン&パリジェンヌより移動に時間がかかり、気づくと我々2人きりになる事も。

そんなこんなで、移動中階段を上がっていたら、いきなり後ろから「アロ、アロー!」と声をかけてくる者がいた。

ドレッドヘアで言っちゃ悪いが小汚い黒コートの青年、デビュー時のレニー・クラッヴィッツが貧相になった風貌。

なんかやたら親し気に話しかけて、「ジャポネーゼ?」と言っていたので「ウィ」と答えそのまま階段を上がると、「ウエィ、ウエイ」と先回りして止めに入る。

「クソみたいなものを売ろうとする輩か?」とかつて自分がアメリカで似たような経験をしたのでそう思ったが、「モネ、モネ」と言い出す。

モネ?画家?贋作でも売りたいのか?

よくわかんないので関わらないようにしたく、さらにこちらは階段を上がると。血相を変えてそいつが「モネー!モネイッ!!」と通せんぼして来やがる。

何だよモネイって!と思ったが、ん?待てよ…モネイ、MONEI、MONEY?金?強盗?!と思ったその時、男はコートのポケットから何やらガチャガチャと音がする物を出し始めた!

拳銃…ああ、俺はパリの地下鉄構内で命を落とすのか…そう思うと人生が走馬灯のように回り出しそうになった、だがその時に男が出した物はカッターナイフ。

しかも日本人に馴染みのある赤い柄に黒い丸の部分を回して刃を出す、あれ。

そうなると「カッターでは多分死なない」そう思い、走馬灯のように動き出そうとした人生もピタッと止まった。

だが、刃物は刃物、怪我などしたくない。

ちなみに、階段を上がっている時だが元同僚が先を行き、自分が後ろにいた。

この同僚、失礼ではあるが、見た目が実写版パタリロのような風貌。(苦笑)

小柄でまん丸な感じで、愛想もよいので、強盗も身体を張って元同僚を止め、再び「モネイッ」と言うので、二人してとりあえず小銭渡してこの難局を乗り切ろうとジーンズのポケットから小銭を出し差し出した。

2人で千数百円くらいか?

向こうは日本人旅客がこの程度のはした金しか無い訳がないと思ったのだろう、元同僚がベルトに付けていたポシェットを開け、財布を出し中を見たが、レシートとカードしか無い。

それもそのはず、彼はちょうど仕事を辞めた直後で収入が無く、自分から借金し交通費と宿泊費は自分が立て替えていた。

(先に自分の財布を見たら、おそらく1万円分くらいのフランはあったのだが) 

すると、今度は日本人なのか確かめたくなったのだろう、彼のパスポートに手をかけた。

その瞬間、元同僚はパスポートだけは盗られてはいけない!と思い、そのパスポートを逆にひったくるや「何すんねんボケ!もう、ええわー!ったく!!」と怒鳴り、ずんずん先を歩き出した。

元同僚は大阪人でした。

パリの強盗より、大阪弁の方が凄みがあると初めて知りました。(笑)

強盗もひるんで後ずさったが、「ウエイ、ウエイ」とカッターをかざして後に続く。

ちょうどその時、日本でも地下鉄の階段横にはエスカレーターがあるようにパリもそうで、一人の老紳士が上がって来た。

そこで、自分が先の二人の方に目で合図すると、その老紳士が半身を出し覗き込み強盗と判ったのだろう、「何かあったのかい?」みたいに声を出してくれた。

すると強盗、ヤバいと思ったようで、カッターをポケットに戻し、両手もコートのポケットに突っ込み天井を見ながら口笛を吹きだした。(爆笑)

ほんとにそんなリアクション取る奴っているんだ?!と変な感激を抱いた。

その後、その老紳士の歩調に合わせ構内を移動するが、まだあきらめの着かない強盗は10mくらい後を付いてくるも、また皆で振り返ると立ち止まり天井を見上げ身体を揺する。(笑)

そのまま、ホームに付くと強盗もこれだけの人の多いところで悪さも出来ず、壁の角から顔だけ出しこちらを恨めしそうな表情で見ていた、それもまた笑えた。

小銭だけでも盗れたのに、欲を出すから一銭も取れず。

それにしても、海外の強盗には大阪弁でスゴんだ方が強いというのは良い勉強になった!(笑)

あれが、もう31年前か…。

最後に、1993年のエッフェル塔をどうぞ。