読書時間:4.0h
一読:なし
再読:なし
R指定:なし
著者:深川洋一
刊行:2007年8月
価格:1300円+税
出版:小学館
第17回日本トンデモ本大賞ノミネート作品
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音楽でタンパク質を制御できるという主張
<天の音楽>と<地の音楽>
音楽の解剖学
《タンパク質の音楽》から見えてくること
コーダ
音楽を聞かせるとワインは美味しくなるという話を聞いたことがあるかもしれない。
振動が酵母に影響を与えることは考えられるので、ないとはいえない。
ちょっと古いが論文もある。
音楽振動の酒類への利用(1991年)
メロディ自体がタンパク質の合成に影響を及ぼすというのが本書の主張である。
タンパク質を構成するアミノ酸は固有のピッチを持っており、12階調と一致する。
タンパク質合成の促進/抑制の並びとメロディが一致すると、実際に促進/抑制されるという。
メロディーが植物の成長に影響を及ぼしたとするのが、p.53の実験である。(1999年ベルギー)
トマトに光合成を活発化させる音楽を1日12分間聴かせて、発育の差を調べるというものだが、メロディが影響するのであれば、
何も聞かせない、促進する音楽、抑制する音楽、促進も抑制もしない音楽、の4パターンを試さなければ、メロディが影響することの証明にならない。
追試も見つからず、この件だけでメロディが影響するとは言えない。
そもそも、アミノ酸がもつ固有の振動数は、可聴音の78オクターブ上であるという。
基準音のラ(440Hz)であれば、132.9YHz(ヨタ 10^24)になる。
聞いたことないオーダーの周波数だが、ひとまず生命の謎として受け入れよう。
メロディがタンパク質の合成に影響を及ぼすという白黒つけがたい状況で、『音薬療法』なるものが存在する。
広まっていないところをみると、効果はないと思われる。
効果に疑問符がつくメロディに対して、著者は以下のように締めくくっている。
p277
タンパク質の音楽は副作用が生じる危険があるので、利用には正しい知識が不可欠である。
本書でアミノ酸に対応するピッチを明記しなかったのは、それが理由である。
もし分かっても、遊び半分で演奏したり他の人に聞かせてはならない。
デタラメより
「科学的とは反証可能であること」を肝に銘じている
アミノ酸のピッチは、どこで出てくるのか期待していたのに、締めで台無し。
これは科学ではない。
取り上げられている曲からピッチを明記してみた。
曲によってはピッチが逆になっているのもあり、明記していなゆえ検証もできない。
| アミノ酸名称 | 略号 | ピッチ |
|---|---|---|
| アラニン | A | 0 |
| アルギニン | R | 2 |
| アスパラギン | N | 7 |
| アスパラギン酸 | D | 7 |
| システイン | C | 9 |
| グルタミン | Q | 5 |
| グルタミン酸 | E | 5 |
| グリシン | G | -7 |
| ヒスチジン | H | 4 |
| イソロイシン | I | 7 |
| ロイシン | L | 7 |
| リシン | K | 5 |
| メチオニン | M | 5 |
| フェニルアラニン | F | 4 |
| プロリン | P | 9 |
| セリン | S | 7 |
| トレオニン | T | 9 |
| トリプトファン | W | 0 |
| チロシン | Y | 2 |
| バリン | V | 9 |
| 12平均律音階 | |
|---|---|
| ド | 0 |
| レ | 2 |
| ミ | 4 |
| ファ | 5 |
| ソ | 7 |
| ラ | 9 |
| シ | 11 |
| ド | 12 |
例)
アラニンのピッチ0は、アルギニンと比較して2階調下という意味で、ドではない。

