喫茶 ばらーど | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

昨日、中野へ用があり出かけた際に、ランチをとある喫茶店で食べようと決めていた。

そのお店は「ばらーど」さんである。

昔、京橋に自分が担当していた企業があり、そこへ行く際にアポの時間より早く着いた時や、逆にそこから次に移る際に時間がある時などによく利用していた喫茶店が「ばらーど」でした。

もうその企業の担当から外れてかなり経つので、その「ばらーど」さんが中野に移ったことを知ったのは先月の半ば。

当拙ブログにコメントを下さる奇特な“火星人”様のブログ「火星人備忘録」で知ったのでした。

(火星人様、ありがとうございます!!!)

ちなみに京橋で営業されていた頃は、やや古めな感じのビルの2階にあるのだが、1階からまっすぐそのビルの最上階まで上がる階段の真横にドアが現れ、そこを入ると古き良き喫茶店という佇まいでした。

 

そして現在の「ばらーど」さんは、中野駅の北側、早稲田通り沿いの舗道にその看板を見つけることが出来る。

この細い敷石の私道と言うか敷地延長路の先に存在した。

民家なのです!

この入口を開けると、普通に人の家です。

廊下と階段が待ち受けます。

スリッパがあるので、玄関で靴を脱ぎ、そのスリッパを履き、右手にあるスライド戸を開けるとそこが「ばらーど」。

こちらは店主の自宅リビングを改装してお店エリアとして作ったものです。

とても上品で落ち着きのある空間です。

奥にキッチンがあり、手前は陽射しがよく入る庭に接しています。

ガラス戸の向こうはこんなお庭。

キッチンには店主のご主人が入り、ホールは奥様がご担当していた。

お二人とも口数も少なく上品な感じですし、こんな素敵な空間でランチができるなんて贅沢な時間を過ごせそうです。

 

さて、何をいただこうか?

え!マジ?

安っ!!!!

今時、350円でコーヒーを提供する喫茶店なんて無いんじゃない?

一番高くて800円のミックスサンドです。

オーダーしたのは、タマゴサンドとブレンドコーヒー。

すぐ出るのかな?と思ったらちょっと時間を要してる。(その理由は後で判る。)

ふとテーブルの上を見ると、昔ながらの砂糖入れが。

この銅製の砂糖入れ!

左はちゃんと“コーヒーシュガー”が。

こういうの見ると「コーヒー」を「珈琲」と記したくなる。(笑)

昔の喫茶店が本格派かどうかはこの砂糖入れかどうかで判断してました!

これ、京橋にあったものと同じだった気がする。

ってな事で、待っている間に冒頭に書いたようなことを、お伝えすると奥のキッチンにいた店主が出てきて色んな資料を持ち出してきて見せて下さった。

なんと中国で発売されている日本の喫茶店を紹介したムックに登場したと言って、その本と翻訳された日本語の用紙を拝見。

非常に実直にコーヒー、喫茶店と向かい合ってきた店主のお人柄や、そのご主人に猛烈にアプローチした奥様とのいきさつまであり、ちょっとしたドラマの原作本でも読んでいる錯覚さえした。

「ばらーど」さんはこれまで上野、神田、京橋、そしてここ中野と移って来たそうだ。

もう50年くらい、京橋では11年、そして2年前に自宅を改装し開店に至ったとおっしゃる。

他に、テレビでも取材されたらしく、その際に提供したこれまでのお店のスナップなどをまとめてスクラップにしたものも見せてくれた。

すると、その写真の一番新しい、つまり現在のこの店の開店に合わせ大きな開店祝花が写っていたのだがその差出人の名前は“倉本聰”ではないか!!

なんと倉本氏の愛好するコーヒーは、ここのブレンド、つまりばらーど店主の作ったブレンドコーヒーだと言う。

いやぁ、驚き!

なんか、それを聞くと一段と格別なコーヒーをいただけるような気になる。(笑)

で、そうそう、砂糖入れはもちろんテーブル、椅子、室内の装飾もの、もちろんコーヒーブレンダーやサイフォンも全て京橋のお店からそっくりそのまま持って来られたと言う。

座った時に椅子の上にあるムートンの感触を俺の尻が覚えていまいした、スゴイぞ俺のケツ!(苦笑)

あとからくり時計?糸の先に錘があってそれが左右のポールに巻きつく奴なんかも覚えてました。

あとダイアトーンのスピーカーも!

 

しばらくして、まずコーンスープが出て来た。

ランチタイムにパンと飲み物をセットで頼んだ場合にスープとデザートにアイスが付くのです。

このスープを飲み終わる手前くらいで、タマゴサンドがようやく登場!

このタマゴサンド、よくあるゆで卵をくずしてマヨネーズであえるタイプの“THE 喫茶店のタマゴサンド”とは違ってました。

卵焼きをサンドしているのです!

先に、時間を要してると書いたが、理由はこの卵焼きを作るところから始まるからだったのです。

そして1カットが、パン/タマゴ/パン/レタス/パン/タマゴ/パン、で1つと1口で行くにはなかなかなサイズ。

早速食してみます。

ちょっぴり甘味のある卵焼きとレタスの食感が新鮮です。

プラスちょっとバター、マヨネーズ、胡椒のブレンド具合もまろやか。

そしてパンの柔らかいこと!

味わいも深く、このパンだけで何枚も食えそう。(笑)

そこへ見計らって絶妙なタイミングでコーヒーが出て来ました。

かの倉本聰氏愛好のコーヒーがこちらです!

ほんのり酸味がありながらもコクのある味わい。

実は、個人的には酸味のあるコーヒーはあまり得意ではないのですが、ばらーどさんのコーヒーはそれを上回るコクがあるので抵抗なくいただけるのです。

ああ、懐かしい、そうだこの味だった~。

 

コーヒーを味わっていると、そこへ食後のデザートとなるアイスクリームが出て来ました。

あっさり系のバニラアイスで、さっぱりといただきました。

 

いやぁ、民家内にある素敵な喫茶店で過ごす時間はやはり贅沢な感じで、そこらにある喫茶店でランチするのとは雲泥の差がありました。

それが、かつて自分が利用させていただいた喫茶店であり、そのご夫婦のご自宅だなんてね、驚きです。

是非また再訪したいと思います。