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ソリューションのおぼえがき

中小企業を応援するために、経営者と共に元気に戦っています!


正解なき、組織や事業の課題を発見し、
向き合って、ソリューションを提案しつづけるための「覚書」。

なぜ、昨今の日本企業において、人的資本経営の関心が高まってきたのでしょうか。

 

【深刻な人手不足と技術革新にともなう人的資本価値の向上】

日本は少子高齢化が進み、生産年齢人口は1995年に、総人口は2008年をピークに減少に転じています。

従来、人の手によって行われてきた定型的な業務はデジタル化が進む一方で、DXを支える専門人材も不足している状況です。

こうした世の中の変化に対応できる優秀な人材の不足は今後も続いていくことが予想されるため、採用だけに頼らず、人的資本経営によって自社の社員一人ひとりのスキル向上を目指し、自社が持つ人的資本の価値を高めることが重要となります。

 

【ESG投資への関心の高まり】

ESGとは、「環境(Environment)」、「社会(Social)」、「ガバナンス(Governance)」の3要素を指します。

ESG投資に注目する投資家が増えたことにより、ESGに配慮した経営に力を入れるようになった企業も少なくありません。

企業はESG経営の一環として人的資本投資に力を入れるようになりました。

 

深刻化する人手不足や技術革新によって、実務経験が豊富で高度なスキルをもった労働者の価値は高まっています。

企業が持続的な成長を実現するためには、従業員を人的資本として捉え、中長期的な成長を促す取り組みが求められます。

ラポール形成のための具体的な方法について考えてみます。

 

【ミラーリング】

相手と同じような言動をしたり振る舞いを真似たりすることです。人間は同じような行動をとる人物に対して好意的な印象を抱くといわれています。

会話をするときの間のとり方や手の動きを真似してみることは、ミラーリングの代表例です。ただし、あまりにも同じような行動をとってしまうと、相手は不自然に感じ不快に思うため注意が必要です。

営業や接客などにおいて、初対面で信頼関係を構築しなければならない場合は、相手に好意的な印象を与えるミラーリングは有効な方法といえるでしょう。

 

【マッチング】

話し方の特徴を合わせることです。ミラーリングに対して、マッチングでは声のトーンや話のテンポ、リズムなどを合わせることが大きな違いといえます。

たとえば、声のトーンが低く静かな相手に対し、早口で話しても会話のリズムが合わず噛み合わないことがあるでしょう。このような場合、相手は「会話の主導権が一方的で自分とは合わない」と感じてしまい、信頼関係の構築は難しくなります。

対面でのコミュニケーションにかぎらず、コールセンターなど電話口で対応することが多い職種では、とくにマッチングが重要な手法といえます。

 

【バックトラッキング】

相手の言葉を繰り返したり、相手が使った言葉を会話に織り交ぜたりする方法です。オウム返しとも考えればよいでしょう。

会話の相手が自分の言葉を反復してくれることで、「自分の話を理解してくれている」、「自分の話をよく聞いてくれる」と感じるようになります。その結果、相手が信頼してくれるようになり、ラポールの形成につながる可能性が高まります。

ただし、機械的にオウム返しをするだけだと相手が不快感を抱くこともあるでしょう。そこで、会話のなかに相手の言葉を織り交ぜ、話の内容を要約しながら言葉のキャッチボールをすることが重要です。

長時間の会話や複雑な内容を正しく理解しなければならない場面などにおいて、内容を確認しながら会話を続けていくうえでも役立つ手法といえます。

 

【キャリブレーション】

相手の表情や行動など、言葉以外のサインを観察し、それに合わせてコミュニケーションの取り方を変える方法です。

たとえば、言葉では「理解できた」といっていても、腑に落ちないような表情をしている場合、本心では疑問に感じていることがあるかもしれません。そのような場合、どこがわからないか、または疑問に感じているのかを具体的にヒアリングすることで、相手は「自分のことを理解しようとしてくれている」と感じ、信頼関係が構築しやすくなるでしょう。

ビジネスの場面では、部下は上司に対して本音や本心を打ち明けにくいことも少なくありません。そのため、上司は部下の表情や行動、わずかな仕草などを観察しながら、本音を引き出すようなコミュニケーションが求められます。

お互いの率直な考えや意見を出し合えるために、キャリブレーションは効果的な手法です。

 

これらの手法を活用して、同調するのではなく、共感を持って対話を心がけることで、相手と信頼関係を持つことが可能になります。劇的にコミュニケーションが改善することでしょう。

バランスド・スコアカード(Balanced Scorecard)を導入する際に、以下の5つのプロセスが重要です。

 

これらのプロセスは、組織がバランスド・スコアカードを効果的に活用し、戦略的目標を達成するためのステップです。

 

①ビジョンの設定:バランスド・スコアカードのプロセスは、まず組織のビジョンとミッションの明確な定義から始まります。組織がどのような方向性を持ち、何を達成しようとしているかを確立します。ビジョンは全てのスコアカード活動の基盤となります。

②戦略の設定:ビジョンをもとに、組織の戦略的目標を設定します。これはビジョンを実現するための具体的なステップや戦略を検討するプロセスであり、長期的な目標や方向性を明示化します。

③KSF(Key Success Factors)の設定:KSFは、戦略的目標を達成するために不可欠な要因や要素を特定するプロセスです。組織が成功するためには、どの要因が最も重要であるかを明確にします。

④KPI(Key Performance Indicators)・KGI(Key Goal Indicators)の設定:KPIとKGIは、戦略的目標の進捗を測定し、評価するための指標です。KPIは具体的な行動やプロセスのパフォーマンスを示し、KGIは戦略的目標の達成度を示します。これらの指標を設定し、定期的に評価することで、進捗を把握し、必要な調整を行います。

⑤アクションプランの設定:最後に、バランスド・スコアカードを実行するための具体的なアクションプランを策定します。戦略的目標を達成するために必要なアクションやプロジェクトを計画し、実行するステップです。アクションプランは、組織内の関係者に責任を割り当て、期限を設定することが含まれます。

 

これらのプロセスを適切に実行することにより、バランスド・スコアカードは組織にとって戦略実行とパフォーマンス評価のための強力なツールとなり、ビジョンから具体的な成果への道を示します。

 

導入の際の留意点として、組織全体へのコミットメントと関与が必要です。また、 適切な指標の選択が成功の鍵です。指標は戦略的目標とつながっており測定可能である必要があります。

 

 

組織文化は、いくつかの重要な機能を果たします。

まず第一に、組織文化は組織内の協力と連帯感を促進し、メンバー同士の協力を奨励します。また、組織文化は組織のアイデンティティを形成し、メンバーに一体感をもたらします。

しかし、文化が過度に強調されると、逆に問題を引き起こす可能性があります。これは、異なる文化を持つメンバーや新入社員との適切な調整が難しくなることや、柔軟性の不足につながることがあります。

 

組織文化をマネジメントするためには、組織のリーダーシップと組織全体の努力によって行われます。文化を形成し、維持するためには、リーダーシップが価値観を示し、文化を実践することが重要です。また、文化の変化が必要な場合、変更を促進するリーダーシップやプロセスが必要です。組織文化のマネジメントには、コミュニケーション、教育、報酬システムの変更など、さまざまな手法が含まれます。

バランスド・スコアカードは、組織の戦略的目標の設定と、それらの目標を達成するための行動計画の策定に役立ちます。

 

主なビジネスでの活用場面は次のとおりです。

・戦略策定: ビジョンやミッションを基に、戦略的目標と指標を設定し、組織全体に方向性を示します。

・パフォーマンス評価: 定期的な評価を通じて、組織のパフォーマンスを追跡し、課題を特定します。

・リソース配分: 有限なリソースを最適に配分するために、戦略的な重要性に基づいてプロジェクトや活動を選別します。

 

メリット

・戦略的透明性: バランスド・スコアカードは組織内の戦略的な方向性を明確にし、全員が共通の目標に向かって協力できるようにします。

・継続的改善: 定期的な評価を通じて、問題を早期に発見し、プロセスの改善と学習に寄与します。

デメリット

・複雑性: バランスド・スコアカードの設計と実施は複雑で時間がかかることがあります。

・適用の難しさ: すべての組織に適用できるわけではなく、導入には独自の調整が必要です。