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ソリューションのおぼえがき

中小企業を応援するために、経営者と共に元気に戦っています!


正解なき、組織や事業の課題を発見し、
向き合って、ソリューションを提案しつづけるための「覚書」。

「いつもうまくいっている人」は、意味づけが上手いという印象があります。

 

おそらく、自分が置かれている状況や環境が変わるたびに、新しい意味を見出し、やる気が自然に湧いてくる状況を作ることができているからなのではないでしょうか。

 

たとえば、

「意に沿わない部署に異動した途端、すっかりやる気をなくしてしまった。」

「与えられている目標の意味が金銭に結びつかない。」

「どうせやったって、誰も認めてくれない。」

といったような仕事の意味づけをあえて行わないメンバーもいるでしょう。

 

やる気の見えてこないメンバーに、マネジャーが「もっと頑張れ!」と叱咤激励をかける場面も、今の時代でも相変わらずよく見かけます。

しかし、この言葉がむしろメンバーのやる気を下げてしまいます。

 

一度、各メンバーに「この会社で存在している意味」について考えてもらう機会を作ってみてはいかがでしょう。

組織を変えたい、組織を変革したいというニーズは、どの企業にもあります。

しかし、このような「組織改革」は何をもって成し遂げられるのでしょうか?

 

組織体制を変えるだけで、組織が変わると思っている人はいないでしょう。

評価制度を変えるだけ、もしくは運用ルールを変更するだけでは組織は変わりません。

 

組織を構成する人間関係の構築ができてもいないのに、体制や制度変更、仕組みの導入をしても、メンバーは違和感を覚えるだけです。

 

会社の考え方は何か?

組織の目的とは何か?

目標とは何か?

 

その目的に合致しない施策に取り組んだところで、働く人たちは違和感しか覚えません。

 

誰もがわかっていることは、組織の目的を果たすことです。

目標を達成させること。

 

つまり「組織改革」とは、「自立した従業員をいかに増やすか」という改革です。

 

では、なぜ多くの組織は「仕組み」を導入したがり、「制度」を変更したがるのでしょうか。

それは、そうすることで監視することができるために従業員の動きがわかるという錯覚に陥るからです。

 

自立しない人材に向かって、監視の強い仕組みや、制度変更に頼るとどうなるのでしょうか。

 

①自分の行動に問題意識をもたない

②自分のやり方が正しいと思い込むようになる

③組織のルールを設定しても、面倒なことは自身の判断でやめる可能性がある

 

メンバーの自主性を育てるためには、トップとマネジャーが責務を担うべきです。

「空・雨・傘」耳にしたことはありますか?

 

空・・・「空は曇っている」(事実認識)

雨・・・「雨が降ってきそうだ」(解釈)

傘・・・「傘を持っていこう」(判断・行動)

この3段階で物事を考えてみると、問題解決力が高まります。

 

「空」とは、自分の目で空を確かめるように、正しい事実認識を行うことです。

 

この認識を誤ると、その後の手段も誤ってしまいかねません。

空を見ずに、傘を持つか持たないかを判断したり、「人がそう言っているから……」と、

判断材料を人に委ねることなく、事実を自分の目でも確かめる習慣が大切です。

 

「雨」とは、認識した事実に基づいて解釈を行うことを指します。

「空が曇っている。だから、雨が降ってきそうだ」と解釈することを意味しています。

 

曇っている空を見て、「雨が降ってきそうだ」と捉えるのか、「いや、雨は降らない」と捉えるのかは人によって解釈が違います。

この解釈の仕方一つでその後の対策が変わることから、偏らず全体を踏まえ、あらゆる可能性の中から最も納得のいく解釈を導くことが求められます。

そのためには、解釈の方向性を1つに限定しない習慣を持つことが大切です。

 

「傘」とは、導かれた解釈に基づいて何をするのか、ということを指します。

 

「雨が降ってきそうだ」という解釈から、「傘を持っていく」という判断が導かれます。

しかし、他にも「雨合羽を着る」「自宅で待機する」「コンビニで傘を買う」などということも考えられます。

すなわち、目的を踏まえ、解釈から導かれる対策の中で、最も合理的な選択に絞ることが求められます。

 

このように、空・雨・傘の流れで考えるクセをつけておくと、自然と問題解決の力がついてきます。

ベテランの営業担当ほど従来の得意先に固執する発言をされます。

 

「ここは私でないと売上が落ちるのです」とこれまで自分が築いてきた環境を守ろうとされます。

 

しかし、担当者が変わったために会社がつぶれたという話を聞いたことがありません。

 

また中小企業ではこのようなベテラン営業が営業マネジャーを兼任しているのが実態です。

※昨今のある調査では、企業の大半の管理職と呼ばれる方々は現状「プレイングマネジャー」だそうです。

 

これまでに慣れているプレイヤー業務を実践するのは、本人にとっては安易なことで、言い換えると新たなより高いレベルの仕事へ挑戦する意欲を持ち得ないともいえます。

 

このようなベテラン営業も新しい仕事にチャレンジしない限り、その先には御用聞き営業になってしまうでしょう。

 

とにかく、私はこれだけをやってきた・・・。過去がこれだからこれからもこれでいい・・・。その発想だけは辞めたいものです。

営業支援の仕事をしていると、会議などでよく低い目標を設定したがる人を見かけます。

どれくらいが自分にとって、100%か?という到達ラインを悲観的に考える人・楽観的に考える人など様々います。自分の習性的に「自分で決めたことは、とにかくやりとげるまでやり抜く」考えが強いので、自分の感情を抑えるのに苦労します。

 

ただ、そのような会社によくあるパターンが、二つあると考えています。

 

①ノルマという言葉を使う会社

②目標管理ができていない会社

 

①の場合は、ノルマなので、未達成の場合の罰がひどいために、個人が何とか低く見積もるための算段をして、設定しようとする傾向があります。

②の場合は、上司自体も売上計画を考える事を普段していないために、みんなの設定目標の合算を会社の売上計画にしてしまう傾向があります。

 

結果、どちらを運用してみても、それなりに目標達成したり、未達成だったりと、売上げは伸びるどころか、景気と比例して好景気では「結果オーライ」、不景気では「下降の一途」となります。

 

では、どう取り組むのか?

各人の目標値とその目標難易度をトップやマネジャーは、理解しておかないといけません。

目標難易度はもちろん、キャリアを考慮します。キャリアによる公平性を重視します。

 

もうひとつは、一緒に目標達成のためのプロセスについて検討することです。この点については「任せるという名の放置」ではメンバーの信用が得られません。面従腹背の行動を起こしてしまう可能性があります。

 

私は、20年以上様々な業態の営業組織のマネジメント業務を行ってきましたので、このやり方から始めることが一番やりやすいと感じています。