映画「帰ってきたドラゴン」~「夢物語」/ついてない1日 | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

今日と明日が、丸1日何も仕事のない「夏休み」!

日がな一日、明るいうちは高校野球を、夜はプロ野球をテレビ観戦して過ごすのも有りか?とも思ったが、たまたまレアな映画の再上映を知り、本日はそちらへ。

 

事前オンライン予約をし、12時35分上映に合わせて家を出ようとしたら突然の豪雨!

ほんの1時間前までスマホの天気予報は晴れだったのに…。

予約してなかったら行くのやめたよ。

でも、もう予約しちゃったので出かける事に…。

この豪雨だとスニーカーはすぐ水没するだろうと思い、真夏なのにブーツを履いて出かけるも、ブーツとジーパンはわずか2分で水没…びっしょびしょ。。。

(挙句の果て、久々に履いたブーツなもんで踵上部の内皮が型が付いて硬くなり靴擦れをおこす。。。)

そんな濡れネズミ状態で上映館「新宿武蔵野館」の前に辿り着くと、同じタイミングで50人ほどの中国人旅客の大集団が同じビルに入って行く。

3基あるエレベーターは当然中国旅客団が占拠。

仕方ない階段で上がると、階段室は湿度100%で、目的階に着くと汗だく。。。

雨と汗で完全ビショ濡れ状態で映画鑑賞に臨む。

本編上映が始まるとあろうことか空調を強め出した!

こうなると、濡れ身体が冷え、寒さと尿意との戦いとなるのでは?と大きな不安を抱きながら鑑賞に入る。

あ、書き忘れてました!

映画は「帰ってきたドラゴン」です。

これは、ブルース・リーからなるカンフー映画ブームの真っ只中の1974年に日本上映された。(本場、香港では前年1973年公開)

当時、カンフー映画の都である香港で、無名の日本人が1人本場カンフー映画で大活躍していると言う事でその俳優と出演作映画「帰ってきたドラゴン」が、今から50年前に日本上陸したのでした!

今回の上映はそのアニバーサリーである。

その和製ドラゴン、和製ブルース・リーと称されたのが「倉田保昭」氏だったのです。

リアルタイムでも映画館で観ました。

当時、新宿に住んでいて、確か東映パラス劇場っていうのがあって、そこだったような…。

あれから50年後にまたこの映画を新宿で観れるとは!

しかもほぼ満席!

場内にはフォトスポットも。

 

正直、この映画の主役はポスト・ブルース・リーと言われた「ブルース・リャン」で、その敵役が倉田保昭氏。

なので、日本では大々的に倉田保昭主演作のように吹聴されたが、実は違う。

ただ、ブルース・リャンにしても異常なまでの身体能力を持つので、それよりも強いと思わせるカンフー及びアクションをやれる俳優はそうそうはいない。

そこと互角で付き合える倉田氏のアクションもあってこそ、この映画が観客を魅了する。

だが、この映画は当時はそれなりにヒットしたろうが、世間的に名作と呼ばれず、時の流れと共に忘却の彼方に消え、マスターテープさえも無くなってしまった。

今回は、監督のウー・シーユエン氏が個人所有していたフィルムを2K化し(4Kでなく2K?…いわゆるデジタル・リマスター化って事だと思う。)、再上映に至った。

ちなみにウー・シーユエン監督は後にジャッキー・チェンの出世作「酔拳」の監督で、その後は香港映画の重鎮となる方。

 

作品はと言うと、1970年代初頭の香港映画ですので、なんか1940年代のアメリカカラー映画のような粗さではあるが、前述の倉田氏とB・リャンのアクションは今も目を見張るものがある。

当時はまだ香港もワイヤーアクションもなく、あくまで一俳優の身体能力だけがものを言う世界。

たぶん上映時間の半分以上は、アクションや小競り合いのシーンだったのでは?

かつて倉田氏の回想トークで、この映画が一番大変だったと言っていた。

リハや具体的なアクション指導が無く、倉田氏が自らアイデアも出して、B・リャンと二人で「こんなアクションをしよう~」みたいな感じでぶっつけ本番の一発勝負で成功させないとならなかったとおっしゃっていた。

余談だが、ブルース・リーにヌンチャクの存在を知らしめたのは倉田氏である。

とにかく、カンフーや連続バク転やら、他の出演者も含め、身体能力がものを言う映画である。

 

そして、同時上映では現在の倉田氏主演の短編映画「夢物語」を立て続けに上映。

ここでも、倉田氏78歳でファイトシーンを身体張って演ってます!!

もちろん「帰ってきたドラゴン」の頃のほど、足は上がらないし、ジャンプや回転するシーンは無いが、それでもこれだけ動ける!というのを見せつけてくれます。

 

日本に戻ってテレビドラマの「闘え!ドラゴン」や「Gメン75」でご活躍したのもリアルタイムで観ていたし、7年くらい前に昼ドラ「やすらぎの郷」でも喧嘩アクションを見事に極めていたのも印象深い。

シルベスター・スタローンがかつてのアクション系俳優を集めて「エクスペンダブルズ」と言う老齢傭兵の映画シリーズを成功させたが、倉田氏にも、藤岡弘、とか勝野洋とか、あの辺りの俳優さんらと日本版「エクスペンダブルズ」みたいな映画を制作して欲しい。

現在、倉田保昭氏は自ら「倉田プロモーション」という会社を運営して、俳優の養成や、演劇・映画制作など精力的に活動されています。

 

映画「帰ってきたドラゴン」は新宿武蔵野館で上映中。

 

座っていた座席の前が通路だったのだが、終演後にいそいそと出口へ向かう巨漢女性に思い切り足を踏まれた…超痛ぇ!

さらに、地元最寄り駅を出ると、雨は完全に上がり夏陽が射しまるでサウナ状態。

帰宅すると身体中から汗が吹き出し、服が汗で再び濡れネズミ状態に戻った。。。